町山智浩、『進撃の巨人 END OF THE WORLD』の副題は村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を意識
2015.09.15 (Tue)
2015年9月15日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『たまむすび』(毎週月-金 13:00-15:30)にて、映画評論家・町山智浩が出演し、脚本を担当した映画『進撃の巨人 END OF THE WORLD』の副題は、村上春樹の小説『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』を意識したのだと仄めかしていた。

町山智浩:『進撃の巨人』の後編の『進撃の巨人 END OF THE WORLD』が、今週の末に公開になります。
赤江珠緒:9月19日。
町山智浩:9月19日公開ですね。その宣伝をしなければならないんですけど(笑)僕が、脚本に関わってますんで。
赤江珠緒:はい。
町山智浩:ちょっと、この音楽を聴いてもらえますか?…これ、聴いたことあるでしょ?原田知世さんとか、麻丘めぐみさんとか、色んな方がカヴァーしてる歌で、スキータ・デイヴィスっていうアメリカの女性歌手。1962年のヒット曲『END OF THE WORLD』で。
山里亮太:ああ。
町山智浩:『世界の果てまで』って日本語タイトルがついてるんですけど。
山里亮太:はい。
町山智浩:今回ね、進撃の巨人の副題が、『END OF THE WORLD』なんですけど、「それって、SEKAI NO OWARIが歌ってるから、タイアップじゃねぇの?」って言ってる人が多いんですよ(笑)
赤江珠緒:たしかに。
町山智浩:そっちじゃないんですよ。『世界の果てまで』なんですよ、実は。こっちの歌がまずあって。後編は、ほとんど僕が作った話になってるんですよ(笑)
山里亮太:え?作った?
町山智浩:はい。つまり、『進撃の巨人』っていうのは、連載がずっと続いてるマンガなんで。
赤江珠緒:まだ終わってないですもんね。
町山智浩:ただ、映画については「途中までですよ。話は何も解決してませんよ」って終わらせることはできないですよね。
山里亮太:そうなんですよ。
町山智浩:これは、巨人って呼ばれる人間を喰う怪物たちに支配された世界で。
山里亮太:はい。
町山智浩:巨人から身を守るために、巨大な壁を築いたところに、ある社会がある、と。そういう物語なんですよね。
山里亮太:はい。
町山智浩:なんでそんな巨人が出てきたのとか、どうやって壁を築いたのかとか。あと、人間の内で何人か、巨人になる能力を持つ者がいて。どうしてそういうことができるのか、とか。そういうことは、原作では全く明らかにされてないんです。
山里亮太:はい。
町山智浩:でも、それを映画でそのまま「謎です」って感じで切り抜く感じで出すわけにはいかないんで(笑)
山里亮太:はい。
町山智浩:映画は映画で、それに対して「なぜ巨人は出てきたか」「巨人は何なのか、説明しなきゃマズイよ」って話になったんで。でも、原作にないんで、「テメェで考えろ」って話になったわけですよ(笑)
山里亮太:これ、難しいお題ですよ(笑)
町山智浩:難しいんですよ。映画、前編後編があるんで、後編は謎解きの部分になってて。
山里亮太:ああ、なるほど。
町山智浩:それで、1人で考えられないんで、原作者の諫山先生と話ながら、「こんな感じでまとめていこう」みたいな感じで、今回は謎解き編です。
山里亮太:へぇ。
町山智浩:そういうことをやってる中で、「壁に囲まれた世界」って、なんか同じような話を僕、知ってるぞってなって。「あ、アレだ!」っていうのがあったんです。
赤江珠緒:なんだ?
