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伊集院光、『まんが日本昔ばなし』史上最も怖かった話について語る「三本枝のかみそり狐」

2014.12.02 (Tue)
2014年12月1日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00 - 27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、TBS系で放送されていた『まんが日本昔ばなし』史上、最も怖かった話である『三本枝のかみそり狐』について語っていた。

まんが日本昔ばなし DVD 第42巻(『かみそり狐』収録)
まんが日本昔ばなし DVD第42巻

伊集院光:(まんが日本昔ばなしが)元々大好きで、いつでも観られるのが良いなって思って買ってたら…要は、知ってるわけですよ。元々大好きでオンエアを観てるし、もっと言えば、VHS版も全部持ってるし。DVD版とほぼかぶってますから。95%くらいかぶってますから。「もしもの時に観よう」って思ってるだけで、もしもの時なんか、なかなか来ないじゃないですか。

もしもの時って言ったって、世紀末戦争の時に観ないし(笑)それに、いい感じのもしもの時がないから、まあ観ないわけですよ。ずっと置いてあるんだけど、DVDの棚を掃除しようって時に、もう掃除がしたくないっていう理由で、チェックはしておこう、みたいな。

「今まで、1万円近くするものをラベルも剥がしてねぇや」って思ってラベルを剥がしたりして。ラベル剥がしも全部終わっちゃった後で、掃除はしたくないわけじゃないんですよ…って言った時点で、掃除したくないんですけど(笑)観ないのもなんだから観ようかって思って。

『かみそり狐』の記憶

その中に一個、観ない作品があって。その作品が怖いっていうトラウマがあって、大嫌いだから。「土曜の朝から、これをやる理由は何なの?」っていう、『日本昔ばなし』の中で一番怖いヤツっていうのがあって。

それはまあ観ないってヤツだったんだけどね。ここまで掃除がしたくないならばってことで観たら、全然、内容が違うんですよ。俺の知ってるヤツより、スゲェマイルドになってて。どうやら、『日本昔ばなし』の中に、2回アニメ化されてる話っていうのがいくつかあるんですよ。

そのうちの一つらしくって。DVDBOXの9のまんが日本昔ばなし 第42巻に入ってる、『かみそり狐』っていう話があって。これが、俺の中で超怖くて。

目をつぶれば、その絵を思い出すくらい怖くて。観られなかったんですけど、満を持して観てみたら、話のおおよそは同じなんだけど、「これじゃない」ってなってきたら、その古い俺の記憶の中にある方が観たいって、ネットを異様に漁ったら、あって。

そっちが超怖いっていう(笑)『日本昔ばなし』の良いところは、子供の頃に怖かったものが増幅するんですよ。子供の頃に怖いって思ったことは、大人になってみると、そんなに怖くないんですよ。逆に、子供の頃に「変な感じがした」って方が怖かったり、子供の頃は面白かったのに、実は怖かった、みたいなのが多いんですけどね。

『かみそり狐』のあらすじ

…『かみそり狐』っていうお話自体は、あらすじ自体を聞くと、「土曜の朝に、子供が観るものではない」って思うわけ。ゆるい版ですらってことなんだけど、ある村で、狐が出ます、と。その狐に化かされたヤツは、必ず何かしらのドッキリを仕掛けられて、髪の毛を全部剃られちゃうっていう。

『かみそり狐』


村中のヤツが全部髪の毛を剃られて、「テッテレー!」ってやられてるわけ。「カメラどこ?カメラ…うわぁ、もう本当に剃らなきゃダメだって感じで言ってたからぁ~」なんて感じになってるんですって。

その主人公のヤツだけは、「俺は事務所的にドッキリNGだから」って(笑)「もう、マネージャーにも言ってんだから。前の時に、ホテルで急にエッチなビデオが流れちゃうってドッキリの時に、カメラ前でオナニーしちゃって、お蔵を一回やっちゃってるから、絶対にダメって言ってんの」って(笑)…小さい子に言っておくと、男性アイドルが朝、急にエッチなビデオが流れちゃったらどういう反応をするかってドッキリを仕掛けられてたんですけど、NGになった人がいる、と。この人名は、都市伝説ごとに変わるっていう…こっちもすっかり俺もオジサンだから、二重に昔ばなしなんだよね(笑)

主人公の男が、「俺は引っかからないよ。みんなどういう形でやられてるかしらないけど、どこをどう迂闊にしてたら、最終的に髪の毛を剃られるんだよ」って。「むしろ、仕事が欲しくて、ちょっとお迎えに行ってるんじゃねぇの?JOY的な?」みたいな感じで(笑)「逆に?逆にので掛かってるなら、まだ分かるけど」みたいな(笑)

みんな狐に化かされて、髪の毛を剃られちゃったけど、村一の智慧者だって言ってるヤツは、「俺は絶対に騙されない」って言ってるわけ。夜に歩いてても、「絶対にこっから出てくるヤツ、狐のパターンだからね」って。

それで、夜なのに赤ちゃんを抱いた女性がいて。「出た、出た。これ、狐じゃん」っていう。「衣装に、東京衣装のタグ付いてんじゃん」って状態ですよ(笑)「アレ、狐でしょ。俺の表情を撮りたいから、導線を考えると、あそこにカメラ。なるほどね。あの木のウロね。あそこにあるわけね。GoPro(注釈:小型ビデオカメラ)でしょ?カメラの赤い点滅してるのが見えてるもん」って分かっちゃう人だから(笑)

