爆笑問題・太田「なぜ佐村河内のゴースト、新垣氏は大衆音楽を本気でやらないのか?」
2014.03.12 (Wed)
2014年03月11日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』(毎週水 25:00 - 27:00)にて、お笑いコンビ・爆笑問題の太田光が、佐村河内守氏のゴーストライターとして一躍有名となった現代音楽家・新垣隆氏について、なぜ本気で大衆音楽をやらないのか、と疑問を呈していた。
糸 新垣隆

太田:佐村河内の件も、何が問題なのか分からなくなってきたね。
田中:最初、新垣隆さんが、最初にイイモンになりかけた時があったじゃない?
太田:今もそうなってるじゃない。
田中:最初、佐村河内さんが記者会見する前にね、「嘘だった」って、記者会見して。その時、太田さんも言ってたじゃない。『サンデージャポン』(TBS系)でも、「新垣さんだってゴーストライターやってたんだから、その人を良い人ってするのも問題だ」って風潮もあったりして。
太田:うん。俺は、そういうことじゃなくなってきちゃったんだよね。新垣さんのアルバムを聴いてから、そのことばっかり考えてしまって。
田中:あぁ。
太田:あの音楽は何なんだって。
田中:ふふ(笑)
太田:そっちがむしろ考えちゃって。「アレが本気でやりたいことで、こっちは別にそれほどでもない」ってことを、なんとか自分で納得したいんだけど、納得できないんですね。
田中:うん。
太田:よくよく考えてみると、「売れ線で作りました」って言ってるヤツが、そもそも嫌いなんですよ。
田中:はいはい。
太田:「100%の力でやりました」ってヤツじゃないと、イヤなんですよ。こっちは必死こいてやってダメなワケだから。売れたいって思って、売れてないんですから。
田中:うん。
太田:自分の思う程度に。100%以上の力で頑張ってますよ。
田中:うん。
太田:それでもダメでってときに、「本気でやってるのはこっちだけど、こっちはそうじゃない(売れ線を意識して、片手間に作った)」っていうのが、俺らの大衆向け芸能ってものに勝ってしまう。俺らがやってることよりも売れてるのに。それが「二番目です(片手間に作ってます)」っていうのがイヤなのよ。
田中:うん、分かるよ。それは小説だろうが、音楽だろうが。
太田:「えぇ?どういう感情?」って思うんだよね。
田中:やりたいことじゃないけど、商業的にやってるってことね。
太田:本気かなって。そこが知りたいんだよね。「本当は、こっち(本気でやってるのは、大衆向け)なんじゃないの?」って。
田中:うん。それはどうなんだろうね。
太田:我々でもあるじゃないですか。「自分たちがやりたいことだけど、テレビでは通用しないから」ってもの。
田中:ありますよ。
太田:手を抜くわけじゃないけどね。結婚式のおめでとうVTRってあるじゃん。そういうときは、気軽に受けるじゃないですか。本気でやるってわけじゃないですよ。下ネタもガンガン言えば…っていうような感じ。そういう感覚なのかなって気もするんだけど。
田中:うん。
太田:それにしても、その中での全力ってあるじゃないですか。やっぱり、ウケたいとか。
田中:売れ線を全力で考えてはいるんじゃない?「本当にやりたい音楽は、マイナーで売れないのは分かってるけど」って。
太田:なんでそれをやりたいのかな?俺は、「売れるモノ=良い物」って思うんだよね。
田中:まぁね。そこは多分、(価値観として)人それぞれ違ってくると思うけどね。
太田:違わないよ。
田中:たとえば…映画作るときもマニアックな映画を作る人もいるじゃない。大衆ウケしないけど。でも、それはその人にとって撮りたいってものだからね。
太田:うん。
田中:俺が「テレビ番組の企画考えてください」って言われたとするじゃない?たとえば、「80年代アイドルのカラオケ番組をやりたい」とするじゃない。でも、それってゴールデンで数字とれる番組じゃないじゃん。でも、俺はやりたいもん…ってことくらいはあるでしょ?
