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久保ミツロウ、新垣隆の著書『音楽という』を読んで佐村河内守へ改めて抱く印象は「やっぱり、クズですよ」
2015.06.13 (Sat)
2015年6月11日放送のニッポン放送系のラジオ番組『久保ミツロウ・能町みね子のオールナイトニッポンGOLD』(毎週木 22:00-23:50)にて、音楽家・新垣隆が出演し、新垣がゴーストライターを行っていたことで知られる佐村河内守についても記述されている著書『音楽という<真実>』について触れられていた。
音楽という<真実>

久保ミツロウ:『音楽という<真実>』読みまして、めっちゃくちゃ面白かったんですけど。
能町みね子:面白かったです。本をパッと見られた方は、真面目な本だと思うんですけどね。真面目な本ではあるんですけど、でも、結構、爆笑どころありますよね?
久保ミツロウ:私は、色々、グッときたんですよ。まず最初、新垣さんはこの本、非常に情報量が多くて。新垣さんがいかに音楽が大好きで、楽譜の譜面が好きだ、というところから、色んな素晴らしい音楽家と関わりあいながら、自分も音楽と携わっていきたいって部分が、尋常じゃない情報量で書かれてるんですよ。
能町みね子:ああ、はい。
久保ミツロウ:初めて、オーケストラの曲を半年くらいかけて作ったという。これが高校生の頃ですね。
新垣隆:はい。
久保ミツロウ:この時の初めての曲のタイトルが凄い素敵だったんですよ。これが、「僕は、僕という枠の中を歩き回っている」っていうタイトルなんですよ。格好良い!これ使いたいわ。これで本を書きたいもん。
能町みね子:これは、再演はないんですか?
新垣隆:はい、これはそうですね。ちょっと心の押し花(能町みね子、神楽坂にあった甘味処「花」の閉店のお知らせに感動「氷年のお愛顧を…」)に(笑)
能町みね子:自分の中で、心の押し花に(笑)
久保ミツロウ:1章、2章と、子供の頃から、大学生にかけての話で。リア充高校から持ち上がって大学に来た人の、チャラい上に才能もあってアイツらズルイってところで、2年間心を閉ざしてたっていうところがあって(笑)ここから、第3章。「もう一人のベートーヴェン」ってところから。
能町みね子:また、そこから凄いんですよね。
久保ミツロウ:ここから、例の彼(佐村河内守)が出てくるんですけど。
能町みね子:もう1人のベートーヴェンとは、ちなみに何ていう方でしょうか?(笑)
新垣隆:ええっと…(笑)
能町みね子:言いづらいもんですか?
新垣隆:そうですね。とりあえず、私が元ゴーストライターってことで、ちょっとご了承いただければと思いますね。
能町みね子:そうですね(笑)
久保ミツロウ:この問題に関しては、この本にも書かれてる通り、傷ついて裏切られた、迷惑をかけられたと思ってる人もたくさんいらっしゃるので、茶化すことはできないんですけど、ただ、この本を読む限り、やっと素直に新垣さんの言葉で、彼に対してどう思ってたのかっていうのが、非常に良く出てて。
新垣隆:ええ。
久保ミツロウ:ファーストインプレッションで、こんなに短い文章で、「この人、胡散臭い」っていうのが、ビンビンに(笑)
能町みね子:そうですね(笑)
久保ミツロウ:「ビジュアル系のような格好で現れた」っていうのはいいんですけど。初めて、Sさんとお会いしたところで。
能町みね子:はい。
久保ミツロウ:「喫茶店で会って、これからオーケストラの曲を作るのを手伝ってもらいたい」という話で、新垣さんがお会いした時に、「ただちょっとこれは…と思ったのは、自分のことを『ユニークな人間』だと言うんですね。どれくらいユニークかって言うと、『物を食べない』とか、それを業界で凄いユニークだと言われてるというんですよ。『チベットで修行してきた』とも言いました」って(笑)
能町みね子:うん(笑)
久保ミツロウ:「『将来、自分がメジャーになったら、孤児院を作りたい』とも言っていました。孤児院を作る。それを聞いた私の脳裏には、巨大な虎の像から飛び降りる、屈強な仮面レスラーの姿が浮かんでいました」って(笑)もう、大概、新垣さんの中で、かなりガッチリとした何かイメージが出来てますよね(笑)
新垣隆:できちゃってましたね(笑)
久保ミツロウ:当時、新垣さんは何歳くらいでした?
