TOP ≫ 伊集院光 深夜の馬鹿力 ≫ 伊集院光、PS4ゲーム『Until Dawn』日本版で残酷シーンをブラックアウトで規制したことについて批判「これ最悪」
伊集院光、PS4ゲーム『Until Dawn』日本版で残酷シーンをブラックアウトで規制したことについて批判「これ最悪」
2015.09.15 (Tue)
2015年9月14日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、PS4ゲーム『Until Dawn -惨劇の山荘-』日本語版をプレイし、その斬新なシステムに惹かれたにも関わらず、日本版へのローカライズで残酷なシーンをブラックアウトで規制したことで台無しにされたことに対し批判を行っていた。
Until Dawn -惨劇の山荘-

伊集院光:最近やってるゲームで、『Until Dawn』っていうゲームなんですけど。PS4用のソフトをやってて。ホラーゲームなんですよ。
これ、スゲェ面白くて。ベタなホラーゲーム。雪山のロッジに、男女8人くらいで、また勉強もしねぇ大学生たちが(笑)サークルですよ。サークルのパーティーみたいなんで集まるわけですよ。
そこで、キャッキャやってて、1人の真面目な女の子…アンジェラ・アキにクリソツな女の子なんですけど(笑)アンジェラ・アキを少しシャクらなかった感じの女の子なんですよ(笑)
その女の子が、ドッキリみたいなのかけられて。「片思いの人が、お前のこと好きらしいぜ」みたいなドッキリにかけられて、ショックで雪山の中に走ってっちゃったんだけど。そこに、どうやら殺人鬼がいるらしいって状況で。
これ、「バタフライ・エフェクト システム」っていうのが売りで。自分がどんな選択肢をどの場面で選んだかによって、かなり後のストーリーに影響しますよっていう。後のストーリーが、大幅に変わりますよ、と。選択を強いられるところが、スゲェたくさんあって。
「バタフライ・エフェクト」っていうのは、遠くの国で蝶々が一回、ファサって羽ばたいた。その風が大きくなって、大きくなって、大きくなって…全然違うところでハリケーンになります、みたいな。それが「バタフライ・エフェクト」の意味なんですけど。
だから、ちょっとした行動で、たまたま射撃場みたいなところで、的を撃ってるんだ。同じリズムで的を撃ってたら、リスが出て来て。そのリスを撃つようなヤツなのか、撃たないようなヤツなのかで、後々、相当違うらしいのよ。
それで、和訳するなら、「風が吹けば桶屋が儲かる」っていう、とても日本には良い言葉がありますから。「風桶システム」にしてくれた方が分かりやすいんですけど、超格好悪いからしないと思うんです(笑)
「バタフライ・エフェクト システム」っていうのが肝なので。俺がやった形と、今言ったようなストーリーが、序盤から少しずつ変わっていくのかもしれないですけど。ほんの最初の5分で言うと、2人が行方不明になっちゃうんだよね。
「あれから1年」ってなって、依然、行方不明ですよ。ラジオのニュースからは、「1人、怪しい人はピックアップされていますが、捜査は進んでいません」っていうのが流れてきて。
「アイツらのこと忘れちゃったっていうのも悪いから、また行ってパーティーやろうぜ」っていうの。それで、また行くことになるわけ。そこが俺、全然ノれないわけ(笑)俺からしたら、そこに行かないっていう選択肢がなきゃおかしいだろっていう。
行くか?普通(笑)「また行こうぜ。行かねぇと、話始まんねぇから」なんていう感じで行って。それで、完全にベタな『13日の金曜日』とかのパターンじゃん。雪山の猛吹雪のロッジから出ることはできません。だけど、そこは実は殺人があったところで、中を探検していると、色んなパーツが出てくるんだけど、どうやら猛烈な曰くのある物件をお金持ちが買い取って、無理やりこういうロッジにしてるらしいよって、全部、ベタなパターンが入ってくるわけ。
当然、俺のちょっとした操作ミスも含めて、死んだり、行方不明になったりとかしていきますよっていうゲームなんだけど。
突然、ゲームの途中にカウンセラーが出てきて。急に、ストーリーをぶった切って、カウンセラーが出てきて。
