バカリズム、様々な種類のネタを生み出す方法について「思いつきを設定・シチュエーションに乗せて作品に」
2014.11.03 (Mon)
2014年11月1日放送のNHK・Eテレの番組『SWITCHインタビュー 達人達』(毎週土 22:00 - 23:00)にて、お笑い芸人・バカリズムがシンガーソングライター・森山直太朗との対談で、ネタの作り方について語っていた。バカリズムは、面白いと思う核のアイデアを思いつくと、そこから「このアイデアを活かす、最も面白い設定・シチュエーションは何か」を逆算して考え、作品にしているのだという。


森山直太朗:ネタが生まれる瞬間は、喜びや怒り、不服とか…反動や欲求だと思うんですよね。
バカリズム:そうなんですかね?
森山直太朗:LOVE & PEACEでも良いし。
バカリズム:多分、感情じゃないですね。たとえば、この「都道府県のネタ」も、家にたまたま日本地図が張ってあって、ネタを考えてる時に、なんとなく、何気なく地図を見てたんですよ。
森山直太朗:うん。
バカリズム:そしたら、無意識のうちに「北海道だったら、あそこ持つなぁ」「石川県は、あそこだなぁ」とか。なんとなく思ったんですね。
森山直太朗:うん。
バカリズム:そこから、持つところを暇つぶしに探したくなって。「あそこ、穴が開いてるから指引っ掛けられるな」とか。
森山直太朗:便利だなぁ、とか(笑)
バカリズム:面白いとかそういうことじゃなくて、なんとなく考えてたんですよ。
森山直太朗:うん。
バカリズム:それで、段々面白くなってきて、「これ、ネタにできるじゃん」っていう感じ。
森山直太朗:概ね、そういうこと?ふと思ったことが…つまり、本当にざっくり言うと、ヒマであるってこと?
バカリズム:ぼーっとしている時に思いついたりとか。でも、結局、浮かぶかどうかだから。考えて、考えて、こねくり回して作ったものより、ポンって浮かんでいい加減に作った方がウケる。
森山直太朗:ウケるよね。アレ、何なんですかね。
バカリズム:ねぇ。
森山直太朗:…「贈るほどでもない言葉」ってコント、俺好きなんですよね。
バカリズム:当たり前で、誰でも知ってて。わざわざ言うほどでもないことを真剣な顔で溜めて言ったら面白いことに気づいて。
森山直太朗:そのシチュエーションを…
バカリズム:そう。これをネタにするにはどうしたら良いかってことで。ただ舞台に立ってそんなことを言ってるだけだと、作品としては未完成だから。これを何かの設定に乗っけよう、と。何が一番、面白く聞こえさせるんだと思ったら、「そういえば、先生、卒業式で一言ずつ言うなぁ」って思って。どうでも良いことを、誰でも知ってることを言ったら、面白いかなって思って。
森山直太朗:何十個くらい言うんだっけ?
バカリズム:それはもう、出させてもらったネタ番組の尺に合わせて。
森山直太朗:尺に合わせて(笑)
バカリズム:いくらでも作れるから。名字だけあれば(笑)
森山直太朗:延々と作れる(笑)
バカリズム:…ネタで、「総合刑事」っていうのがあって。
森山直太朗:うん。
バカリズム:刑事のシチュエーションで、ハンドマイクを持って、司会者みたいな刑事が取り調べをしていくっていう。それは最初、司会の人が、一個のマイクを、ゲストの人に向けるのがずっと面白くって(笑)
森山直太朗:ふふ(笑)
バカリズム:その行為がずっと面白かったの。でも、それを共感してくれる人は、まあいないわけですよ。だったら、そこに別のギャップのあるシチュエーションにすれば、ネタになるなって。もともとは、マイクを向けるのがやりたかっただけ(笑)
森山直太朗:映画監督の人が…ビートたけしさんが話をしてたことなんだけど、「このシーンだけ撮りたかった」みたいな。
バカリズム:うん。
森山直太朗:そこに、物語を足していったっていうことを聞いたことがあって。
バカリズム:うん。
森山直太朗:たしかに、ちょっと分かる。
バカリズム:でも、曲なんかそうでしょ?
森山直太朗:たしかにね…『夏の終わり』って曲あるんですけど。升野さんも大好きだと思うけど。
バカリズム:ふふ(笑)大好きですよ(笑)
森山直太朗:誤解があるとアレですけど…ただ「夏の終わり」って連呼したかったみたいなところありますね。
バカリズム:うん。
森山直太朗:そこには、確固たる自分の中での確信と無意識と、普遍性があるんですよね。ただ、連呼したいわけじゃなくて、あのシーンから逆算して作品としてちゃんと力のあるものになるとか。無意味なものにはならない、みたいな。なんとなくの確信はあるんだけど、発想って割りとそんなだよね。
バカリズム:分かる、分かる。
森山直太朗:凄いなぁ。俺は勘違いしていたことがあった、大いなる内の一つですね。升野さんは、怒りとか割りと感情的なものが…「間違ってねぇか」みたいな、「もっと、こうしたら良いんじゃないの?」みたいな、ガワから入ってると思ってた。
バカリズム:うん。
森山直太朗:「これがこういう風に崩れたら」みたいな。
バカリズム:全然。
森山直太朗:もっとピュアなんだね。誠実だね。誠実な作り方をしてるね。
バカリズム:うん、誠実な作り方をしてます。
森山直太朗:俺、これを聞けただけでも、結構、満足かもしれない。
バカリズム:本当ですか(笑)
森山直太朗:あんまりこういう言葉使いたくないけど、天才のね(笑)
バカリズム:ふふ(笑)
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バカリズム:そうなんですかね?