太田:それがゴールデンで20%とれるようにするのが理想ですよ。
田中:理想ですよ。
太田:でも、どっちを選ぶかっていえば、そっちでしょ。それを数字とれるように肉付けしていくわけですよね。
田中:うん。
太田:つまり、そういうもんじゃない?
田中:現代音楽みたいな、やりたいヤツね。それがミリオンセラーのようになったら一番嬉しいんじゃない?
太田:なるわけがないんですよ。
田中:ふふ(笑)
太田:聴いてても、何が良いのか分からないんだもん。
田中:あぁ。
太田:だって、"良い物"じゃないから。新たな試みだとは思うけどね。今までに無かったことをやっている。それが彼らにとっては、非常に刺激、知的好奇心にはなると思うんだけど、決して"良い物"ではないんですよ。100人が100人、「これ良いね」っていうものじゃないんです。
田中:ふふ(笑)
太田:「新しいね」ってことはあるだろうけど。でも、音楽として心地いいとか、音として、「読経が心地いい」「自然の音が心地いい」っていうものの良さを追究してるのかもしれない。
田中:はい。
太田:でも、いわゆる音楽的な感情は全然無いんですよ。リズムが無いんですから。
田中:うん。
太田:でも、我々はどうしたって、(普段聴いているような曲を)音楽はそういうもんだって思ってるでしょ。そっちも新垣さんは出来るんですよ。なおかつ、それが売れるものを作れるわけ。
田中:うん。
太田:そのへんが本当に好きじゃない。
田中:分かるよ。
太田:「二番目が売れちゃいました」って人。「友達の付き合いできて、受かっちゃって」って言われたような。全力できてくれ!って思うんだよね。
田中:ふふ(笑)
太田:「これは本業ではないので」って態度が、そもそもダメなんだよね。全力でやって、全力で勝なり、負けるなりするっていうことなんだよね。
【関連記事】
伊集院光、佐村河内氏の会見で襲いかかる記者に見る「マスコミが怪物になる感じ」
伊集院光「鼻歌で作曲する加藤ミリヤは、なぜ佐村河内守のように批判されないのか?」
伊集院光が語る、佐村河内氏のニュースの見所「創作活動に携わる人間の線引きが出る」
糸 新垣隆

太田:佐村河内の件も、何が問題なのか分からなくなってきたね。
田中:最初、新垣隆さんが、最初にイイモンになりかけた時があったじゃない?
太田:今もそうなってるじゃない。
田中:最初、佐村河内さんが記者会見する前にね、「嘘だった」って、記者会見して。その時、太田さんも言ってたじゃない。『サンデージャポン』(TBS系)でも、「新垣さんだってゴーストライターやってたんだから、その人を良い人ってするのも問題だ」って風潮もあったりして。
太田:うん。俺は、そういうことじゃなくなってきちゃったんだよね。新垣さんのアルバムを聴いてから、そのことばっかり考えてしまって。
田中:あぁ。
太田:あの音楽は何なんだって。
田中:ふふ(笑)
太田:そっちがむしろ考えちゃって。「アレが本気でやりたいことで、こっちは別にそれほどでもない」ってことを、なんとか自分で納得したいんだけど、納得できないんですね。
田中:うん。
太田:よくよく考えてみると、「売れ線で作りました」って言ってるヤツが、そもそも嫌いなんですよ。
田中:はいはい。
太田:「100%の力でやりました」ってヤツじゃないと、イヤなんですよ。こっちは必死こいてやってダメなワケだから。売れたいって思って、売れてないんですから。
田中:うん。
太田:自分の思う程度に。100%以上の力で頑張ってますよ。
田中:うん。
太田:それでもダメでってときに、「本気でやってるのはこっちだけど、こっちはそうじゃない(売れ線を意識して、片手間に作った)」っていうのが、俺らの大衆向け芸能ってものに勝ってしまう。俺らがやってることよりも売れてるのに。それが「二番目です(片手間に作ってます)」っていうのがイヤなのよ。
田中:うん、分かるよ。それは小説だろうが、音楽だろうが。