新垣隆:25でした。
能町みね子:若いですよね。
久保ミツロウ:1章、2章で、色んな方と関わって、音楽と向き合ってたっていうのがあるんで、なんか、新垣さんは基本的に、音楽のことに関して、人の事に関して、凄く俯瞰で色々と物を見れる修行は、大分、子供の頃からできてたのかなって、本を読んでて感じたんですね。
新垣隆:うん。
久保ミツロウ:その段階からこんな人(佐村河内守)に会ったら、胡散臭さをビンビンに感じ過ぎちゃって(笑)
能町みね子:そうですね。
久保ミツロウ:「おやおや…」って思いつつも、新垣さんはやっぱり品が良いのか、誰かをバカにするってことができない方なのかなって思うんですよ。それで、彼(佐村河内守)に対することを…大分、言葉を選んでらっしゃいますけど、やっぱり、クズですよ、このオジさん(笑)
能町みね子:はっはっはっ(笑)
新垣隆:まあ、そうですかねぇ(笑)
能町みね子:そこはまあまあ、言いづらいでしょうけども。
久保ミツロウ:言いづらいですけど、無邪気にこのSさんが「作曲、手伝ってよ」って感じで、無茶な仕事をとってきては、新垣さんに振るっていうのが書いてあるんですよ、本(音楽という<真実>
)の中に。
新垣隆:はい。
久保ミツロウ:ゲームの音楽の仕事をした後で、1年くらい経って、もう次は引き受けたくないなって思ってる中で、また犬が尻尾振ってるように電話をかけてくるわけですよ。それが、「凄いデカイ仕事がきた!今度は凄いよ、新垣さん!」ってセリフとともに書いてあって(笑)もう、「凄いよ、新垣さん」って、この本のタイトルは「凄いよ、新垣さん」が良いんじゃないかなって(笑)
能町みね子:もう、それはマンガでしょ(笑)
新垣隆:ありがとうございます(笑)
久保ミツロウ:「ニコニコと全く何も考えずやってるんだな、コイツ」っていうのと、「とりあえずデカイ仕事なら良い」っていうスケール感のバカさ加減とが、よく文章に表れてるなって。第3章、かなり傑作ですんで。
能町みね子:凄いですよね。
久保ミツロウ:良い筆致で。
能町みね子:楽しいんですよね。読んでて。申し訳ないですけど。
新垣隆:そうですか。
能町みね子:ドキュメンタリーとして、面白いんですよ。面白いって言ったら失礼なんですけど。だから、読んでもらいたいんですね。私も、アレが初めて事件としてワイドショーとかで持ち上がった時に、ぶっちゃけ、私としては、何の迷惑もかかってないですよ。あのCDを、感動して買ったわけでもないですよ。知らなかったですし。
新垣隆:はい。
能町みね子:そういう目で見ると、凄いドラマだなって思っちゃったんですよ。
新垣隆:ええ。
能町みね子:だから、本当に迷惑だって思って叩いた人もいるかもしれないけど、みんなはあそこに、ドラマを見ちゃったから、あんなに盛り上がったんですよ。
久保ミツロウ:うん。
能町みね子:見るからに詐欺師っぽい見た目も…怪しい彼と、本当に真面目そうな、ちゃんと作曲のできそうな新垣さんの対比が、もう映画として成り立ってるような完成度で。なんて凄いドラマだって思っちゃったんですよね。まあ、それも新垣さんが巻き込まれてしまったことですけどね。
新垣隆:でも、そう捉えていただいてありがたいというか、救われますね。
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音楽という<真実>

久保ミツロウ:『音楽という<真実>』読みまして、めっちゃくちゃ面白かったんですけど。
能町みね子:面白かったです。本をパッと見られた方は、真面目な本だと思うんですけどね。真面目な本ではあるんですけど、でも、結構、爆笑どころありますよね?
久保ミツロウ:私は、色々、グッときたんですよ。まず最初、新垣さんはこの本、非常に情報量が多くて。新垣さんがいかに音楽が大好きで、楽譜の譜面が好きだ、というところから、色んな素晴らしい音楽家と関わりあいながら、自分も音楽と携わっていきたいって部分が、尋常じゃない情報量で書かれてるんですよ。
能町みね子:ああ、はい。
久保ミツロウ:初めて、オーケストラの曲を半年くらいかけて作ったという。これが高校生の頃ですね。
新垣隆:はい。
久保ミツロウ:この時の初めての曲のタイトルが凄い素敵だったんですよ。これが、「僕は、僕という枠の中を歩き回っている」っていうタイトルなんですよ。格好良い!これ使いたいわ。これで本を書きたいもん。
能町みね子:これは、再演はないんですか?
新垣隆:はい、これはそうですね。ちょっと心の押し花(能町みね子、神楽坂にあった甘味処「花」の閉店のお知らせに感動「氷年のお愛顧を…」)に(笑)
能町みね子:自分の中で、心の押し花に(笑)
久保ミツロウ:1章、2章と、子供の頃から、大学生にかけての話で。リア充高校から持ち上がって大学に来た人の、チャラい上に才能もあってアイツらズルイってところで、2年間心を閉ざしてたっていうところがあって(笑)ここから、第3章。「もう一人のベートーヴェン」ってところから。
能町みね子:また、そこから凄いんですよね。
久保ミツロウ:ここから、例の彼(佐村河内守)が出てくるんですけど。
能町みね子:もう1人のベートーヴェンとは、ちなみに何ていう方でしょうか?(笑)
新垣隆:ええっと…(笑)
能町みね子:言いづらいもんですか?
