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伊集院光が語る「人工頭脳が人間の頭脳を超えるとはどのような意味か」
2014.10.28 (Tue)
2014年10月27日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00 - 27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、人工頭脳・ponanza(ポナンザ)がプロ棋士と対局した電王戦を特集したNHK Eテレの番組『ETV特集:棋士VS将棋ソフト 激闘5番勝負』について、人工頭脳が人間を凌駕するとはどういう意味かについて語っていた。
ファミ通と僕 2000-2002

前の記事からの続き:伊集院光、「プロ棋士より将棋が強い」コンピュータがどのように研究されているか解説 | 世界は数字で出来ている
まず、何より俺がワクワクするしゾクゾクするのは、「人間より頭の良いコンピュータって何?」って話なわけ。要するに、「これ、やっといて」って言ったことに対して、その処理が人間より早いってことは、頭が良いってことにはならないじゃん。それで言うならば、構成作家の渡辺くんに2の二乗をずーっと紙に書いてって、三日間飲まず食わずでやらせて、シュレッダーにかける、とか俺、よくやるじゃん(笑)
そんなのは、コンピュータの方が早いじゃん。それをシュレッダーにかける一連の動作も早いけど、それは頭が良いとは言わないじゃん。計算能力が高いってだけで。そういうことじゃなくて、「コンピュータの方が頭が良くなる」っていうことの意味が、頭の悪い方からは理解できないじゃん。「アイツ、俺を超えた」ってことが理解できなくて。
たとえば、人間が、人間のために最適な地球を作るのをコンピュータに計算させたら、コンピュータがターミネーターみたいなヤツを作って、人間を殺し始めるっていうのは、物語としては分かりやすいじゃん。でも、「頭が良いっていうのは、どういうこと?」っていうのと、あとは将棋とコンピュータの戦い、みたいなのに興味があって。
俺が夢のように思ってるのは、コンピュータが人間より頭が良いってことに関して、将棋のルール上のパターン計算じゃなくて…コンピュータが人間の棋士を完全に超えたとするじゃん。ましてや、プログラムしてる人を超えるような独創的なことを自分で工夫して考えるってことは、俺の中では会場中の誰も知らない周波数の異音が延々と鳴り響いてたりするとか(笑)
羽生名人に「カミさん、元アイドルだよね」とかコッソリ囁いたりとか。「誰かなんか言った?」って言うんだけど、「俺、カミさんが昔、『モモコクラブ』って雑誌に出てた時のグラビア持ってるよ」って言うことが(笑)羽生名人の頭の中にワンワン鳴り響いてるんだけど、誰も知らない、みたいなことが、俺の思うワクワクもし、ゾクゾクもする「コンピュータが人間を超えた」って瞬間だと思う。
人間が、将棋に勝つっていうことのレベルで、ルール上の一番勝てるっていう分析をしなさいって渡した資料から、全てを読み取ったコンピュータが、「え?そんなんだったら、こうしたら早くない?」って、向こうがあと一手で王手かけて勝利だって時に、(対局相手が)血を吹き出してブバーってなる瞬間が、コンピュータが人間を超えたぞって感じなんだけど。そうはならないみたい(笑)
電王戦が面白くて。いいなって思うのが、コンピュータを研究する棋士は、「コンピュータという棋士は、こういう戦法には弱いんだ」って分かって、そういう戦法を打ってくるとか。さらに、Bonanza(ボナンザ)に負けたことで、「アイツ、強くなったよね」っていう評判の若手の棋士がいて。
その人にインタビューすると、「自分の中で、将棋の中で慢心していた部分があったと分かりました」って言ってて。それが、このスペシャル番組自体も面白いし。
感心するのは、俺は将棋の駒の動かし方くらいしか分からないから、穴熊戦法とか矢倉とか言われても、あんまり分からないの。将棋は、駒の動かし方と、ずっと長考して厳しい顔をしたおじさんの棋士とかが、糖分を補給するために、急にシュークリーム食ってるとか(笑)それが俺の中での将棋の知識(笑)
コンピュータの知識も、一般の人の中では知ってる方だと思うんですよ。BASICとか習った世代だし。見よう見まねでコンピュータの部品を買ってきたりするから。かといって、凄いレベルのところまでは分からない。
NHKのスペシャルの凄さは、そのレベルのヤツが楽しめるように作ってるんだ。「これは、昭和何年代まではよく使われた手だけども、コンピュータが分析したスコアカードの中には、あまりないタイプの手である」とかの解説が上手いから、凄い観れちゃうんだけどね。
コンピュータが凄くなると、どうなるのかね。ネタを選ぶとか、いつかコンピュータ出来るのかね。ただ難しいところだよね。面白すぎて、面白くなくなっちゃうヤツとかあるからね(笑)
