爆笑問題が語る、テレビ番組を疑わなかった昔の純粋な視聴者「裏を考えてなかった」
2014.03.05 (Wed)
2014年03月04日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題カーボーイ』(毎週水 25:00 - 27:00)にて、お笑いコンビ・爆笑問題が、70年代のテレビ番組を疑わなかった純粋な視聴者について語っていた。
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太田光(以下、太田):昔、おじいちゃんの時計をしてて。金の古い時計ですよ。
田中裕二(以下、田中):おじいちゃんの時計だったの?あったよね(笑)
太田:アレは、ユリ・ゲラーが直した時計なんですよ(注釈:ユリ・ゲラーが1974年に来日時、日本テレビ系の番組『木曜スペシャル』に出演。テレビの前の視聴者が持つ壊れた時計を念で直す、というパフォーマンスを行った)。
田中:あぁ。当時、小学生の頃だよね。
太田:おじいちゃんの時計がウチにあって、もう動かなくなってて。その時にユリ・ゲラーが「みなさん、動かなくなった時計をテレビの前に持ってきてください」って言って。
田中:うん。
太田:「今から念じてください。『動け、動け』と」って。それでみんな一緒になって、「動け、動け!」って。
田中:みんなやってたよ(笑)
太田:そしたらね、番組終わっちゃって。「動かないな、やっぱり」って思って。それでも俺は諦めきれずにやり続けたら、動いたんですよ。
田中:そうだね(笑)
太田:今から考えると、動かない時計、置いたままになってる時計を、振動させたり、そういうことで動きだすんですよ。
田中:そうだね。体温で温められて、油が溶けてっていう説もあったり。
太田:あぁ、そうか。俺なんか、番組終わった後にもガチャガチャやってましたから。それで動き出したのかな。
田中:そうそう。後に、インチキだって話になりましたから。
太田:でも、ユリ・ゲラーは、その後に石油を超能力で見つけて、今は大金持ちですからね。
田中:アレは本当によくできてるというかさ。たとえば、10軒に1軒でも動けば、「動きました!」って電話がくるわけよ、日本中から。
太田:当時、「今、動いたという電話がきています」って、電話がじゃんじゃん鳴ってて。
田中:スタジオの電話がじゃんじゃん鳴ってね。「動きました、動きました」って。「スプーン曲がりました」とかもね。当時、視聴率も相当だったわけだし。ゴールデンタイムでみんな観ててさ。そんなの、10軒に1軒どころか、100軒に1軒でも、何かあったらとんでもない数が電話鳴ってくるわけじゃないですか。
太田:うん。
田中:現に、隣の家の人が、ウチに駆け込んできたからね(笑)
太田:ふふ(笑)
田中:「動いた!」って。「やっこちゃん、時計が動いた!やっこちゃん、時計が動いた!」って(笑)
太田:素朴だよねぇ(笑)
田中:可愛いというかさ(笑)大騒ぎで。ウチの姉貴なんか「スプーン曲がった!」って、泣きそうになって、怖くて震えてたんだから(笑)
太田:ふふ(笑)なんだったんだろうなぁ、あの素朴な人たち(笑)
田中:凄いよね。ユリ・ゲラーに騙されたんだか知らないけど。
太田:全然、裏を考えてないね(笑)
田中:本当に純粋にだよね。
太田:疑ってないね。今は、テレビなんか全部疑いの目で見られる世の中ですよ。
田中:そうですよ。
太田:あんなに純粋だったかね。たかだか40年くらい前。そんなに変わるもんですかね。
田中:いや、でも、ああいうのは本当に信じてたんだよね。それまで、無かったテレビショーというかね。それまではああいうものが、無かったし。
太田:『藤岡弘探検隊』も、アヤシイなって思いつつ、信じてましたからね。
田中:期待してましたからね。
太田:「出るんじゃないか、ネッシー」とかね。
田中:そうそう。ネッシーなんか、俺は最近まで期待してたからね。
太田:うん。UFOとかね、矢追純一さんのUFO特集なんか、ワクワクして観ましたね。
田中:俺らがテレビ朝日で『不思議どっとテレビ。これマジ!?』って番組を10年くらい前にやってた時もね、色んなものやりましたけどね。
