爆笑問題・太田「芸人が小説を書ける理由」
2009.09.18 (Fri)

「近未来の話なんだけどね、各都道府県に『トリガー』と呼ばれる人々が配置される。その人たちは拳銃の携帯が許可されていて、自由に撃って良いっていう法律が出来るんだ。それで、『トリガー』たちは公共のルールに違反するような、道徳的に悖(もと)っている人たちを撃ったりする。電車の中で騒いでいるような奴らをね」
「それで、各都道府県ごとのストーリーがオムニバス形式で書かれているんだけど、見事だね。…芸人って言うのは何なんだろうね。板倉に訊いたら、読書家でもないし、文章を書いたこともない。でも、書き方がプロ。そもそも、設定が面白い。その上で、善悪とは何か、っていうテーマがきちんと書かれている」
「国家が保証している正義なんだけど、『トリガー』の中には権力に溺れる奴もいる。その一方で、善悪というものを考えて、なかなか撃てずに逡巡する奴もいる。その先には、武力で平和が実現できるのかっていうテーマに繋がる」
「その描き方が、片側だけじゃないんだよ。本当に深い描き方をしている。それが凄いんだ。最近のハードボイルドの中で、普通の小説家と遜色ない。むしろ、かなり面白い部類に入るんじゃないだろうか」と語っていた。
さらに、芸人が小説を書ける理由について以下のように語られていた。
「もしかしたらね、芸人は文学をやるような連中が集まって来ているのかもしれない。お笑いをやっていて、コントをやっているような連中は、あらゆる方向から考えるクセがついているのかもね」
「それに、我々はオチをつける必要があるでしょ。布石を打って、オチに向かっていく。そういう意味で、小説を書くことと似ているのかもしれない。そういう点が、小説の面白さに繋がると思う。だから、グングン引き込んでいく」
また、田中は「文章で格好つけようという気がないのも良いよね。だから、読みやすいんだ」と話していた。
さらに、太田は最近『エスケープ! 』を上梓した渡部建についても語っていた。
「アンジャッシュの渡部の小説も、良くできているんだ。でも、アンジャッシュをよく知っている人からしたら、『またか、すれ違い』って思うかもしれない。でもね、長編小説だから。『長~い、コント』ってこと。しかも、それを男と女でやっているんだ。アンジャッシュは男同士のコンビだから、そういうことはできないじゃない。それを、小説でやっているんだ」
「すごく良く書けている。楽しい小説に仕上がっている」と、渡部の小説に関しても褒めていた。
ちなみに、『トリガー』については、「売り上げについて訊いたら、あんまり売れてないみたいなんだよ。でもね、あれは読んだ方が良い。以前、劇団ひとりの『陰日向に咲く』を紹介したときも、担当者がこの放送を訊いて、重刷を決めたらしい。だから、板倉の本も売れればいいと思って。板倉には、宣伝するって約束したし」と売り上げについて語っていた。
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