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爆笑問題・太田「マスコミは秘密保護法を過剰に恐れ過ぎではないか?」
2013.12.02 (Mon)
2013年12月01日放送の「爆笑問題の日曜サンデー」にて、衆議院を通過した秘密保護法案(特定秘密保護法案)について語っていた。
しごとのはなし

田中「秘密保護法案ですけども…機密を漏らした公務員への罰則強化をするというものですけども」
武田一顯(記者)「今までも罰せられたんですけども、その罰則が強化されるようになる。最高、10年の懲役」
田中「はい」
武田一顯(記者)「具体的に政府が言ってるのは、『自衛隊のイージス艦が東シナ海を遊泳している。その位置関係などを喋ったら懲役ですよ』って言ってる。それは分かるんです」
田中「はい」
武田一顯(記者)「ただ、我々が心配しているのは、取材活動を制限する方にいくんじゃないか、と」
田中「はい」
武田一顯(記者)「取材の時に何かを言ってしまって、それを報道しようと思ったら、『無理やり聞き出した』とか。色仕掛けで迫った、とか。そういうことになると、それでより、罰則が重くなるのを恐れているんです」
太田「この問題は難しいんだけども…強行採決するのは、まず時間が足らないっていうのもあるし、無理やりだなっていうのはあからさまじゃないですか」
田中「はい」
太田「その中で、マスコミが『知る権利』ってことで、騒ぎたてましたよね」
田中「うん」
太田「じゃあたとえば、スノーデンってCIAの元職員がいましたけど、あの人が機密を漏らしたわけですよね。アメリカは当然、怒る」
田中「うん」
太田「その中には、アメリカが世界中で盗聴してたってことがある。そのアメリカに対して、日本はあまり抗議してないですよね」
武田一顯(記者)「はい」
太田「だけど、特定機密保護法に照らし合わせれば、有罪になってしまう。でも、(マスコミからすれば)『あれは知る権利だ(だから特定機密保護法はあるべきでない)』ってことになるわけですよね」
田中「うん」
太田「でも、スノーデンに持ってる中に、個人情報があったとする。でも、マスコミは住基ネットのときには、『個人情報が守れなくなる』と言って大騒ぎした。この辺のことが色々重なると、どういう立場に誰がなるのかって。そうなると、もう混乱して分からなくなる」
田中「そうですね。守って欲しい情報はありますけどもね」
太田「沖縄密約の件(西山事件)は、『調査の仕方が悪かった』ってことで落ち着いてますけど、アレは国家の犯罪ですよ」
武田一顯(記者)「アレは今回の特定機密保護法案では、ダメなんですよ。西山さんは、今、もし同じようなことがあればアウトなんですよ」
太田「そうでしょ。でも、西山さんが暴いたことは、国民にとって必要ですよ。しかも、あれは国家の犯罪だと思うんです」
武田一顯(記者)「そうですね」
太田「だったら、西山さんは免責されてしかるべきじゃないですか」
田中「うん」
太田「それでもアウトですか?」
武田一顯(記者)「今、この法案の場合は、アレが今の国会に出されている唯一の過去の具体例なんです。あとのことは、野党が『こういうケースは?』って訊くと、森担当大臣は別ですけど、谷垣法務大臣は、『それは個別の判断だ』と言って、答弁しないわけですね」
太田「えぇ」
武田一顯(記者)「個人情報とニュースで報道しなきゃいけないっていうのは、これは非常に難しい話なんだけども、その先に、誰がどう見ても『密約だ』と。他の原問題でも、政府の中で、もしくは官僚が拡大解釈していって隠していったら、これは何も我々、分からなくなってしましますよね」
太田「それをやるなら、マスコミは今さら騒がずに『沖縄密約が国家の犯罪だ』ってことを、もっとアピールすべきじゃないですか?」
武田一顯(記者)「それは仰るとおりで。リスナーの方でもシラケてる人がいると思うんです。特にマスコミに対して。というのも、遅いってことですよ。マスコミが騒ぎ始めるのは」
太田「はい」
武田一顯(記者)「急に騒いでって。あと、困るのはマスコミのお前らだけだろ、と。そういう意識があるのかもしれない。だからシラケてるのかもしれない」
太田「はい」
武田一顯(記者)「そんなこと分かってたのなら、選挙の時に教えてくれって話ですから。でも、情報公開をあまりしてない。委員会で話はしているけど、まだ分からないところがいっぱいあるというので、『これだと、何でも逮捕できるじゃないか』という懸念が出てきているんですね」
太田「国民の側のシラケとしては、こんなものを作る以前に、そこまでマスコミは普段の取材活動で辿り着かないんじゃないの、と(笑)そんなところまで、秘密を暴けるところまで届いてないんじゃないのっていうのもあるのかもしれない」
武田一顯(記者)「中国って、機密を漏らすと15年から20年の懲役刑になるんです。労働改造っていうんですけど」