太田:UMAとかね。
田中:それこそUFOの映像なんかも、ハッキリしたものあったじゃないですか。
太田:あった。
田中:真偽は分からないけど、あの頃から、いわゆる一般の人でも結構なレベルのCGとか出来ちゃう時代に突入してるんですよ。
太田:もうダメだろうね。信じられないんだろうね。心霊写真もそうだから。デジカメになっちゃって。
田中:うん。パソコンがあれば、作れちゃうから。
太田:心霊写真の怖さったらなかったね。つのだじろうの。
田中:あの怖さはなんだろうね。怖かったねぇ、子供の頃。
太田:「えぇ?」っていうね。「なんでここに手が」ってね。「顔に見える」とかね。
田中:うん。アレ、親はどういうつもりで観てたんだろうね。
太田:親も、同じですよ。
田中:親も同じだったのかね。一緒になって怖がって観てたのに、夢を壊さないようにしてたのかって。
太田:いや、そんなことはないですよ。信じてましたよ。
田中:そうか。『引田天功の大脱出』は?
太田:アレはマジックだと思ってましたよね。
田中:超能力って言ってないからね。
太田:先代の、プリンセス天功の前ですよね。男性のカッコイイおじさんでしたけども。手錠はめてジェットコースターに閉じ込められて。
田中:うん。
太田:ジェットコースターが動きだしたんですよね。途中で、爆発するんですよね。トンネルで。それで炎上して。中継している人が泣いちゃって(笑)
田中:うん。「これは無理だ」って(笑)
太田:「間に合わなかった」とか言って。間に合わなかったも何も、(本当にジェットコースターに乗ったままだったら)どうやって脱出したところで死ぬだろって(笑)
田中:ふふ(笑)楠トシエさんね。必ず泣いちゃって。
太田:ススだらけになった引田天功さんが出てきて(笑)
田中:「ギリギリなのかい」って話だけどね(笑)
太田:脱出でもねぇし、なんだって(笑)
田中:頑張ったってことなのかな(笑)今だったら、綺麗な体で、ポって違うところから出てくるからね。
太田:中に居るんだよね。
田中:「耐えました」みたいな感じなんだよね(笑)
太田:手錠外してね。
田中:手錠外して、なんとか逃げたってことなんだけど。
太田:逃げるところに入り込むんだよね。「ここに入れば大丈夫」ってところに。そこに入れるかどうかなんだけど、ススだらけなんだよね(笑)
田中:今から考えたら、メイクとかしてるわけでしょ?メイクさんがいてさ。
太田:そうかな?(笑)
田中:そりゃそうだよ。ギリギリでした演出。服も汚しを入れてるかもしれないし。
太田:手錠抜けとか出来る人で、そういう風に観てたよね。トリックとは思ってないよね。
田中:そう。手錠を上手く抜けられる人。
太田:そうそう。
田中:そういう捉え方。今、考えたら、毎回、命の危険のあることをやってて。
太田:本当に危険なんだよね。
田中:本当に危険なんだけど、そこは大丈夫だって確信がないとさ。いくら時代とはいえ、やらないですよ。
太田:プリンセス天功は、一回、水中で死にかけてるからね。
田中:うん。
太田:抜けられなくて。ある程度、技術がないと、本当に危険ですから。
田中:そうそう。それはトラブルだったり失敗だったりするから。リポーターが泣いちゃったりして、「これはダメだな」って思ってたけど、今だったら「アレはVTRだから。生じゃないから」って思っちゃってね。
太田:生風にはしてましたけどね。
田中:生風にはしてたかもしれないけど、あんなの、生ならヤバイかもしれないって思うけど、今だったら、「収録して編集して、死んだのを放送するわけないじゃん」って話だよね(笑)
太田:まぁね。
田中:それだけ純粋なんですよ。
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田中裕二(以下、田中):おじいちゃんの時計だったの?あったよね(笑)
太田:アレは、ユリ・ゲラーが直した時計なんですよ(注釈:ユリ・ゲラーが1974年に来日時、日本テレビ系の番組『木曜スペシャル』に出演。テレビの前の視聴者が持つ壊れた時計を念で直す、というパフォーマンスを行った)。
