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バカリズムが語る「ゲームの進化とプレイヤーの退化」

2014.02.04 (Tue)
2014年02月03日放送のニッポン放送系のラジオ番組『バカリズムのオールナイトニッポンGOLD』(毎週月 22:00 - 24:00)にて、お笑い芸人のバカリズムが、ゲームの進化とプレイヤーの退化について語っていた。

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ゲーム忍耐力の低下

バカリズム:僕、ゲーム好きで、やるんですけども。このラジオのリスナーも、ファミコン世代の人、結構、いると思うんですけど。考えてみると、ゲーム忍耐力って落ちてませんか?

ゲーム好きだけど、昔ほど楽しめなくなってるんですよね。小学生、中学生の頃ほど熱中できてない。ハマってないんですよね。ハマりにくいというか、長続きしないんですよね。

今やってるゲームがあるんですけど、今、離れてるんです。なぜかというと、行き詰まっているから。ちょっとでも行き詰まると、最近、やりにくくなってません?ファミコンの時代は、物凄い理不尽なゲーム多かったじゃないですか。全然進めない感じの。今みたいにセーブもないですし、今は直前からセーブできて、そこからやり直せるぐらいだけど、何回かダメだと、そこで萎えちゃうじゃないですか。

昔は、一面からやり直して、またダメでも、それでもやってたじゃないですか。だからこそ、クリアしたときの喜びはハンパなかったでしょ。それがゲームに熱中させてたと思うんですよ。

ドラクエ開発者も感じているプレイヤーの忍耐力低下

大分前に、スクエア・エニックスの人と話す機会があって。昔よりもドラクエって難易度下がってるんですって。リニューアルしたものを考えると、昔より簡単にして出てるじゃないですか。

要は、ユーザーが忍耐力落ちてるからなんですって。特に、若い子たちもそうなんだけど、全員が"ゲームゆとり世代"になってるんですって。ちょっとでも進めないと、やらなくなってしまうというね。

"クソゲー"という概念の誕生

僕らの場合は、そのソフトしかなかったから。経済的にも、年に1個か2個、誕生日とかクリスマスプレゼントでもらったもので、しばらくやってなきゃいけないから。それで次まで頑張らなければいけないから、意地でもやって、それがクソゲーだと認めたくないから。

クソゲーって言葉が生まれたのも最近ですよ。となると、クソゲーっていう概念すらなかったんですよ。とにかく買ってもらったこれをやるしかない、なんとかクリアするしたいっていうのがあるから、意地でもやるでしょ?

でも、今ってインターネットとか他にも魅力的なものもあるし、集中力が無くなってるから。ゲームがイマイチ進まなかったら、ほかのことに興味を持って行かれてしまうんじゃないですかね。

ドラクエの難易度変化

最近ね、ゲームをもうちょっと頑張ってみようと思って、何時間もかかってクリアしたんですよ。もうね、射精するくらい嬉しかったんですよ。最近、この感覚なかったなって。俺のここ最近プレイしたゲームを考えてみても、難易度下がってるし、ポンポン進むんですよ。

昔の『ドラクエII』のロンダルキアのあの辺、エグかったですもんね。ノーヒントの落とし穴とか。アレもうね、地獄ですよ。頭おかしいんじゃねぇのって。それでも何回かやって、失敗することを前提に作ってますよね。

でも、なんとなく体で位置を覚えてて。それでやっとあそこを抜けた後の地上に出た瞬間、たまらなかったですよね。でも、リメイクされたドラクエって、落とし穴がわかりやすくなってますよね。前は『ドラクエII』なんて3ヶ月くらいかかったでしょ?それでもやってたし。冒険したって思い出があるしね。

想像力の低下

想像力も低下してるんじゃないかって思って。今のゲームのグラフィックって凄いじゃないですか。今、ゲームを始める子供たちは、実写のようなところから始まってるでしょ?でも、俺らはファミコン発売当初、もう記号みたいな感じじゃないですか。

マリオとか、今は声出すでしょ?俺らの頃はテケテケ音がするくらいですよ。でも、あのドットの数少ない中に感情移入して、勝手に自分でバックボーン作ってやってたでしょ。

最初に買ったゲームはマリオブラザーズだったんですけど、基本的にはスクロールすらしないから、ずっとあの面で続くんですよ。出てくるキャラも5種類くらいでしょ。1面、2面では亀で、速度が変わるくらいですよ。それでボーナスのコインの面があって、蟹が出てきて。蟹が出てきて、おぉ~とか言ってるんですよ(笑)ハエが出てきて、そこからは組み合わせだけですよ。

そこから、5時間くらいかけて、57面までやりましたからね。それでも飽きなかった。そこに自分なりのストーリーを作って、感情移入してやってたんですよね。

プロ野球スピリッツとかも、動きもドンドンリアルになっていく。最初に出たゲームなんか、任天堂の『ベースボール』ですよ。あんなの背番号もない、個体差もないキャラですよ。それに「江川」とか「王」とか、自分なりにさじ加減して、投影してたでしょ(笑)そのときは想像力あったんですよね。

自分でストーリー作ってね。中学で野球初めて、高校、そしてこの球団の何番バッターとして入って…っていうのを考えて。能力差はないですよ。打順が回ってきて、「このキャラは打たせたい」とか思って。自分が映画監督くらいの感覚でストーリー作ってやってたでしょ?そんなの今、ないですよね。

『パワプロ』でも、『プロ野球スピリッツ』でも、2~3作さかのぼったら出来ないでしょ?グラフィックが安く見えちゃって。ファミコンのゲームも、懐かしいって感覚でしかできないでしょ?本気でゲームを楽しもうって感覚ではないんですよね。そこまでハマれないんです。

『龍が如く』とかも好きなんですけど、1作目を見ると、グラフィックも粗いし、そこが気になっちゃって。想像力が落ちていってるんです。

ファミコンが出た当初、「自分の意志で動かせる」って思って感動したもんですよ。マリオなんか、肌色と青と赤の3色ですよ。その前は、キン消しでストーリー作って遊んでたんですよ。漫画のストーリーではほとんど目立ってないプレーンなキャラクターを見つけて、自分のバックボーンを考えて、そいつが勝ち上がっていく、みたいなことをやってましたね。キン肉マンが主役じゃないんですよ。そんなのを寝る間も惜しんでやってましたよ(笑)

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