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爆笑問題・太田×山田五郎「テレビ業界の自主規制が厳しくなった3つの理由」
2014.01.27 (Mon)
2014年01月26日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』(毎週日 13:00 - 17:00 )にて、山田五郎がゲスト出演していた。そこで、過激な表現が問題となり、スポンサー降板が話題となった、日本テレビ系のドラマ『明日、ママがいない』について語り、自主規制・表現規制が厳しくなった理由について語っていた。
知識ゼロからの西洋絵画史入門 山田五郎

太田光(以下、太田):『明日、ママがいない』はどう思います?
山田五郎(以下、山田):叩かれてるヤツね。家族が観てて、家族は「問題になるようなものではない」って言ってるけどね。
田中裕二(以下、田中):はい。
太田:アレはなんなんですかね?スポンサー様々なのは分かるんだけど、スポンサーが降りるって事態は。それは情けないな。
山田:CMも中止とかさ、クレームが来たり。
田中:クレームに、まぁ弱いっていうのが現状ですね。
山田:俺ね、この話、『デイ・キャッチ』でしようと思ってたんだけど、流れがそうなっちゃったから言うけどね。自分が仕事してて、1989 年がターニングポイントかなって思ってて。
太田:そうなんですか?
山田:昭和天皇の崩御の時。それまでは、人権的な問題だったりして、「これは言ってはいけない」ってことはあったわけ。
太田:はい。
山田:だけど、「何故言ってはいけない」ってことと、誰に対して、どう配慮すべきかってことはハッキリしてたわけ。ところが、昭和天皇が御病気になられて自粛が出た時には、誰に対して、何をどこまで自粛して良いのか、まったく基準が無かったわけ。
太田:はい。
山田:だから、業界中、なんだか分からないけど自粛した方が良いんじゃないかって空気が、日本のマスメディア史上、初めて流れたんですよ。
太田:俺ら、その年にデビューなんですよ。この俺らが。
山田:だよね(笑)
太田:あのとき印象的だったのは、「お元気ですか」って井上陽水さんのCMが、声だけ抜いて口パクになったって、あんなに気味の悪い映像は無かったけれども。
山田:なぜそれを自粛しなければならなかったのか、誰も分からなかった。「なんだか分からないけど…やめておけ」みたいな。
太田:うん。
山田:それまでが、半端無く浮ついてたからさ。
田中:バブルの絶頂でね。浮かれて、浮かれて。
山田:その時だったから、何をしたら良いのか分からなくなっちゃって、ワケの分からない自粛が始まって。それがデフォルトになってきちゃったのね。
太田:そうか。
山田:そしたら、その直後に92年くらいにバブルの崩壊があって、メディアから広告が一斉に減ったでしょ。それまでも広告はこちら(出版社)としては大事だけど、読者のことを考えてやってるから、スポンサーと意見が食い違っても、最後は目的は同じだから、戦おうよってことになってたけど、自粛ブームがあり、広告が減ったら、全面的にスポンサーの言うことを聞くようになっちゃったんだよね。だから、お互いにとって良くないんだよね。
太田:良くないし、俺がスポンサーに文句言っちゃいけないんだろうけどね。だけど、ああいう問題(『明日、ママがいない』への批判)が起きた時に、ネットや何かから、スポンサーにクレームがいくわけですよ。
田中:はい。
太田:その時に、サッと手を引く広告主っていうのは、ドラマが始まるときに、スポンサーになるって言った責任があるのに、「内容を理解して、選んでスポンサーになってない」ってことの証明になっちゃうと思うんだよ。
田中:そうだね。
太田:それは逆に信頼を失うんじゃないかって思うんだよね。
山田:本当にその通りだと思う。
田中:タレントも炎上があったりするけど、ちょっとしたミスなんかでも、一気に炎上してしまうから。
山田:個別に文句言ってきてくれるなら、対応のしようもあるけど、誰だか分からない、匿名の空気みたいなものには対処のしようがないから、そうなっちゃうっていうのはあると思うけどね。
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知識ゼロからの西洋絵画史入門 山田五郎

1) 自粛ムードが加速した1989年
太田光(以下、太田):『明日、ママがいない』はどう思います?
山田五郎(以下、山田):叩かれてるヤツね。家族が観てて、家族は「問題になるようなものではない」って言ってるけどね。
田中裕二(以下、田中):はい。
太田:アレはなんなんですかね?スポンサー様々なのは分かるんだけど、スポンサーが降りるって事態は。それは情けないな。
山田:CMも中止とかさ、クレームが来たり。
田中:クレームに、まぁ弱いっていうのが現状ですね。
山田:俺ね、この話、『デイ・キャッチ』でしようと思ってたんだけど、流れがそうなっちゃったから言うけどね。自分が仕事してて、1989 年がターニングポイントかなって思ってて。
太田:そうなんですか?
山田:昭和天皇の崩御の時。それまでは、人権的な問題だったりして、「これは言ってはいけない」ってことはあったわけ。
太田:はい。
山田:だけど、「何故言ってはいけない」ってことと、誰に対して、どう配慮すべきかってことはハッキリしてたわけ。ところが、昭和天皇が御病気になられて自粛が出た時には、誰に対して、何をどこまで自粛して良いのか、まったく基準が無かったわけ。
太田:はい。
山田:だから、業界中、なんだか分からないけど自粛した方が良いんじゃないかって空気が、日本のマスメディア史上、初めて流れたんですよ。
太田:俺ら、その年にデビューなんですよ。この俺らが。
山田:だよね(笑)
太田:あのとき印象的だったのは、「お元気ですか」って井上陽水さんのCMが、声だけ抜いて口パクになったって、あんなに気味の悪い映像は無かったけれども。
山田:なぜそれを自粛しなければならなかったのか、誰も分からなかった。「なんだか分からないけど…やめておけ」みたいな。
太田:うん。
山田:それまでが、半端無く浮ついてたからさ。
田中:バブルの絶頂でね。浮かれて、浮かれて。
山田:その時だったから、何をしたら良いのか分からなくなっちゃって、ワケの分からない自粛が始まって。それがデフォルトになってきちゃったのね。
太田:そうか。
2) スポンサーとメディアの力関係の変化
山田:そしたら、その直後に92年くらいにバブルの崩壊があって、メディアから広告が一斉に減ったでしょ。それまでも広告はこちら(出版社)としては大事だけど、読者のことを考えてやってるから、スポンサーと意見が食い違っても、最後は目的は同じだから、戦おうよってことになってたけど、自粛ブームがあり、広告が減ったら、全面的にスポンサーの言うことを聞くようになっちゃったんだよね。だから、お互いにとって良くないんだよね。
太田:良くないし、俺がスポンサーに文句言っちゃいけないんだろうけどね。だけど、ああいう問題(『明日、ママがいない』への批判)が起きた時に、ネットや何かから、スポンサーにクレームがいくわけですよ。
田中:はい。
太田:その時に、サッと手を引く広告主っていうのは、ドラマが始まるときに、スポンサーになるって言った責任があるのに、「内容を理解して、選んでスポンサーになってない」ってことの証明になっちゃうと思うんだよ。
田中:そうだね。
太田:それは逆に信頼を失うんじゃないかって思うんだよね。
山田:本当にその通りだと思う。
3) 個々のクレーム対応が出来ないネットでの炎上
田中:タレントも炎上があったりするけど、ちょっとしたミスなんかでも、一気に炎上してしまうから。
山田:個別に文句言ってきてくれるなら、対応のしようもあるけど、誰だか分からない、匿名の空気みたいなものには対処のしようがないから、そうなっちゃうっていうのはあると思うけどね。
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