田中:あぁ。当時、小学生の頃だよね。
太田:おじいちゃんの時計がウチにあって、もう動かなくなってて。その時にユリ・ゲラーが「みなさん、動かなくなった時計をテレビの前に持ってきてください」って言って。
田中:うん。
太田:「今から念じてください。『動け、動け』と」って。それでみんな一緒になって、「動け、動け!」って。
田中:みんなやってたよ(笑)
太田:そしたらね、番組終わっちゃって。「動かないな、やっぱり」って思って。それでも俺は諦めきれずにやり続けたら、動いたんですよ。
田中:そうだね(笑)
太田:今から考えると、動かない時計、置いたままになってる時計を、振動させたり、そういうことで動きだすんですよ。
田中:そうだね。体温で温められて、油が溶けてっていう説もあったり。
太田:あぁ、そうか。俺なんか、番組終わった後にもガチャガチャやってましたから。それで動き出したのかな。
田中:そうそう。後に、インチキだって話になりましたから。
太田:でも、ユリ・ゲラーは、その後に石油を超能力で見つけて、今は大金持ちですからね。
田中:アレは本当によくできてるというかさ。たとえば、10軒に1軒でも動けば、「動きました!」って電話がくるわけよ、日本中から。
太田:当時、「今、動いたという電話がきています」って、電話がじゃんじゃん鳴ってて。
田中:スタジオの電話がじゃんじゃん鳴ってね。「動きました、動きました」って。「スプーン曲がりました」とかもね。当時、視聴率も相当だったわけだし。ゴールデンタイムでみんな観ててさ。そんなの、10軒に1軒どころか、100軒に1軒でも、何かあったらとんでもない数が電話鳴ってくるわけじゃないですか。
太田:うん。
田中:現に、隣の家の人が、ウチに駆け込んできたからね(笑)
太田:ふふ(笑)
田中:「動いた!」って。「やっこちゃん、時計が動いた!やっこちゃん、時計が動いた!」って(笑)
太田:素朴だよねぇ(笑)
田中:可愛いというかさ(笑)大騒ぎで。ウチの姉貴なんか「スプーン曲がった!」って、泣きそうになって、怖くて震えてたんだから(笑)
太田:ふふ(笑)なんだったんだろうなぁ、あの素朴な人たち(笑)
田中:凄いよね。ユリ・ゲラーに騙されたんだか知らないけど。
太田:全然、裏を考えてないね(笑)
田中:本当に純粋にだよね。
太田:疑ってないね。今は、テレビなんか全部疑いの目で見られる世の中ですよ。
田中:そうですよ。
太田:あんなに純粋だったかね。たかだか40年くらい前。そんなに変わるもんですかね。
田中:いや、でも、ああいうのは本当に信じてたんだよね。それまで、無かったテレビショーというかね。それまではああいうものが、無かったし。
太田:『藤岡弘探検隊』も、アヤシイなって思いつつ、信じてましたからね。
田中:期待してましたからね。
太田:「出るんじゃないか、ネッシー」とかね。
田中:そうそう。ネッシーなんか、俺は最近まで期待してたからね。
太田:うん。UFOとかね、矢追純一さんのUFO特集なんか、ワクワクして観ましたね。
田中:俺らがテレビ朝日で『不思議どっとテレビ。これマジ!?』って番組を10年くらい前にやってた時もね、色んなものやりましたけどね。
太田:UMAとかね。
田中:それこそUFOの映像なんかも、ハッキリしたものあったじゃないですか。
太田:あった。
田中:真偽は分からないけど、あの頃から、いわゆる一般の人でも結構なレベルのCGとか出来ちゃう時代に突入してるんですよ。
太田:もうダメだろうね。信じられないんだろうね。心霊写真もそうだから。デジカメになっちゃって。
田中:うん。パソコンがあれば、作れちゃうから。
太田:心霊写真の怖さったらなかったね。つのだじろうの。
田中:あの怖さはなんだろうね。怖かったねぇ、子供の頃。
太田:「えぇ?」っていうね。「なんでここに手が」ってね。「顔に見える」とかね。
田中:うん。アレ、親はどういうつもりで観てたんだろうね。
太田:親も、同じですよ。
田中:親も同じだったのかね。一緒になって怖がって観てたのに、夢を壊さないようにしてたのかって。
太田:いや、そんなことはないですよ。信じてましたよ。
田中:そうか。『引田天功の大脱出』は?