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バカリズム:多分、感情じゃないですね。たとえば、この「都道府県のネタ」も、家にたまたま日本地図が張ってあって、ネタを考えてる時に、なんとなく、何気なく地図を見てたんですよ。
森山直太朗:うん。
バカリズム:そしたら、無意識のうちに「北海道だったら、あそこ持つなぁ」「石川県は、あそこだなぁ」とか。なんとなく思ったんですね。
森山直太朗:うん。
バカリズム:そこから、持つところを暇つぶしに探したくなって。「あそこ、穴が開いてるから指引っ掛けられるな」とか。
森山直太朗:便利だなぁ、とか(笑)
バカリズム:面白いとかそういうことじゃなくて、なんとなく考えてたんですよ。
森山直太朗:うん。
バカリズム:それで、段々面白くなってきて、「これ、ネタにできるじゃん」っていう感じ。
森山直太朗:概ね、そういうこと?ふと思ったことが…つまり、本当にざっくり言うと、ヒマであるってこと?
バカリズム:ぼーっとしている時に思いついたりとか。でも、結局、浮かぶかどうかだから。考えて、考えて、こねくり回して作ったものより、ポンって浮かんでいい加減に作った方がウケる。
森山直太朗:ウケるよね。アレ、何なんですかね。
バカリズム:ねぇ。
森山直太朗:…「贈るほどでもない言葉」ってコント、俺好きなんですよね。
バカリズム:当たり前で、誰でも知ってて。わざわざ言うほどでもないことを真剣な顔で溜めて言ったら面白いことに気づいて。
森山直太朗:そのシチュエーションを…
バカリズム:そう。これをネタにするにはどうしたら良いかってことで。ただ舞台に立ってそんなことを言ってるだけだと、作品としては未完成だから。これを何かの設定に乗っけよう、と。何が一番、面白く聞こえさせるんだと思ったら、「そういえば、先生、卒業式で一言ずつ言うなぁ」って思って。どうでも良いことを、誰でも知ってることを言ったら、面白いかなって思って。
森山直太朗:何十個くらい言うんだっけ?
バカリズム:それはもう、出させてもらったネタ番組の尺に合わせて。
森山直太朗:尺に合わせて(笑)
バカリズム:いくらでも作れるから。名字だけあれば(笑)
森山直太朗:延々と作れる(笑)
バカリズム:…ネタで、「総合刑事」っていうのがあって。
森山直太朗:うん。
バカリズム:刑事のシチュエーションで、ハンドマイクを持って、司会者みたいな刑事が取り調べをしていくっていう。それは最初、司会の人が、一個のマイクを、ゲストの人に向けるのがずっと面白くって(笑)
森山直太朗:ふふ(笑)
バカリズム:その行為がずっと面白かったの。でも、それを共感してくれる人は、まあいないわけですよ。だったら、そこに別のギャップのあるシチュエーションにすれば、ネタになるなって。もともとは、マイクを向けるのがやりたかっただけ(笑)
森山直太朗:映画監督の人が…ビートたけしさんが話をしてたことなんだけど、「このシーンだけ撮りたかった」みたいな。
バカリズム:うん。
森山直太朗:そこに、物語を足していったっていうことを聞いたことがあって。
バカリズム:うん。
森山直太朗:たしかに、ちょっと分かる。
バカリズム:でも、曲なんかそうでしょ?
森山直太朗:たしかにね…『夏の終わり』って曲あるんですけど。升野さんも大好きだと思うけど。
バカリズム:ふふ(笑)大好きですよ(笑)
森山直太朗:誤解があるとアレですけど…ただ「夏の終わり」って連呼したかったみたいなところありますね。
バカリズム:うん。
森山直太朗:そこには、確固たる自分の中での確信と無意識と、普遍性があるんですよね。ただ、連呼したいわけじゃなくて、あのシーンから逆算して作品としてちゃんと力のあるものになるとか。無意味なものにはならない、みたいな。なんとなくの確信はあるんだけど、発想って割りとそんなだよね。
バカリズム:分かる、分かる。
森山直太朗:凄いなぁ。俺は勘違いしていたことがあった、大いなる内の一つですね。升野さんは、怒りとか割りと感情的なものが…「間違ってねぇか」みたいな、「もっと、こうしたら良いんじゃないの?」みたいな、ガワから入ってると思ってた。
バカリズム:うん。
森山直太朗:「これがこういう風に崩れたら」みたいな。
バカリズム:全然。
森山直太朗:もっとピュアなんだね。誠実だね。誠実な作り方をしてるね。
バカリズム:うん、誠実な作り方をしてます。
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