町山智浩:「そういう小説、俺、若い頃に読んだぞ」って。それ、凄く有名な小説(村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』)なんで言いません。分かっても言わないで。
赤江珠緒:はい。
町山智浩:その小説の冒頭に出てくるのが、今流れた『世界の果てまで』っていう歌なんです。
山里亮太:そこから、この副題っていうか。
町山智浩:そこから、『END OF THE WORLD』っていうのが来たんです。そしたら、後からSEKAI NO OWARIが主題歌を歌うんで、タイアップかと(笑)
山里亮太:たまたま、と(笑)
町山智浩:先にこの歌がありきなんですけどね。この歌が、歌詞が凄い良い歌詞なんですよ。「なぜ、波はいつもと同じように打ち寄せるの? なぜ、鳥は何事もなかったように歌うの? もう世界の終わりがきているというのに」っていう歌なんですね。
山里亮太:ああ。
町山智浩:『END OF THE WORLD』のENDは、「終わり」って意味もありますけど、「端っこ」って意味もあるんです。だから、世界の端っこって意味もあるんです。
山里亮太:はい、はい。
町山智浩:その有名な小説は、世界が壁で終わっちゃうんで、それに引っ掛けてるんですね。
山里亮太:ああ。
町山智浩:『世界の終わり』と、『世界の果て』を引っかけてるわけですね、小説は。僕もそれをやろうかなって(笑)
赤江珠緒:へぇ。
町山智浩:めちゃくちゃ有名な小説なので(笑)ちょっとそれをやろうかなって(笑)凄く説明しにくいですが。
山里亮太:へぇ。
次の記事に続く:
町山智浩、映画『進撃の巨人』後編の見どころについて言及「僕たちが住む現実の日本と、どういう風に繋がるか」
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町山智浩:『進撃の巨人』の後編の『進撃の巨人 END OF THE WORLD』が、今週の末に公開になります。
赤江珠緒:9月19日。
町山智浩:9月19日公開ですね。その宣伝をしなければならないんですけど(笑)僕が、脚本に関わってますんで。
赤江珠緒:はい。
町山智浩:ちょっと、この音楽を聴いてもらえますか?…これ、聴いたことあるでしょ?原田知世さんとか、麻丘めぐみさんとか、色んな方がカヴァーしてる歌で、スキータ・デイヴィスっていうアメリカの女性歌手。1962年のヒット曲『END OF THE WORLD』で。
山里亮太:ああ。
町山智浩:『世界の果てまで』って日本語タイトルがついてるんですけど。
山里亮太:はい。
町山智浩:今回ね、進撃の巨人の副題が、『END OF THE WORLD』なんですけど、「それって、SEKAI NO OWARIが歌ってるから、タイアップじゃねぇの?」って言ってる人が多いんですよ(笑)
赤江珠緒:たしかに。
町山智浩:そっちじゃないんですよ。『世界の果てまで』なんですよ、実は。こっちの歌がまずあって。後編は、ほとんど僕が作った話になってるんですよ(笑)
山里亮太:え?作った?
町山智浩:はい。つまり、『進撃の巨人』っていうのは、連載がずっと続いてるマンガなんで。
赤江珠緒:まだ終わってないですもんね。
町山智浩:ただ、映画については「途中までですよ。話は何も解決してませんよ」って終わらせることはできないですよね。
山里亮太:そうなんですよ。
町山智浩:これは、巨人って呼ばれる人間を喰う怪物たちに支配された世界で。
山里亮太:はい。
町山智浩:巨人から身を守るために、巨大な壁を築いたところに、ある社会がある、と。そういう物語なんですよね。
山里亮太:はい。
町山智浩:なんでそんな巨人が出てきたのとか、どうやって壁を築いたのかとか。あと、人間の内で何人か、巨人になる能力を持つ者がいて。どうしてそういうことができるのか、とか。そういうことは、原作では全く明らかにされてないんです。
山里亮太:はい。
町山智浩:でも、それを映画でそのまま「謎です」って感じで切り抜く感じで出すわけにはいかないんで(笑)
山里亮太:はい。
町山智浩:映画は映画で、それに対して「なぜ巨人は出てきたか」「巨人は何なのか、説明しなきゃマズイよ」って話になったんで。でも、原作にないんで、「テメェで考えろ」って話になったわけですよ(笑)
山里亮太:これ、難しいお題ですよ(笑)
町山智浩:難しいんですよ。映画、前編後編があるんで、後編は謎解きの部分になってて。
山里亮太:ああ、なるほど。
町山智浩:それで、1人で考えられないんで、原作者の諫山先生と話ながら、「こんな感じでまとめていこう」みたいな感じで、今回は謎解き編です。
山里亮太:へぇ。
町山智浩:そういうことをやってる中で、「壁に囲まれた世界」って、なんか同じような話を僕、知ってるぞってなって。「あ、アレだ!」っていうのがあったんです。
赤江珠緒:なんだ?
町山智浩:「そういう小説、俺、若い頃に読んだぞ」って。それ、凄く有名な小説(村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』)なんで言いません。分かっても言わないで。
赤江珠緒:はい。
町山智浩:その小説の冒頭に出てくるのが、今流れた『世界の果てまで』っていう歌なんです。
山里亮太:そこから、この副題っていうか。
町山智浩:そこから、『END OF THE WORLD』っていうのが来たんです。そしたら、後からSEKAI NO OWARIが主題歌を歌うんで、タイアップかと(笑)
山里亮太:たまたま、と(笑)
町山智浩:先にこの歌がありきなんですけどね。この歌が、歌詞が凄い良い歌詞なんですよ。「なぜ、波はいつもと同じように打ち寄せるの? なぜ、鳥は何事もなかったように歌うの? もう世界の終わりがきているというのに」っていう歌なんですね。
山里亮太:ああ。
町山智浩:『END OF THE WORLD』のENDは、「終わり」って意味もありますけど、「端っこ」って意味もあるんです。だから、世界の端っこって意味もあるんです。
山里亮太:はい、はい。
町山智浩:その有名な小説は、世界が壁で終わっちゃうんで、それに引っ掛けてるんですね。
山里亮太:ああ。
町山智浩:『世界の終わり』と、『世界の果て』を引っかけてるわけですね、小説は。僕もそれをやろうかなって(笑)
赤江珠緒:へぇ。
町山智浩:めちゃくちゃ有名な小説なので(笑)ちょっとそれをやろうかなって(笑)凄く説明しにくいですが。
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