「この絵、怖いですか?」みたいなヤツを、カウンセリングしてくるわけ。「これとこれだったら、どっちがイヤですか?」って言ってくるの。「ゴキブリと注射針、どっちがイヤですか?」って。「俺は、注射針イヤかな」って選んで。
「この絵の屋敷、どう思いますか?気持ち悪い、清々しい」って出されて、「気持ち悪い」を選んだり。さらに、「何が気持ち悪いんですか?」って訊かれて、何択か出てきて、どんどん凄いスピードでYES/NOを選ばされるんだけど、どうやらこれで、ちょっと恐怖のオーダーメイドをしてるっぽいの。
俺は全部、何が怖いかって、饅頭を怖いって選んでおくべきだったんですよ。何を言われても、「饅頭怖い、饅頭怖い。俺は、饅頭だけは怖ぇんだよ」って。それでエンディングで、「ここらで一杯、お茶が怖い…ダーン!アンティル・ドーン!」で終われるはずだったのに、俺はそこで一回もそこで饅頭出てこねぇから(笑)アメリカだから、饅頭が出てこねぇから。落語の修行の甲斐がない(笑)
でも、俺、「怖い、怖い」って言うわりに、やるんですよね。「やめてください、やめてください」って言うけど、帰りに支配人に「今日の女王様は、新入りだったのかな。全然きてくれないんだよ。アレだけ『亀頭にまち針は刺すな、刺すな』って言ったら?刺すでしょ」って(笑)その感じの(笑)
「『乳首はちぎらないで!』って、フロントに聞こえるくらいで俺、言ったよね?…ちぎらねぇんだよ」的なところがあるから、ホラーゲームに関しては(笑)
まあ、そこに関してはちょっと面白い試みだし。俺に言わせれば、オーダーメイドのホラーゲームが結果、出来上がりますよ、みたいな感じのゲームなんですよ。
それで、俺のよくある「これ、こっちがわの選択肢を選んだら、見殺しになっちゃうよな」みたいなことを繰り返すことによって、出てくるヤツが正直、みんなイヤなヤツなの。みんな「ちょっと問題あるよな、コイツ」っていうヤツなわけ。
その中で、俺の価値観みたいなものも、多少は反映されてて。誰を殺して、誰を生かすか、みたいな。あと、ホラー映画の王道みたいな欠片がいっぱい入ってて。俺の選んだ形では、こうなるみたいな。
長年ゲームやってる感だと、「こっち選ばないと、この屋敷で起こってること、全く違う解釈に向くよな」みたいな感じの選択肢がいっぱいあって。
ここまで結構、俺の話聞いて、「やってみたい。よさそう」って思うでしょ?最悪なことが一個あるの。「これ、何考えてんの?」ってことが一個だけあって。アメリカのゲームを日本のゲームにするとき、ローカライズっていう作業をするんですよ。それは、声優さんをやとって、声優さんに吹き替えさせたり、もしくは字幕を全部日本語に変えたり。
最近、ゲームもなかなか売れないですから、アメリカから良いゲーム買ってきて、ローカライズにあんまりお金をかけられないってことがあるんですよ。だから、向こうではかなりクールな感じの画面だったにも関わらず、日本語では飾りっけのないフォントになっちゃったりとか。格好良さが損なわれてるなってゲームも多いんだけど。
そんな中で、「これ最悪」ってことがあって。要は、こういうゲームだから、スプラッタなんですよ。とんでもない道具で。俺が女王様に預けてる玉袋をちぎるかちぎらないかのところで、ピーンと張ってて、その真ん中のカミソリの刃を当てたまま、「切っちゃうよ、切っちゃうよ。切ったら、裏返しになっちゃうよ、アンタ!」っていう道具あんじゃん。みんな持ってるじゃん(笑)
みんなのAmazonのオススメにも出てくるでしょ?玉袋の端と端を押さえて、それを引っ張ってモモンガ、みたいにギリギリまで引っ張って、これ以上何かがあったら避けちゃうってなったところに、刃が当たってるヤツのデカイヤツみたいな。プロ仕様のヤツ(笑)
そんなのにかけられて、びっくりするくらいの殺され方をするってシーンが、全部、おそらくダメだって判断をされている。日本では、残酷シーン過ぎてダメだって判断をされているらしくって、それを隠そうっていう。
今までこういうシーンに対する規制って、結構、これまでされてきました。僕は、それ目当てにしてないから、それが全部オープンになるのが良いとは思ってないです。むしろ、スゲェ好きじゃなくて、「怖いなぁ、怖いな、怖いなぁ」な人だから。
