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爆笑問題・太田×寒梅賢「カーペンターズを語る」

2010.02.08 (Mon)
2010年02月06日放送の「爆笑問題の日曜サンデー」内で、レギュラーコーナー「27人の証言」で、カレン・カーペンターが特集されていた。太田は「カレンほど美しい歌声をもつ人はいない」と絶賛し、その想いの丈を語り続けた。

ゲストに元キングレコード社員である寒梅賢氏を招き、さらにそこから知られざるカーペンターズの実像について語られていた。寒梅氏は当時、キングレコードの洋楽の楽曲担当者だった。

寒梅氏はカーペンターズの曲の邦題をつけていた人物でもある。「『はるかなる影』とか、『青春の輝き』『愛のプレリュード』とかの邦題をつけたんですよ。一生懸命、歌詞の意味を考えて、日本人にぴったりあう曲名を考えました。辛かったけど、楽しみでもありましたね」と話していた。

カーペンターズの初来日

「(1970年の『第1回東京国際歌謡音楽祭』で)カーペンターズが初来日の時、羽田に迎えに行ったんです。当時、来たのがメンバー6人とマネージャー1人だけだったんです。羽田に出迎えたのが、プロモーターや私を含めて3人だった。記者もいないし、ファンも一人もいない。そんな中で来たんです」

「…演奏が終わった後、リチャードは涙目だった。前半の世界歌謡祭(第1回東京国際歌謡音楽祭)で、カーペンターズの出番が一時間半くらい遅れた。それで、武道館の超満員のお客さんたちが帰りだしてしまった。終電に乗り遅れてしまうということでね」

「私たちでステージ上にドラムセットやなんかを運んで、セッティングした。それで、ドラムの音が出た瞬間、7~8千人くらい帰ってたんじゃないでしょうか。だから、カーペンターズは、お客さんが帰る後ろ姿を見ながら演奏することになった」

「カーペンターズの音楽の善し悪しに関わらず、単に終電の時間の問題があったから帰ったんですけどね。アメリカのコンサートは、みんな車で来るし、12時くらい廻るのなんか全然問題ないんですけどね。だから、あんな(屈辱的な)コンサートは、最初で最後だったんじゃないでしょうか」

「リチャードは、『もう二度と来ない』と思ったか、『いつか仕返ししてやるぞ』と思ったのか、どちらか分かりませんでしたが、すごいショックだったんでしょうね」

さらに、以下のようなエピソードを語っていた。

カーペンターズの日本でのブレイク

「二回目に来日したときは、売れてましたよ。でも、最初はアメリカでヒットしていたけど、日本では全然売れてなかった。というのも、渋くて全然売れなかったの。大変苦労して、何とかしたいということでリチャードに『日本独自のシングル盤を売ろう』ってことになった」

「それで、日本だけのシングル第一弾が『スーパースター』だった。あとでアメリカで売ることになったんだけどね。次にシングルで出したのが『トップ オブ ザ ワールド』だった。その次に、『ジャンバラヤ』を売ったんです。次が、決定打となった『イエスタデー ワンス モア』だった」

「『イエスタデー ワンス モア』は、LPの『オールディーズ』のオープニングとエンディングに使われている曲なんです。だから、シングル盤としての長さが足らなかった。それをリチャードに頼んで、『絶対に世界的に売れるから』って言って、作ってもらったんです」

「当時はね、『Led Zeppelin格好良いね』『Pink Floyd良いね』とかって言うロック全盛期だったんです。だから、洋楽担当として『カーペンターズが良いですよ』とは、なかなか言いづらいじゃないですか。でも、曲のすばらしさがあって、『絶対に売ってやろう』っていう気持ちはありましたよね」

カレン・カーペンターの素顔

「カレンは、非常に地味な子でしたね。リチャードを前面に出して、自分では何も話さないような子だった。拒食症の話もありましたが、私が思うのは…カレンは、元々ドラムをやってたんです。ドラムを叩きながら、歌を唄っていた」

「それが、カレンにとって一番嬉しかったんじゃないでしょうか。女性ドラマーとして、やっていくのがね。でも、それがカレンをセンターマイクで綺麗なドレスを着させて歌わせるという状況に変わった。その時、自分のスタイルとかが気になり出した」

「ドラムで隠れていたカレンが、表に出されてしまった。それが、カレン自身の命を削ってしまったように思うんです」

「…カレンはね、自分の歌がどれほどのものなのか、知らなかった。自分が天才だと、気づいていなかったんじゃないかな。それほど上手いと思ってなかったんじゃないかな」と寒梅氏は話していた。

これを受けて太田は「カレンは、頑張って歌っているっていう感じじゃないかもしれない。でも、それができるということが"本物"だと思うんだ。…カーペンターズは、ジャンルを超えていると思う。カレンの歌声を越えるものは、無いように思うんだ」

「みんなを包み込むような、そんな優しさをもっているように思う。まるで、マリア様が歌っているようなね。そういう神がかり的な点があったように思う」と話していた。

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