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爆笑問題と鴨下信一が語る「今のドラマがダメになった理由」
2009.08.24 (Mon)
2009年08月23日放送の「爆笑問題の日曜サンデー」にて、『岸辺のアルバム』や『ふぞろいの林檎たち』といった人気ドラマの演出家である鴨下信一を招いて、現在のドラマについて語られていた。そこでは、演出家ならではの「今のドラマがダメになった理由」について、いくつかの要因に分けて語られていた。
リスナーからの「国内ドラマは嘘くさい。ドラマの内容ではなく、誰が出ているか、といったことばかりが宣伝されている」といった指摘のメールが送られていた。
このことに対して、鴨下信一は「嘘くさくはないけれど、(今のドラマは)面白くないよね。海外のドラマの方が、面白く作る。圧倒的に面白く作るね。面白くないネタでも、面白く作る。ドラマはね、そんなに面白いネタなんて、無いんですよ。それをいかに面白く作るか、というのが重要なんであってね。それには、腕がいるんです」
この意見に対し、太田は「時間と金が、国内ではあまり無いのでは?」と指摘すると、「時間と金はね、あったほうがいいんですよ。でもね、あまり関係ない。無くてもそんなには関係ない。今のドラマはね、努力が足りない。全体の努力が足りない。外国のドラマは、金もなくて、制約も多くて。でも、面白く作ろうという気だけはある。韓流ドラマや昔の香港系のドラマとか、すごく面白い。そんなに面白いネタとか無いけど、面白く作るよね」
「それに、もう一つダメな点というのは、真面目なドラマを、面白く作れない。観ていると、つまらなく作ってしまっている。僕も『あの戦争は何だったのか 日米開戦と東条英機』とか作っているけど、こんなドラマ、どんな風にして面白くしようかと、腐心した。そういう努力が、今のドラマには足らない」と鴨下信一は語っていた。
さらに、現場の雰囲気に関しても「トップダウンで、檄を飛ばしてもなかなか変わらない。昔からそういうところがある。一方で、香港の映画撮影所とかに行ったことあるけど、そこではみんな休んでても、監督は休んでいない。ダイハードとかを観て、ストップウォッチとかでシーンのカット割りの時間とかを計っている。そういう地道な努力をしていた」
太田が「役者のスケジュールがタイトで、十分な時間がとれない。そうした点も、ドラマがチープになる原因では?」と訊いていた。この点に関して、鴨下は「役者の時間は、あまり関係ないのよ。海外の役者だって、あまり時間をとってないよ。それに、国内の俳優は、オーバーに言うんだよね。『死ぬほど稽古した。そうしなければダメ』とかって。でもね、そんなことない」
「だいたいね、海外でも40日くらいしか拘束しない。その点は同じ。でもね、ちゃんと『面白くしよう』って気概があった。国内の昔のドラマには、そういう気概があったんだよね。演出家も上手かったんだ」
ここからは、演出家ならではの話を以下のように語っていた。
太田が「最近、倉本聰さんや山田太一さんがドラマの脚本を書いていた(風のガーデンとありふれた奇跡)。それを観ていかがでしたか?」と質問していた。
これに対して、鴨下は「面白いと思った。やっぱり年寄りは上手いんだよね。でもね、演出家が上手く裁量していたかっていうと、してなかったね。特に、山田太一さんの方。ああいう風に撮ったら、太一さんは面白くないんだよ」と語っていた。
「撮り方の問題ですか?脚本の問題では?」と太田が問うと、鴨下は「脚本もあるけれど、撮り方もある。太一さんは、あんな風にドカって真ん中から撮ったら面白くない。それに、役者の使い方や動かし方が上手くないんだな」と、現在の演出家の技量について語っていた。
太田が上記の山田太一ドラマ『ありふれた奇跡』に関連して、「仲間由紀恵の演技がダメだったのも要因ではないか」と指摘していた。