だから、それを出せば良いって思ってるんじゃないけど。ジェイソンみたいなのが襲ってくるようなゲームで、最初のオプションの設定のところから、「血を緑にする」を選べるとか。この世のものじゃないようにする、とか。自己責任だけど、赤にしても遊べます、みたいなゲームがあって。これも、どうかは分からないよ。倫理のことだから。世の中で、倫理ほど難しいものはないから。
それで、色んな工夫をして見せないようにしたりもできるけど、このゲームは、突然真っ暗になるの。意味もなく。ただ単に、黒塗りにするっていう。ただ単に黒にするのとか。
性表現でも、オチンチンを描かないようにするために、オットセイにするとか、ナスにするとか。オットセイが、『やる気まんまん』、ナスが『魔物語 愛しのベティ』ね(笑)そういう風に工夫してきたにも関わらず、ただ単に黒の墨で塗るってことはないじゃん。そういうシーンを、全画面黒塗りにするってことじゃん。
最初、そのことを知らなかったから「え?」って思ったんだけど、そういう残虐シーンになったら、黒くなるわけ。内のPS4の接触が、変になっちゃってんのかな、みたいな。HDMIケーブルが、子鬼にかじられちゃってんのかなって。
後の方になったら、1分間くらい延々と全部真っ暗だったりする上に、意味が分からないのは、真っ暗な時に行われたことをキーにしたようなことを言われるわけ。「あの時、ああされてたから、こうなる」って言われても、「見てねぇよ、それ」って。
最初、俺の選択肢では見なかったってことが、雑にはみ出てんのかって思ったら、違うんだよね。前のヤツが襲われた時に、行われたシーンでやってることで、1つフラグが立ってるのを、「真っ暗にされちゃったから分かんねぇよ」って。
昔、「芸能人流出Hビデオ」ってあったじゃん。それが、近くのレンタルビデオ店で白いパッケージに手書きで実名で「○○の流出ビデオ」って、少しレンタル代も高くて。でも、背伸びして借りてみたら、顔面に思いっきりモザイクがかかってるわけ。もうダメじゃん(笑)顔面にモザイクかけた時点でダメじゃんか。もう意味がないじゃん。
このゲーム自体は、つまらなくはないんです。こんなことがあった上でも、ゲーム好きはやる価値はあると思う。初めてなんですよ。最後までやり終わった時に、フルオーダーではないまでも、セミオーダーの恐怖映画が終わりましたって感じだから。俺がやったヤツの、他のヤツが見てみたいわけ。
2プレイ目で、他の後輩芸人がやったら、「ああ、俺はあそこはああ選んだけど、こうするんだ」みたいな。割りと、ゲームにありがちな、色んなパターンを自分で選びなおして、全パターン見てみよう、みたいなのもモチベーションになってるんだけど、俺はそれは違うと思うんだ。
そうじゃなくて、色んな人がやって、「ああ、俺の性格だからこそ、ああいうことを呼び寄せちゃってるんだ」みたいなことがちょっと面白いんだよ。多分、俺、このゲームが野面で出てきたら、酸っぱい葡萄っていうか、そうはできなかったことも含めて、10点つけても良いと思うんだけど、その急に暗くなっちゃうシステムは、もうダメだろって。
全部見せろとは言わないけど、やり方あるじゃん。もちろん、カネが掛かるのは分かるけど。今時、『インサイド・ヘッド』とか、3Dの映画のカネかかってるヤツは、日本向けに看板が日本語になってたりするじゃん。あそこまでやれとは言わないけど、怖いシーンだけ白黒にしたり、自己責任で見るか見ないかにするとかじゃないと。
現在、日本でもそんなに有名じゃないってこともあって、「採算とれないから、日本には持ち込みません」っていうのが正しいのかって言えば、俺は英語ができない分、出会えないわけだから。それは困ったもんだと思うけど、もったいないなぁって。スゲェもったいないよなぁって。まぁ変わったゲームの中で、結構、面白いゲームで、ホラーファンはスゲェそそられるゲームだと思うんですよ。
しかも、エンディングで、俺のやり方だとアイツはいつ死んだっていうのが、殉職シーン集みたいな感じで出るの。それも真っ黒だから(笑)『太陽にほえろ』で、松田優作が「なんじゃこりゃああ!」って言うたび、真っ暗だったらどう思う?(笑)もう、そこは血が映ってるからって理由で。もう…なんかね、スゲェ残念なゲーム。
【関連記事】
伊集院光、PS4/PS3ゲーム『Destiny』で弱くても勝ち進める方法を伝授