「これはもう、完全に狐だな」って思うわけ。そしたら、女性がババアの家に入っていくわけ。「ババアも騙されちゃ可哀想だからな」って思って、扉を開けると、ババアと女性と赤ちゃんがいるわけ。「おい、ババア。騙されてんじゃねぇ。これ狐だから。聞いてるでしょ?」と。「もう、なんで振り込むの?」ってくらい聞いてんだろって(笑)

この先、ちょっと凄いんだけど。「じゃあ、分かった。見せてやる」って言って、女性を縛る、赤ん坊を縛る。その横に、柿の木を火で燻して、凄く煙くして。「ババア、見てろ。狐が姿を表すから」って。煙をボーボーやるわけ。

それで、ゲホゲホって咳き込んで「やめとくれ、やめとくれ」って言うんですけど、「その演技、ちょっと臭すぎねぇ?」みたいな。「全然リアルじゃないじゃん」って(笑)ババアも「大丈夫?」なんて心配している中、その女性が死んじゃうんだよ。…これ、土曜の朝の番組ね(笑)

ババアが「死んどるやないかい…」って。それで、「死んでんじゃん」って。「ああ…狐じゃない!」ってなるわけ。それで、「これは俺、どうやって償えば良いんだ」ってなっちゃうんだけど、そしたらそこに、托鉢で回ってる僧侶が来て。「狐だと思って、女性と娘を燻り殺してしまった…」って言って。

そしたら、「仏門に入るしかない」と言われて、髪の毛を剃られる。それで起きたら、実はババアも女性も赤ん坊も僧侶も全部、狐で。「これ二時間スペシャル?だって、セットもエキストラも全部スゲェもん…事務所もOKしちゃったんだ」って話なのよ(笑)

でも、これはDVD版なわけ。今の話だと、よく出来てるっていうか分かりやすいのは、冒頭に「村中の人が髪の毛を剃られてて…」って話が入ってるわけ。でも、俺が前に観たのは、そんなの入ってなくて、「狐がよく出る」って話だけなの。

『三本枝のかみそり狐』のあらすじ

これは実は、タイトルも違って。『三本枝のかみそり狐』ってタイトルの方を観てて。これはDVD化されてないの。このバージョンだと、何の前触れもなく、狐が凄い出て化かされるって話になってて。「俺は化かされねぇぞ」ってヤツがいて。

『三本枝のかみそり狐』(注釈:この話は同じ内容の別バージョン)


絵のタッチも全然違って。『日本昔ばなし』を観て可愛いってパターンと、「うわぁ、損したぁ」ってパターンあるじゃん(笑)DVD版は、可愛いパターンなわけ。俺の観たのは、棟方志功をバカが真似したみたいな絵なんだよ(笑)最初は、ただのヘタウマな水彩絵の具で描いたような絵で。和風の顔料で描いたような。

竹やぶにいたら、不自然な時間で女が赤ちゃんを連れてくるから、「これは狐だわ」って思ってついて行ったら、バアさんがいて。バアさんに「狐に騙されるんじゃねぇぞ」って話をしてたら、「これはウチの娘と孫娘だ」って話をしてて。

それで、そいつがその赤ん坊をそのまま直で囲炉裏にぶっ込むっていう。囲炉裏の炎の中に、赤ん坊をぶん投げるっていう。それで、「赤ちゃんは、いつまで経ってもわらの束にも、赤かぶにも戻らない」ってなるわけ。

そこから、ババアの絵のタッチが、とてつもなく変わるのよ。ババアのインジケータが、赤になってそっからショートしちゃうから。ババアが、山を凄い勢いで追っかけてくるわけ。延々と追っかけてきて。そのババアの絵は尋常じゃないの。目の前で赤ん坊を焼かれたってことで、完全にサーモスタットがバビョーンな状態になってて。

延々と、真っ暗な山の中を追いかけ続けてて。それで、通りがかりの僧侶だったら、まだネタバレするじゃん。「ここ通る?」って。でも、やっとのことで廃寺に逃げこむんだよね。それで追っかけられてるって話をしたところで、和尚さんが「じゃあ、仏門に入った方がいいよ」って。

そこまで、髪の毛を剃ること自体がドッキリだっていう、髪の毛剃るシリーズだとは言われてないわけ。ブーブークッションが流行ってたら「これはブーブークッションだな」って思うけど、俺にとっては髪の毛剃るのは、シリーズ第一作だから。そこで髪の毛を剃りだすんだけど、なんだかリアルな描写で。

古い寺だし、あまり使ってないからってことで、髪の毛が超サビてて痛い、と。カミソリの滑りが悪いから物凄い痛いんだけど、とにかく仏様につかえて償うしかないから、我慢して。そのあまりの痛さに気絶して、起きたら誰もいなくて、何もなくて。頭だけが血だらけだったって終わりなのね。

話自体もどうかしてる話なんだけど、テイストが全然違って。俺はこのバージョン違いを両方観れるのが好きなわけ。浦島太郎ですら、バージョン違いがあって。もっと言うと、今やってるヘーベルハウス劇場っていう、また別物の昔ばなしも、バージョン違いが面白くて。

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