太田:「えぇ?どういう感情?」って思うんだよね。
田中:やりたいことじゃないけど、商業的にやってるってことね。
太田:本気かなって。そこが知りたいんだよね。「本当は、こっち(本気でやってるのは、大衆向け)なんじゃないの?」って。
田中:うん。それはどうなんだろうね。
太田:我々でもあるじゃないですか。「自分たちがやりたいことだけど、テレビでは通用しないから」ってもの。
田中:ありますよ。
太田:手を抜くわけじゃないけどね。結婚式のおめでとうVTRってあるじゃん。そういうときは、気軽に受けるじゃないですか。本気でやるってわけじゃないですよ。下ネタもガンガン言えば…っていうような感じ。そういう感覚なのかなって気もするんだけど。
田中:うん。
太田:それにしても、その中での全力ってあるじゃないですか。やっぱり、ウケたいとか。
田中:売れ線を全力で考えてはいるんじゃない?「本当にやりたい音楽は、マイナーで売れないのは分かってるけど」って。
太田:なんでそれをやりたいのかな?俺は、「売れるモノ=良い物」って思うんだよね。
田中:まぁね。そこは多分、(価値観として)人それぞれ違ってくると思うけどね。
太田:違わないよ。
田中:たとえば…映画作るときもマニアックな映画を作る人もいるじゃない。大衆ウケしないけど。でも、それはその人にとって撮りたいってものだからね。
太田:うん。
田中:俺が「テレビ番組の企画考えてください」って言われたとするじゃない?たとえば、「80年代アイドルのカラオケ番組をやりたい」とするじゃない。でも、それってゴールデンで数字とれる番組じゃないじゃん。でも、俺はやりたいもん…ってことくらいはあるでしょ?
太田:それがゴールデンで20%とれるようにするのが理想ですよ。
田中:理想ですよ。
太田:でも、どっちを選ぶかっていえば、そっちでしょ。それを数字とれるように肉付けしていくわけですよね。
田中:うん。
太田:つまり、そういうもんじゃない?
田中:現代音楽みたいな、やりたいヤツね。それがミリオンセラーのようになったら一番嬉しいんじゃない?
太田:なるわけがないんですよ。
田中:ふふ(笑)
太田:聴いてても、何が良いのか分からないんだもん。
田中:あぁ。
太田:だって、"良い物"じゃないから。新たな試みだとは思うけどね。今までに無かったことをやっている。それが彼らにとっては、非常に刺激、知的好奇心にはなると思うんだけど、決して"良い物"ではないんですよ。100人が100人、「これ良いね」っていうものじゃないんです。
田中:ふふ(笑)
太田:「新しいね」ってことはあるだろうけど。でも、音楽として心地いいとか、音として、「読経が心地いい」「自然の音が心地いい」っていうものの良さを追究してるのかもしれない。
田中:はい。
太田:でも、いわゆる音楽的な感情は全然無いんですよ。リズムが無いんですから。
田中:うん。
太田:でも、我々はどうしたって、(普段聴いているような曲を)音楽はそういうもんだって思ってるでしょ。そっちも新垣さんは出来るんですよ。なおかつ、それが売れるものを作れるわけ。
田中:うん。
太田:そのへんが本当に好きじゃない。
田中:分かるよ。
太田:「二番目が売れちゃいました」って人。「友達の付き合いできて、受かっちゃって」って言われたような。全力できてくれ!って思うんだよね。
田中:ふふ(笑)
太田:「これは本業ではないので」って態度が、そもそもダメなんだよね。全力でやって、全力で勝なり、負けるなりするっていうことなんだよね。
【関連記事】
伊集院光、佐村河内氏の会見で襲いかかる記者に見る「マスコミが怪物になる感じ」
伊集院光「鼻歌で作曲する加藤ミリヤは、なぜ佐村河内守のように批判されないのか?」
伊集院光が語る、佐村河内氏のニュースの見所「創作活動に携わる人間の線引きが出る」
同番組の過去記事
| トップページへ |