伊集院光、『マインクラフト』上に墓を建てる計画を語る「死んだ後にリスナーがちょっとずつ石積んでくれたら」
伊集院光「ゲームにおけるDLCややりこみ要素は不要」
Until Dawn -惨劇の山荘-

伊集院光:最近やってるゲームで、『Until Dawn』っていうゲームなんですけど。PS4用のソフトをやってて。ホラーゲームなんですよ。
これ、スゲェ面白くて。ベタなホラーゲーム。雪山のロッジに、男女8人くらいで、また勉強もしねぇ大学生たちが(笑)サークルですよ。サークルのパーティーみたいなんで集まるわけですよ。
そこで、キャッキャやってて、1人の真面目な女の子…アンジェラ・アキにクリソツな女の子なんですけど(笑)アンジェラ・アキを少しシャクらなかった感じの女の子なんですよ(笑)
その女の子が、ドッキリみたいなのかけられて。「片思いの人が、お前のこと好きらしいぜ」みたいなドッキリにかけられて、ショックで雪山の中に走ってっちゃったんだけど。そこに、どうやら殺人鬼がいるらしいって状況で。
バタフライ・エフェクト システムとは
これ、「バタフライ・エフェクト システム」っていうのが売りで。自分がどんな選択肢をどの場面で選んだかによって、かなり後のストーリーに影響しますよっていう。後のストーリーが、大幅に変わりますよ、と。選択を強いられるところが、スゲェたくさんあって。
「バタフライ・エフェクト」っていうのは、遠くの国で蝶々が一回、ファサって羽ばたいた。その風が大きくなって、大きくなって、大きくなって…全然違うところでハリケーンになります、みたいな。それが「バタフライ・エフェクト」の意味なんですけど。
だから、ちょっとした行動で、たまたま射撃場みたいなところで、的を撃ってるんだ。同じリズムで的を撃ってたら、リスが出て来て。そのリスを撃つようなヤツなのか、撃たないようなヤツなのかで、後々、相当違うらしいのよ。
それで、和訳するなら、「風が吹けば桶屋が儲かる」っていう、とても日本には良い言葉がありますから。「風桶システム」にしてくれた方が分かりやすいんですけど、超格好悪いからしないと思うんです(笑)
「バタフライ・エフェクト システム」っていうのが肝なので。俺がやった形と、今言ったようなストーリーが、序盤から少しずつ変わっていくのかもしれないですけど。ほんの最初の5分で言うと、2人が行方不明になっちゃうんだよね。
ベタなホラー映画のパターンが盛りだくさん
「あれから1年」ってなって、依然、行方不明ですよ。ラジオのニュースからは、「1人、怪しい人はピックアップされていますが、捜査は進んでいません」っていうのが流れてきて。
「アイツらのこと忘れちゃったっていうのも悪いから、また行ってパーティーやろうぜ」っていうの。それで、また行くことになるわけ。そこが俺、全然ノれないわけ(笑)俺からしたら、そこに行かないっていう選択肢がなきゃおかしいだろっていう。
行くか?普通(笑)「また行こうぜ。行かねぇと、話始まんねぇから」なんていう感じで行って。それで、完全にベタな『13日の金曜日』とかのパターンじゃん。雪山の猛吹雪のロッジから出ることはできません。だけど、そこは実は殺人があったところで、中を探検していると、色んなパーツが出てくるんだけど、どうやら猛烈な曰くのある物件をお金持ちが買い取って、無理やりこういうロッジにしてるらしいよって、全部、ベタなパターンが入ってくるわけ。
当然、俺のちょっとした操作ミスも含めて、死んだり、行方不明になったりとかしていきますよっていうゲームなんだけど。
セミオーダーのゲームを体験できる
突然、ゲームの途中にカウンセラーが出てきて。急に、ストーリーをぶった切って、カウンセラーが出てきて。
「この絵、怖いですか?」みたいなヤツを、カウンセリングしてくるわけ。「これとこれだったら、どっちがイヤですか?」って言ってくるの。「ゴキブリと注射針、どっちがイヤですか?」って。「俺は、注射針イヤかな」って選んで。
「この絵の屋敷、どう思いますか?気持ち悪い、清々しい」って出されて、「気持ち悪い」を選んだり。さらに、「何が気持ち悪いんですか?」って訊かれて、何択か出てきて、どんどん凄いスピードでYES/NOを選ばされるんだけど、どうやらこれで、ちょっと恐怖のオーダーメイドをしてるっぽいの。