これに関して、鴨下は「彼女のせいではないよね。僕は、役者のせいには一度もしたことがない。僕が手がけたドラマでは、ほとんどみんな新人なんだよ。ふぞろいの林檎たちとかだって。有名な人はほとんどいなかった。石原真理子だって、上手くはなかったよね。中井くん(中井貴一)だって、時任くん(時任三郎)だって、映画を一本撮るか撮らないかって感じだった」と話していた。役者の力を引き出す演出家、その技量が現在のドラマでは不足しているのではないか、と反論していた。
太田が「山田太一さんは、最近ドラマをみてもふぞろいの林檎たちの頃から、全く変わっていなかった。脚本家って、やっぱり変わらないものなのか」と話していた。そこから、太田が「向田邦子は別格である」話していた。
このことを受けて、鴨下は「向田さんが偉いなって思ったのは、ちゃんと『笑い』を入れようとしていたことだ。大それたことをやろうということではないけれど、その中でちゃんと笑いをいれようとしていた」と話していた。
一方で、「一時期ね、向田さんが文学の香りをテレビドラマに持ち込もうとしていたこともあった(ドラマ『幸福』など)けど、それには『これはダメだよ。意地悪すぎる(難解すぎる、といった意味か)。小説家が意地悪でも良いけど、少なくともテレビドラマの脚本家が意地悪ではダメなんだよ』と言った。そういう風に、演出家と脚本家が平気で物を言える時代だったんだよね。今、若い作家は脚本家に自己主張できないし、若い人たちは自己主張しない」と語っていた。
リスナーから「話題先行のキャスティング、コミック原作などのオリジナリティのない脚本。そうしたドラマが多すぎる」といったメールが送られていた。これに関して、鴨下は「確かに、そうなんだよね。でもね、一番今のドラマに欠けているのは、『笑い』なんだよね。今のドラマに、『笑い』ってあります?」と話していた。
「昔のドラマは、シリアスなドラマでも笑いの要素はあった。結局は泣かせるんだけどね。そうなると、ドラマの中に、笑いあり、涙ありといった感じの要素が盛り込まれていて、ドラマは、それ以外を観なくても良いような娯楽だった」
「向田邦子さんは、新しいニュースとかはしっかりと取り入れていた。そうなると、笑いあり、涙あり、最近のニュースもドラマで得られていた。ドラマ一本観るだけで、多くの要素が得られた」
太田が「最近のドラマは、あまりにも女性向けのものが多すぎる。そうなると俺らは観れない」と指摘していた。この意見に対し、鴨下は「たしかに、ターゲットが狭すぎる。その中で、『笑い』は比較的広い世代をカバーできる」と話していた。
さらに田中は「最近、コミカルなドラマっていうのがある。ベタなコミカルな芝居も、女優さんがやると面白くない。一番笑えない。それならばシリアスなドラマの方が良い」と話していた。
リスナーからのメールで、「最近のドラマは、リアリティがない。老婆役の女優もシワ無しメイク。重病人もこぎれいにしている。役者のイメージを大事にするなら、ドラマの仕事を受けるな」といった意見が寄せられていた。
これに対し、鴨下は「僕はリアリティってよく分からないんだよね。僕は時代劇を演出することが多いんだけど、時代考証を受けたことがない。自分で研究する。というのもね、時代考証を受けると、窮屈なことがあるんですよ」
「たとえば、元禄時代でお茶を飲むシーンがあって、そのために山本山にアドバイスをもらいにいったことがある。そうなると、4種類くらいの飲み方があって、それのどらかはわからない、と言われてしまった。それで困った、ってことになったんだけど、クレジットに名前が出る以上、滅多なことはできませんからね。それ以来、時代考証は受けていない。自分で調べている」と語っていた。
「リアリティっていうけどね、そうしたものを演出したかったら、徹底的に自分で調べなければならない」と話していた。安易に取材協力を求めるといったことでは、リアリティは生まれない、といったことが語られていた。