新垣隆:そうですね。とりあえず、私が元ゴーストライターってことで、ちょっとご了承いただければと思いますね。
能町みね子:そうですね(笑)
久保ミツロウ:この問題に関しては、この本にも書かれてる通り、傷ついて裏切られた、迷惑をかけられたと思ってる人もたくさんいらっしゃるので、茶化すことはできないんですけど、ただ、この本を読む限り、やっと素直に新垣さんの言葉で、彼に対してどう思ってたのかっていうのが、非常に良く出てて。
新垣隆:ええ。
久保ミツロウ:ファーストインプレッションで、こんなに短い文章で、「この人、胡散臭い」っていうのが、ビンビンに(笑)
能町みね子:そうですね(笑)
久保ミツロウ:「ビジュアル系のような格好で現れた」っていうのはいいんですけど。初めて、Sさんとお会いしたところで。
能町みね子:はい。
久保ミツロウ:「喫茶店で会って、これからオーケストラの曲を作るのを手伝ってもらいたい」という話で、新垣さんがお会いした時に、「ただちょっとこれは…と思ったのは、自分のことを『ユニークな人間』だと言うんですね。どれくらいユニークかって言うと、『物を食べない』とか、それを業界で凄いユニークだと言われてるというんですよ。『チベットで修行してきた』とも言いました」って(笑)
能町みね子:うん(笑)
久保ミツロウ:「『将来、自分がメジャーになったら、孤児院を作りたい』とも言っていました。孤児院を作る。それを聞いた私の脳裏には、巨大な虎の像から飛び降りる、屈強な仮面レスラーの姿が浮かんでいました」って(笑)もう、大概、新垣さんの中で、かなりガッチリとした何かイメージが出来てますよね(笑)
新垣隆:できちゃってましたね(笑)
久保ミツロウ:当時、新垣さんは何歳くらいでした?
新垣隆:25でした。
能町みね子:若いですよね。
久保ミツロウ:1章、2章で、色んな方と関わって、音楽と向き合ってたっていうのがあるんで、なんか、新垣さんは基本的に、音楽のことに関して、人の事に関して、凄く俯瞰で色々と物を見れる修行は、大分、子供の頃からできてたのかなって、本を読んでて感じたんですね。
新垣隆:うん。
久保ミツロウ:その段階からこんな人(佐村河内守)に会ったら、胡散臭さをビンビンに感じ過ぎちゃって(笑)
能町みね子:そうですね。
久保ミツロウ:「おやおや…」って思いつつも、新垣さんはやっぱり品が良いのか、誰かをバカにするってことができない方なのかなって思うんですよ。それで、彼(佐村河内守)に対することを…大分、言葉を選んでらっしゃいますけど、やっぱり、クズですよ、このオジさん(笑)
能町みね子:はっはっはっ(笑)
新垣隆:まあ、そうですかねぇ(笑)
能町みね子:そこはまあまあ、言いづらいでしょうけども。
久保ミツロウ:言いづらいですけど、無邪気にこのSさんが「作曲、手伝ってよ」って感じで、無茶な仕事をとってきては、新垣さんに振るっていうのが書いてあるんですよ、本(音楽という<真実>
新垣隆:はい。
久保ミツロウ:ゲームの音楽の仕事をした後で、1年くらい経って、もう次は引き受けたくないなって思ってる中で、また犬が尻尾振ってるように電話をかけてくるわけですよ。それが、「凄いデカイ仕事がきた!今度は凄いよ、新垣さん!」ってセリフとともに書いてあって(笑)もう、「凄いよ、新垣さん」って、この本のタイトルは「凄いよ、新垣さん」が良いんじゃないかなって(笑)
能町みね子:もう、それはマンガでしょ(笑)
新垣隆:ありがとうございます(笑)
久保ミツロウ:「ニコニコと全く何も考えずやってるんだな、コイツ」っていうのと、「とりあえずデカイ仕事なら良い」っていうスケール感のバカさ加減とが、よく文章に表れてるなって。第3章、かなり傑作ですんで。
能町みね子:凄いですよね。
久保ミツロウ:良い筆致で。
能町みね子:楽しいんですよね。読んでて。申し訳ないですけど。
新垣隆:そうですか。
能町みね子:ドキュメンタリーとして、面白いんですよ。面白いって言ったら失礼なんですけど。だから、読んでもらいたいんですね。私も、アレが初めて事件としてワイドショーとかで持ち上がった時に、ぶっちゃけ、私としては、何の迷惑もかかってないですよ。あのCDを、感動して買ったわけでもないですよ。知らなかったですし。
新垣隆:はい。
能町みね子:そういう目で見ると、凄いドラマだなって思っちゃったんですよ。
新垣隆:ええ。
能町みね子:だから、本当に迷惑だって思って叩いた人もいるかもしれないけど、みんなはあそこに、ドラマを見ちゃったから、あんなに盛り上がったんですよ。
久保ミツロウ:うん。
能町みね子:見るからに詐欺師っぽい見た目も…怪しい彼と、本当に真面目そうな、ちゃんと作曲のできそうな新垣さんの対比が、もう映画として成り立ってるような完成度で。なんて凄いドラマだって思っちゃったんですよね。まあ、それも新垣さんが巻き込まれてしまったことですけどね。
新垣隆:でも、そう捉えていただいてありがたいというか、救われますね。
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