俺は全部、何が怖いかって、饅頭を怖いって選んでおくべきだったんですよ。何を言われても、「饅頭怖い、饅頭怖い。俺は、饅頭だけは怖ぇんだよ」って。それでエンディングで、「ここらで一杯、お茶が怖い…ダーン!アンティル・ドーン!」で終われるはずだったのに、俺はそこで一回もそこで饅頭出てこねぇから(笑)アメリカだから、饅頭が出てこねぇから。落語の修行の甲斐がない(笑)
でも、俺、「怖い、怖い」って言うわりに、やるんですよね。「やめてください、やめてください」って言うけど、帰りに支配人に「今日の女王様は、新入りだったのかな。全然きてくれないんだよ。アレだけ『亀頭にまち針は刺すな、刺すな』って言ったら?刺すでしょ」って(笑)その感じの(笑)
「『乳首はちぎらないで!』って、フロントに聞こえるくらいで俺、言ったよね?…ちぎらねぇんだよ」的なところがあるから、ホラーゲームに関しては(笑)
まあ、そこに関してはちょっと面白い試みだし。俺に言わせれば、オーダーメイドのホラーゲームが結果、出来上がりますよ、みたいな感じのゲームなんですよ。
それで、俺のよくある「これ、こっちがわの選択肢を選んだら、見殺しになっちゃうよな」みたいなことを繰り返すことによって、出てくるヤツが正直、みんなイヤなヤツなの。みんな「ちょっと問題あるよな、コイツ」っていうヤツなわけ。
その中で、俺の価値観みたいなものも、多少は反映されてて。誰を殺して、誰を生かすか、みたいな。あと、ホラー映画の王道みたいな欠片がいっぱい入ってて。俺の選んだ形では、こうなるみたいな。
長年ゲームやってる感だと、「こっち選ばないと、この屋敷で起こってること、全く違う解釈に向くよな」みたいな感じの選択肢がいっぱいあって。
日本版におけるブラックアウトによる規制に「これ最悪」
ここまで結構、俺の話聞いて、「やってみたい。よさそう」って思うでしょ?最悪なことが一個あるの。「これ、何考えてんの?」ってことが一個だけあって。アメリカのゲームを日本のゲームにするとき、ローカライズっていう作業をするんですよ。それは、声優さんをやとって、声優さんに吹き替えさせたり、もしくは字幕を全部日本語に変えたり。
最近、ゲームもなかなか売れないですから、アメリカから良いゲーム買ってきて、ローカライズにあんまりお金をかけられないってことがあるんですよ。だから、向こうではかなりクールな感じの画面だったにも関わらず、日本語では飾りっけのないフォントになっちゃったりとか。格好良さが損なわれてるなってゲームも多いんだけど。
そんな中で、「これ最悪」ってことがあって。要は、こういうゲームだから、スプラッタなんですよ。とんでもない道具で。俺が女王様に預けてる玉袋をちぎるかちぎらないかのところで、ピーンと張ってて、その真ん中のカミソリの刃を当てたまま、「切っちゃうよ、切っちゃうよ。切ったら、裏返しになっちゃうよ、アンタ!」っていう道具あんじゃん。みんな持ってるじゃん(笑)
みんなのAmazonのオススメにも出てくるでしょ?玉袋の端と端を押さえて、それを引っ張ってモモンガ、みたいにギリギリまで引っ張って、これ以上何かがあったら避けちゃうってなったところに、刃が当たってるヤツのデカイヤツみたいな。プロ仕様のヤツ(笑)
そんなのにかけられて、びっくりするくらいの殺され方をするってシーンが、全部、おそらくダメだって判断をされている。日本では、残酷シーン過ぎてダメだって判断をされているらしくって、それを隠そうっていう。
今までこういうシーンに対する規制って、結構、これまでされてきました。僕は、それ目当てにしてないから、それが全部オープンになるのが良いとは思ってないです。むしろ、スゲェ好きじゃなくて、「怖いなぁ、怖いな、怖いなぁ」な人だから。
だから、それを出せば良いって思ってるんじゃないけど。ジェイソンみたいなのが襲ってくるようなゲームで、最初のオプションの設定のところから、「血を緑にする」を選べるとか。この世のものじゃないようにする、とか。自己責任だけど、赤にしても遊べます、みたいなゲームがあって。これも、どうかは分からないよ。倫理のことだから。世の中で、倫理ほど難しいものはないから。
