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攻めのテレ東vs守りのフジ、開局記念特番に見えた両局の姿勢

2014.03.02 (Sun)
フジテレビの開局記念特番

フジテレビは1日に開局55周年記念特別番組として、『めちゃ×2感謝してるッ!』を放送した。ビートたけし、タモリ、明石家さんまのビッグ3を始め、多くの豪華ゲストが出演し、"特別感"を強く演出していた。

だが、その実は、SP企画恒例の「抜き打ち期末テスト」、「ガリタ食堂」を焼き直したタモリ参加企画の「モリタ食堂」、明石家さんまが参加しているが、レギュラー放送でも行われているコーナーである「めちゃギントン」、北野武がふなっしーに似たきぐるみを着て参加した「たかっしーが行く」など、ほとんどがレギュラー放送回と変わらぬ『めちゃイケ』であった。

豪華ゲストを擁し、満を持して開局55周年記念特別番組として盛り上げているが、その中身と言えば、相も変わらずのフジテレビの(めちゃイケ)企画であった。

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テレビ東京の開局記念特番

一方、2日に放送されていたテレビ東京の開局50年記念特別企画『50年のモヤモヤ映像大放出!』は全く様相が異なった。

テレビ東京が「科学教育番組を放送する局」として誕生するも、その視聴率の低さから25億円近くもの負債を抱え、あわや倒産という憂き目にあった。そのことを隠しもせず、さらには「他のフジテレビやTBS、NHKなどの局から番組の再放送をさせてもらったり、番組制作ノウハウを教えてもらうことで生き延びてきた」と赤裸々に語り、歴史を辿っていったのだ。果ては、「予算がなくてテープを焼き直しして使っているため、過去の映像が無いものがある」とまで自ら暴露してしまう。

さらにそれだけに留まらず、現在ではとてもじゃないが放送できないような番組を、できうる限りその映像を流していた。過去はお色気番組が多かったということもあるが、山城新伍MCの『独占!男の時間』、イジリー岡田出演の『ギルガメッシュないと』などの映像が、モザイク付きで数多く放送されていた。

『独占!男の時間』の紹介では、笑福亭鶴瓶がテレビ東京に出禁(最近では、ゴールデン帯のみ出られない、深夜番組は可という状態)となったことで知られる"開チン事件"についても詳細に扱っていた。

再現VTRまで作り上げる熱の入れようで、「美女が温泉に入っている…と思いきや、実は鶴瓶」というコントの中で、鶴瓶が股間を露出し、カメラに接写させるという暴挙に出たこと、さらには司会の山城新伍のはからいで最終回にも出演したが、そこでさらに肛門を見せる暴挙に出たということが再現されていた。

果ては、「鶴瓶がスタッフに取り囲まれそうになったところ、逃げ出した。その最中で噴水池に飛び込んだ影響で、社長が大事にしていた錦鯉が死亡し、それが出禁の主原因となった、ということまで明かしていた。

他にも、『ギルガメッシュないと』が人気を博して深夜では珍しいほどの高視聴率である9.4%を記録するまでになったが、終了した舞台裏まで暴露していた。実は、『ギルガメッシュないと』が1日のうちで最も視聴率が高いという事態にまでなり、そのことが上層部の目にとまり、番組終了が決定してしまったのだ。

なおテレビ東京は、同様に番組終了させてしまった件で明石家さんまと揉め、以後、明石家さんまが出演NGを出していることでも知られている(明石家さんま「テレビ東京の番組に二度と出ないと決意したワケ」)。『さんまのサタデーナイトショー』(テレビ東京系 放送期間1981年10月-1984年3月)が高視聴率を叩きだし、当時、テレビ東京でトップの数字となったが、そのせいで番組終了となったという。

テレビ東京の"尖った番組"が生まれるワケ

このような番組だけでなく、"尖った企画"を数多く番組化していたテレビ東京でディレクターとして働いていた田原総一朗が出演し、なぜこのような企画が出てくるのかという背景について「NHKやTBSは、偏差値が高いんですよ。予算もある。テレビ東京は、偏差値も低く、予算もない。そこでどんな番組を作るかといえば、世間の注目を集めるような企画をやらなければいけないんです」と語っていた。

予算もなく、知的教養番組などを作るような土壌の無いテレビ局がどのような番組を生み出すかといえば、過激で尖った企画を番組化するしかなかったのだろう。もちろん、全てが世間に認められ、評価されたわけではない。だが、いつまでも攻めの姿勢で数多く企画を立て、番組化していくということで、低予算ながら数多くのヒット番組・企画が生まれてきた。

古くなった番組制作の手法

最近では、1月4日に放送されたテレビ東京の『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』が、フジテレビの番組『めちゃイケ』を抑えて視聴率で1位になったことは記憶に新しい。「ガリタ食堂」「めちゃギントン」などのコーナーでワンパターン化した『めちゃイケ』に比べ、蛭子能収が無軌道な動きで旅を引っ掻き回す『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』の方が視聴者の興味を誘ったということだろう。

今回、テレビ局開局記念特番の中でも、「低予算で企画力で勝負する攻めのテレビ東京」vs 「ワンパターンの企画で、予算を掛けたゲスト頼みである守りのフジテレビ」という構図が浮き彫りとなった。

以前であれば、予算もあったし、豪華な顔ぶれを並べれば視聴率が取れていたのだろう。だが、現在ではそのような内容の無い企画だけでは視聴率が取れない時代となってきている。もはやフジテレビの番組制作手法は古くなってきているのかもしれない。以前は他局に教えを請うていたテレビ東京が、今度は、他局に教えるような立場逆転現象が起こるのかもしれない。

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