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池上彰、『壁ドン』を分かりやすく解説「男性が極めて積極的に女性を追い詰める…」

2014.12.04 (Thu)
2014年12月3日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『荻上チキ・Session-22』(毎週月 - 木 22:00 - 24:55)にて、ジャーナリストの池上彰が出演し、『壁ドン』という言葉について分かりやすく説明していた。

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南部広美:解説していただく言葉は、「イスラム国とは何か?」というテーマで。

荻上チキ:アウェイ感ハンパないですね(笑)

南部広美:1分間です。ではどうぞ!

荻上チキ:イスラム国というのは、反西洋やジハードを掲げている、イスラム系の過激派の組織です。この組織は、2011年頃からシリア内戦に参加して、勢力を徐々に拡大していきました。

周辺国から流れてきた、スンニ派の武装グループをどんどん吸収していって、この頃から、イスラム国というのは、大きく成長していくわけです。その後、このグループはシリアだけでなく、イラク北部にも侵攻していき、イラク北部の情勢が不安定になったことで、日本を含め、各地で非常に大きなニュースとなりました。

オバマ大統領や、国際社会も「これは大問題」ということで、そうしたところへどの程度介入したら良いのかということで、議論になりました。2014年に入ると、イラク北部を侵攻、そしてイラク情勢を大きく左右するような組織になっています。

この組織自体も問題ですが、この組織に西洋諸国から若者などが参加していく。ホームグロウン・テロリズムと言って、各国から不満を持った人たちが参加することも含めて、問題となっている注目の組織です。

池上彰:おお、ピッタリ1分間で入りましたね。

荻上チキ:ダメダメ感ハンパなかったですね(笑)

南部広美:では、池上さんに1分間で、ということで。お願いします。

池上彰:イスラム国…イスラム原理主義過激派の組織のことですが、これまでイスラム原理主義過激派というのは、たとえばアルカイダのように、反米国際テロネットワークだったり、あるいはタリバンのように、アフガニスタンで政権を奪い返そうという組織があったんですが、イスラム国は、イスラム過激派が、自ら国家を宣言した、というところがこれまでにない、新たな特徴なんですね。

そして、イラクとシリアの両方に跨っています。イラクとシリアは、第一次世界大戦の時に、イギリスとフランスが、オスマン帝国を滅ぼした後、そこを山分けしようぜ、と言って勝手に引いた国境線なんですね。

「ヨーロッパの強国が勝手に引いた国境線を、アラブのイスラム教徒が打ち破ったんだぞ」という、この主張が地元の人たちの大変な支持を得て、あんな過激なことをやっているのに、これだけの勢力を拡大していつつあるんだということです。

荻上チキ:…最初から一言言っていいですか?負けました(笑)まず、リスナーからのツイッターで「まずジハードが分からないよ」「早口だよ」とかね(笑)ツッコミがたくさんきてますから。解説しながらもツッコミが目に入ってきたんで、後半、どんどんしどろもどろになってきました(笑)

池上彰:なるほど(笑)「ジハード」とか「ホームグロウン・テロリズム」って言ってたでしょ?「ホームグロウンってなんだろう?」って、一瞬思っちゃいますよ。そういう専門用語は使わずに説明するってことでうsね。

荻上チキ:専門用語を説明するにも関わらず、新たな専門用語を2つ入れてしまっているわけですね。

南部広美:続いて、もう一つお題を。これはぜひお聞きしたいということで。「壁ドン」を。

池上彰:これは私がアウェイ感がいっぱいですね。…私から?

南部広美:では、池上さんから。どうぞ!

池上彰:男性が極めて積極的に女性を追い詰めるやり方の一つですね。女性を壁際に追い詰め、概ね、左手の方が多いんですが、左手を壁にドンと付け、右手が自由な状態で、顔をグっと近づけて、愛の告白をすることもあれば、強引に自分の主張を相手に伝えるということをするわけですね。

それによって、女性は憧れの男性だと「ポー」っとなってしまって、何でも言うことを聞いてしまうんですが、これをうっかり勘違いしてオジサンがやると、セクハラになってしまう、と。

これをコマーシャルでテレビで使ったことによって、壁ドンがすっかり市民権を得るようになりました。

荻上チキ:凄い!面白い上に完璧なので(笑)

南部広美:しかもオチが付いていた(笑)

荻上チキ:足すことないな(笑)

南部広美:いや、チキ流でお願いしますよ。壁ドン、どうぞ!

荻上チキ:壁ドンというのは、元々インターネット上で流行した言葉でした。最初は、隣の部屋の住人に対して、「お前、うるさいんだよ」ということで壁をドーンと殴るという意味で、壁ドンという言葉が定着しました。

ですが、段々、少女漫画の表現と結びついたことによって、イケてる男、特に積極的に強引に行くタイプの男性が、女性に対して壁際でドンと手をついて、自分の間合いに持ち込んだ後、たとえば口説く、あるいはたとえばより厳しいS的なことを言って、相手をイジメる。

しかし、そのシチュエーションがとても萌えるシチュエーションだと。素敵なシチュエーションだと反応した人たちが、「こっちの壁ドンの方が、壁ドンらしい」ということで広がった結果、前者の壁ドンが駆逐されてしまって、ネットの非モテ、つまりモテない人たちが非常に憤っているという状況を生んでしまっているということです。

池上彰:面白い(笑)いやぁ、そもそもの由来・語源からきちんと解説して、物凄く立体的でしたよね。

南部広美:池上さんの解説の後、チキさん、「ここを足しておかなきゃ」みたいな(笑)

荻上チキ:あと、同じような表現を使いそうになったので、それをどう回避しようかと思って、「サディスティックな」とか言うと、またカタカナで…

南部広美:「S」って何?みたいな(笑)

荻上チキ:攻めって言えば良かったか…でも、攻めもなぁ、みたいな(笑)これはなかなか難しいですね(笑)

池上彰:はい。

荻上チキ:初めて「壁ドン」って聞いた人には、池上さんの方が分かりやすかったと思います。これも白旗です。

池上彰:壁ドンも、こういう風に全く別の視点で解説できるってことですよね。色んな解説ってあり得るんだなってことで、面白かったですよね。

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