それで、色んな工夫をして見せないようにしたりもできるけど、このゲームは、突然真っ暗になるの。意味もなく。ただ単に、黒塗りにするっていう。ただ単に黒にするのとか。
性表現でも、オチンチンを描かないようにするために、オットセイにするとか、ナスにするとか。オットセイが、『やる気まんまん』、ナスが『魔物語 愛しのベティ』ね(笑)そういう風に工夫してきたにも関わらず、ただ単に黒の墨で塗るってことはないじゃん。そういうシーンを、全画面黒塗りにするってことじゃん。
最初、そのことを知らなかったから「え?」って思ったんだけど、そういう残虐シーンになったら、黒くなるわけ。内のPS4の接触が、変になっちゃってんのかな、みたいな。HDMIケーブルが、子鬼にかじられちゃってんのかなって。
規制でストーリー上に支障が出てしまう
後の方になったら、1分間くらい延々と全部真っ暗だったりする上に、意味が分からないのは、真っ暗な時に行われたことをキーにしたようなことを言われるわけ。「あの時、ああされてたから、こうなる」って言われても、「見てねぇよ、それ」って。
最初、俺の選択肢では見なかったってことが、雑にはみ出てんのかって思ったら、違うんだよね。前のヤツが襲われた時に、行われたシーンでやってることで、1つフラグが立ってるのを、「真っ暗にされちゃったから分かんねぇよ」って。
昔、「芸能人流出Hビデオ」ってあったじゃん。それが、近くのレンタルビデオ店で白いパッケージに手書きで実名で「○○の流出ビデオ」って、少しレンタル代も高くて。でも、背伸びして借りてみたら、顔面に思いっきりモザイクがかかってるわけ。もうダメじゃん(笑)顔面にモザイクかけた時点でダメじゃんか。もう意味がないじゃん。
このゲーム自体は、つまらなくはないんです。こんなことがあった上でも、ゲーム好きはやる価値はあると思う。初めてなんですよ。最後までやり終わった時に、フルオーダーではないまでも、セミオーダーの恐怖映画が終わりましたって感じだから。俺がやったヤツの、他のヤツが見てみたいわけ。
2プレイ目で、他の後輩芸人がやったら、「ああ、俺はあそこはああ選んだけど、こうするんだ」みたいな。割りと、ゲームにありがちな、色んなパターンを自分で選びなおして、全パターン見てみよう、みたいなのもモチベーションになってるんだけど、俺はそれは違うと思うんだ。
そうじゃなくて、色んな人がやって、「ああ、俺の性格だからこそ、ああいうことを呼び寄せちゃってるんだ」みたいなことがちょっと面白いんだよ。多分、俺、このゲームが野面で出てきたら、酸っぱい葡萄っていうか、そうはできなかったことも含めて、10点つけても良いと思うんだけど、その急に暗くなっちゃうシステムは、もうダメだろって。
ブラックアウトによる規制で「残念なゲーム」に
全部見せろとは言わないけど、やり方あるじゃん。もちろん、カネが掛かるのは分かるけど。今時、『インサイド・ヘッド』とか、3Dの映画のカネかかってるヤツは、日本向けに看板が日本語になってたりするじゃん。あそこまでやれとは言わないけど、怖いシーンだけ白黒にしたり、自己責任で見るか見ないかにするとかじゃないと。
現在、日本でもそんなに有名じゃないってこともあって、「採算とれないから、日本には持ち込みません」っていうのが正しいのかって言えば、俺は英語ができない分、出会えないわけだから。それは困ったもんだと思うけど、もったいないなぁって。スゲェもったいないよなぁって。まぁ変わったゲームの中で、結構、面白いゲームで、ホラーファンはスゲェそそられるゲームだと思うんですよ。
しかも、エンディングで、俺のやり方だとアイツはいつ死んだっていうのが、殉職シーン集みたいな感じで出るの。それも真っ黒だから(笑)『太陽にほえろ』で、松田優作が「なんじゃこりゃああ!」って言うたび、真っ暗だったらどう思う?(笑)もう、そこは血が映ってるからって理由で。もう…なんかね、スゲェ残念なゲーム。
【関連記事】
伊集院光、PS4/PS3ゲーム『Destiny』で弱くても勝ち進める方法を伝授
伊集院光、『マインクラフト』上に墓を建てる計画を語る「死んだ後にリスナーがちょっとずつ石積んでくれたら」
伊集院光「ゲームにおけるDLCややりこみ要素は不要」
同番組の過去記事
| トップページへ |