太田:アレはマジックだと思ってましたよね。
田中:超能力って言ってないからね。
太田:先代の、プリンセス天功の前ですよね。男性のカッコイイおじさんでしたけども。手錠はめてジェットコースターに閉じ込められて。
田中:うん。
太田:ジェットコースターが動きだしたんですよね。途中で、爆発するんですよね。トンネルで。それで炎上して。中継している人が泣いちゃって(笑)
田中:うん。「これは無理だ」って(笑)
太田:「間に合わなかった」とか言って。間に合わなかったも何も、(本当にジェットコースターに乗ったままだったら)どうやって脱出したところで死ぬだろって(笑)
田中:ふふ(笑)楠トシエさんね。必ず泣いちゃって。
太田:ススだらけになった引田天功さんが出てきて(笑)
田中:「ギリギリなのかい」って話だけどね(笑)
太田:脱出でもねぇし、なんだって(笑)
田中:頑張ったってことなのかな(笑)今だったら、綺麗な体で、ポって違うところから出てくるからね。
太田:中に居るんだよね。
田中:「耐えました」みたいな感じなんだよね(笑)
太田:手錠外してね。
田中:手錠外して、なんとか逃げたってことなんだけど。
太田:逃げるところに入り込むんだよね。「ここに入れば大丈夫」ってところに。そこに入れるかどうかなんだけど、ススだらけなんだよね(笑)
田中:今から考えたら、メイクとかしてるわけでしょ?メイクさんがいてさ。
太田:そうかな?(笑)
田中:そりゃそうだよ。ギリギリでした演出。服も汚しを入れてるかもしれないし。
太田:手錠抜けとか出来る人で、そういう風に観てたよね。トリックとは思ってないよね。
田中:そう。手錠を上手く抜けられる人。
太田:そうそう。
田中:そういう捉え方。今、考えたら、毎回、命の危険のあることをやってて。
太田:本当に危険なんだよね。
田中:本当に危険なんだけど、そこは大丈夫だって確信がないとさ。いくら時代とはいえ、やらないですよ。
太田:プリンセス天功は、一回、水中で死にかけてるからね。
田中:うん。
太田:抜けられなくて。ある程度、技術がないと、本当に危険ですから。
田中:そうそう。それはトラブルだったり失敗だったりするから。リポーターが泣いちゃったりして、「これはダメだな」って思ってたけど、今だったら「アレはVTRだから。生じゃないから」って思っちゃってね。
太田:生風にはしてましたけどね。
田中:生風にはしてたかもしれないけど、あんなの、生ならヤバイかもしれないって思うけど、今だったら、「収録して編集して、死んだのを放送するわけないじゃん」って話だよね(笑)
太田:まぁね。
田中:それだけ純粋なんですよ。
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