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海外ドラマとの違い
リスナーからの「国内ドラマは嘘くさい。ドラマの内容ではなく、誰が出ているか、といったことばかりが宣伝されている」といった指摘のメールが送られていた。
このことに対して、鴨下信一は「嘘くさくはないけれど、(今のドラマは)面白くないよね。海外のドラマの方が、面白く作る。圧倒的に面白く作るね。面白くないネタでも、面白く作る。ドラマはね、そんなに面白いネタなんて、無いんですよ。それをいかに面白く作るか、というのが重要なんであってね。それには、腕がいるんです」
この意見に対し、太田は「時間と金が、国内ではあまり無いのでは?」と指摘すると、「時間と金はね、あったほうがいいんですよ。でもね、あまり関係ない。無くてもそんなには関係ない。今のドラマはね、努力が足りない。全体の努力が足りない。外国のドラマは、金もなくて、制約も多くて。でも、面白く作ろうという気だけはある。韓流ドラマや昔の香港系のドラマとか、すごく面白い。そんなに面白いネタとか無いけど、面白く作るよね」
「それに、もう一つダメな点というのは、真面目なドラマを、面白く作れない。観ていると、つまらなく作ってしまっている。僕も『あの戦争は何だったのか 日米開戦と東条英機』とか作っているけど、こんなドラマ、どんな風にして面白くしようかと、腐心した。そういう努力が、今のドラマには足らない」と鴨下信一は語っていた。
さらに、現場の雰囲気に関しても「トップダウンで、檄を飛ばしてもなかなか変わらない。昔からそういうところがある。一方で、香港の映画撮影所とかに行ったことあるけど、そこではみんな休んでても、監督は休んでいない。ダイハードとかを観て、ストップウォッチとかでシーンのカット割りの時間とかを計っている。そういう地道な努力をしていた」
役者のスケジュールについて
太田が「役者のスケジュールがタイトで、十分な時間がとれない。そうした点も、ドラマがチープになる原因では?」と訊いていた。この点に関して、鴨下は「役者の時間は、あまり関係ないのよ。海外の役者だって、あまり時間をとってないよ。それに、国内の俳優は、オーバーに言うんだよね。『死ぬほど稽古した。そうしなければダメ』とかって。でもね、そんなことない」
「だいたいね、海外でも40日くらいしか拘束しない。その点は同じ。でもね、ちゃんと『面白くしよう』って気概があった。国内の昔のドラマには、そういう気概があったんだよね。演出家も上手かったんだ」
ここからは、演出家ならではの話を以下のように語っていた。
ダメになった今のドラマ演出家
太田が「最近、倉本聰さんや山田太一さんがドラマの脚本を書いていた(風のガーデンとありふれた奇跡)。それを観ていかがでしたか?」と質問していた。
これに対して、鴨下は「面白いと思った。やっぱり年寄りは上手いんだよね。でもね、演出家が上手く裁量していたかっていうと、してなかったね。特に、山田太一さんの方。ああいう風に撮ったら、太一さんは面白くないんだよ」と語っていた。
「撮り方の問題ですか?脚本の問題では?」と太田が問うと、鴨下は「脚本もあるけれど、撮り方もある。太一さんは、あんな風にドカって真ん中から撮ったら面白くない。それに、役者の使い方や動かし方が上手くないんだな」と、現在の演出家の技量について語っていた。
今のドラマは、役者がダメなのか
太田が上記の山田太一ドラマ『ありふれた奇跡』に関連して、「仲間由紀恵の演技がダメだったのも要因ではないか」と指摘していた。
これに関して、鴨下は「彼女のせいではないよね。僕は、役者のせいには一度もしたことがない。僕が手がけたドラマでは、ほとんどみんな新人なんだよ。ふぞろいの林檎たちとかだって。有名な人はほとんどいなかった。石原真理子だって、上手くはなかったよね。中井くん(中井貴一)だって、時任くん(時任三郎)だって、映画を一本撮るか撮らないかって感じだった」と話していた。役者の力を引き出す演出家、その技量が現在のドラマでは不足しているのではないか、と反論していた。