どんな職業が、コンピュータにとって変わられるんだろうね…それが凄く興味あるね。ゾクゾクするけど、興味あるね。でも、ある日突然、Bonanza(ボナンザ)が、羽生名人の脳にだけ共鳴する音波で、嫌なことを凄い言い続ける、みたいなの、ちょっと見てみたいね(笑)
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ファミ通と僕 2000-2002

前の記事からの続き:伊集院光、「プロ棋士より将棋が強い」コンピュータがどのように研究されているか解説 | 世界は数字で出来ている
「頭の良さ」とはなにか
まず、何より俺がワクワクするしゾクゾクするのは、「人間より頭の良いコンピュータって何?」って話なわけ。要するに、「これ、やっといて」って言ったことに対して、その処理が人間より早いってことは、頭が良いってことにはならないじゃん。それで言うならば、構成作家の渡辺くんに2の二乗をずーっと紙に書いてって、三日間飲まず食わずでやらせて、シュレッダーにかける、とか俺、よくやるじゃん(笑)
そんなのは、コンピュータの方が早いじゃん。それをシュレッダーにかける一連の動作も早いけど、それは頭が良いとは言わないじゃん。計算能力が高いってだけで。そういうことじゃなくて、「コンピュータの方が頭が良くなる」っていうことの意味が、頭の悪い方からは理解できないじゃん。「アイツ、俺を超えた」ってことが理解できなくて。
たとえば、人間が、人間のために最適な地球を作るのをコンピュータに計算させたら、コンピュータがターミネーターみたいなヤツを作って、人間を殺し始めるっていうのは、物語としては分かりやすいじゃん。でも、「頭が良いっていうのは、どういうこと?」っていうのと、あとは将棋とコンピュータの戦い、みたいなのに興味があって。
人工頭脳が"想定外"のことをする可能性
俺が夢のように思ってるのは、コンピュータが人間より頭が良いってことに関して、将棋のルール上のパターン計算じゃなくて…コンピュータが人間の棋士を完全に超えたとするじゃん。ましてや、プログラムしてる人を超えるような独創的なことを自分で工夫して考えるってことは、俺の中では会場中の誰も知らない周波数の異音が延々と鳴り響いてたりするとか(笑)
羽生名人に「カミさん、元アイドルだよね」とかコッソリ囁いたりとか。「誰かなんか言った?」って言うんだけど、「俺、カミさんが昔、『モモコクラブ』って雑誌に出てた時のグラビア持ってるよ」って言うことが(笑)羽生名人の頭の中にワンワン鳴り響いてるんだけど、誰も知らない、みたいなことが、俺の思うワクワクもし、ゾクゾクもする「コンピュータが人間を超えた」って瞬間だと思う。
人間が、将棋に勝つっていうことのレベルで、ルール上の一番勝てるっていう分析をしなさいって渡した資料から、全てを読み取ったコンピュータが、「え?そんなんだったら、こうしたら早くない?」って、向こうがあと一手で王手かけて勝利だって時に、(対局相手が)血を吹き出してブバーってなる瞬間が、コンピュータが人間を超えたぞって感じなんだけど。そうはならないみたい(笑)
NHK Eテレの編集・演出の上手さ
電王戦が面白くて。いいなって思うのが、コンピュータを研究する棋士は、「コンピュータという棋士は、こういう戦法には弱いんだ」って分かって、そういう戦法を打ってくるとか。さらに、Bonanza(ボナンザ)に負けたことで、「アイツ、強くなったよね」っていう評判の若手の棋士がいて。
その人にインタビューすると、「自分の中で、将棋の中で慢心していた部分があったと分かりました」って言ってて。それが、このスペシャル番組自体も面白いし。
感心するのは、俺は将棋の駒の動かし方くらいしか分からないから、穴熊戦法とか矢倉とか言われても、あんまり分からないの。将棋は、駒の動かし方と、ずっと長考して厳しい顔をしたおじさんの棋士とかが、糖分を補給するために、急にシュークリーム食ってるとか(笑)それが俺の中での将棋の知識(笑)
コンピュータの知識も、一般の人の中では知ってる方だと思うんですよ。BASICとか習った世代だし。見よう見まねでコンピュータの部品を買ってきたりするから。かといって、凄いレベルのところまでは分からない。
NHKのスペシャルの凄さは、そのレベルのヤツが楽しめるように作ってるんだ。「これは、昭和何年代まではよく使われた手だけども、コンピュータが分析したスコアカードの中には、あまりないタイプの手である」とかの解説が上手いから、凄い観れちゃうんだけどね。
人工頭脳が人間の頭脳を超える日
コンピュータが凄くなると、どうなるのかね。ネタを選ぶとか、いつかコンピュータ出来るのかね。ただ難しいところだよね。面白すぎて、面白くなくなっちゃうヤツとかあるからね(笑)
どんな職業が、コンピュータにとって変わられるんだろうね…それが凄く興味あるね。ゾクゾクするけど、興味あるね。でも、ある日突然、Bonanza(ボナンザ)が、羽生名人の脳にだけ共鳴する音波で、嫌なことを凄い言い続ける、みたいなの、ちょっと見てみたいね(笑)
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