脚本家はダメになったのか
太田が「山田太一さんは、最近ドラマをみてもふぞろいの林檎たちの頃から、全く変わっていなかった。脚本家って、やっぱり変わらないものなのか」と話していた。そこから、太田が「向田邦子は別格である」話していた。
このことを受けて、鴨下は「向田さんが偉いなって思ったのは、ちゃんと『笑い』を入れようとしていたことだ。大それたことをやろうということではないけれど、その中でちゃんと笑いをいれようとしていた」と話していた。
一方で、「一時期ね、向田さんが文学の香りをテレビドラマに持ち込もうとしていたこともあった(ドラマ『幸福』など)けど、それには『これはダメだよ。意地悪すぎる(難解すぎる、といった意味か)。小説家が意地悪でも良いけど、少なくともテレビドラマの脚本家が意地悪ではダメなんだよ』と言った。そういう風に、演出家と脚本家が平気で物を言える時代だったんだよね。今、若い作家は脚本家に自己主張できないし、若い人たちは自己主張しない」と語っていた。
脚本のオリジナリティの喪失
リスナーから「話題先行のキャスティング、コミック原作などのオリジナリティのない脚本。そうしたドラマが多すぎる」といったメールが送られていた。これに関して、鴨下は「確かに、そうなんだよね。でもね、一番今のドラマに欠けているのは、『笑い』なんだよね。今のドラマに、『笑い』ってあります?」と話していた。
「昔のドラマは、シリアスなドラマでも笑いの要素はあった。結局は泣かせるんだけどね。そうなると、ドラマの中に、笑いあり、涙ありといった感じの要素が盛り込まれていて、ドラマは、それ以外を観なくても良いような娯楽だった」
「向田邦子さんは、新しいニュースとかはしっかりと取り入れていた。そうなると、笑いあり、涙あり、最近のニュースもドラマで得られていた。ドラマ一本観るだけで、多くの要素が得られた」
視聴者のターゲットの狭さ
太田が「最近のドラマは、あまりにも女性向けのものが多すぎる。そうなると俺らは観れない」と指摘していた。この意見に対し、鴨下は「たしかに、ターゲットが狭すぎる。その中で、『笑い』は比較的広い世代をカバーできる」と話していた。
さらに田中は「最近、コミカルなドラマっていうのがある。ベタなコミカルな芝居も、女優さんがやると面白くない。一番笑えない。それならばシリアスなドラマの方が良い」と話していた。
現代ドラマのリアリティの喪失
リスナーからのメールで、「最近のドラマは、リアリティがない。老婆役の女優もシワ無しメイク。重病人もこぎれいにしている。役者のイメージを大事にするなら、ドラマの仕事を受けるな」といった意見が寄せられていた。
これに対し、鴨下は「僕はリアリティってよく分からないんだよね。僕は時代劇を演出することが多いんだけど、時代考証を受けたことがない。自分で研究する。というのもね、時代考証を受けると、窮屈なことがあるんですよ」
「たとえば、元禄時代でお茶を飲むシーンがあって、そのために山本山にアドバイスをもらいにいったことがある。そうなると、4種類くらいの飲み方があって、それのどらかはわからない、と言われてしまった。それで困った、ってことになったんだけど、クレジットに名前が出る以上、滅多なことはできませんからね。それ以来、時代考証は受けていない。自分で調べている」と語っていた。
「リアリティっていうけどね、そうしたものを演出したかったら、徹底的に自分で調べなければならない」と話していた。安易に取材協力を求めるといったことでは、リアリティは生まれない、といったことが語られていた。
【関連記事】
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爆笑問題・田中 MR.BRAINの打ち上げに緊張する
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