太田「はい」
武田一顯(記者)「全部秘密になってる。そうすると、このまま特定機密保護法ができて何年か経てば、中国と同じになっちゃう、と。それは私の取材してた感覚からすると、法案の文章だけ読むと、『あぁ、(中国のように)なっちゃうなぁ』っていう風に感じますね」
中村尚登アナ「あと、マスコミのサイドが『そこまで取材できないでしょ』って見られてる部分ありますよね。でも、実際問題、『酒を飲ませて何かを聞き出す』っていうことってありますけど、その前に、自分たちでそのことを勉強して、そのことを取材相手にぶつけて、否定するかしないかって出方を見るんですね。つまりは、こっちも勉強しないと取材できないっていうのはあるんですよね」
太田「うん」
中村尚登アナ「でも、それで『こちらが当てた』って言っても、『お前らがバラしたんだ』ってことになると、真っ当な取材をしていても(逮捕される)ってことになりかねないんですね」
太田「だから、最終的には司法がどう判断するかによって変わってくるじゃないですか。マスコミが特定機密保護法に抵触する事実が犯罪だった場合、それも加味して判断してもらわないと困るわけで。どっちも有罪になってしまう」
田中「うん」
中村尚登アナ「特定機密保護法っていうのは、特定機密を政府が指定するわけですよ。それを漏らした、ということの罪で有罪になります。それは政府が犯罪を犯してたところで、それは別なこととして、行政訴訟を起こすなりする必要があるんです」
太田「司法が、これからどういう力関係となっていくかに変わっていくんじゃないですかね」
武田一顯(記者)「最高裁判所も、『違憲』とはいえず、『違憲状態』っていう寸止めにするわけですよ。そうすると、裁判所はそんなに我々が期待するほど公平ではない。だって、司法も国の側に立った方が楽ですからね」
太田「えぇ」
武田一顯(記者)「私は、三権分立を完全に盲信するほど、めでたくはないと思いますよ」
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しごとのはなし

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武田一顯(記者)「今までも罰せられたんですけども、その罰則が強化されるようになる。最高、10年の懲役」
田中「はい」
武田一顯(記者)「具体的に政府が言ってるのは、『自衛隊のイージス艦が東シナ海を遊泳している。その位置関係などを喋ったら懲役ですよ』って言ってる。それは分かるんです」
田中「はい」
武田一顯(記者)「ただ、我々が心配しているのは、取材活動を制限する方にいくんじゃないか、と」
田中「はい」
武田一顯(記者)「取材の時に何かを言ってしまって、それを報道しようと思ったら、『無理やり聞き出した』とか。色仕掛けで迫った、とか。そういうことになると、それでより、罰則が重くなるのを恐れているんです」
太田「この問題は難しいんだけども…強行採決するのは、まず時間が足らないっていうのもあるし、無理やりだなっていうのはあからさまじゃないですか」
田中「はい」
太田「その中で、マスコミが『知る権利』ってことで、騒ぎたてましたよね」
田中「うん」
太田「じゃあたとえば、スノーデンってCIAの元職員がいましたけど、あの人が機密を漏らしたわけですよね。アメリカは当然、怒る」
田中「うん」
太田「その中には、アメリカが世界中で盗聴してたってことがある。そのアメリカに対して、日本はあまり抗議してないですよね」
武田一顯(記者)「はい」
太田「だけど、特定機密保護法に照らし合わせれば、有罪になってしまう。でも、(マスコミからすれば)『あれは知る権利だ(だから特定機密保護法はあるべきでない)』ってことになるわけですよね」
田中「うん」
太田「でも、スノーデンに持ってる中に、個人情報があったとする。でも、マスコミは住基ネットのときには、『個人情報が守れなくなる』と言って大騒ぎした。この辺のことが色々重なると、どういう立場に誰がなるのかって。そうなると、もう混乱して分からなくなる」
田中「そうですね。守って欲しい情報はありますけどもね」
太田「沖縄密約の件(西山事件)は、『調査の仕方が悪かった』ってことで落ち着いてますけど、アレは国家の犯罪ですよ」
武田一顯(記者)「アレは今回の特定機密保護法案では、ダメなんですよ。西山さんは、今、もし同じようなことがあればアウトなんですよ」
太田「そうでしょ。でも、西山さんが暴いたことは、国民にとって必要ですよ。しかも、あれは国家の犯罪だと思うんです」
武田一顯(記者)「そうですね」
太田「だったら、西山さんは免責されてしかるべきじゃないですか」
田中「うん」
太田「それでもアウトですか?」
武田一顯(記者)「今、この法案の場合は、アレが今の国会に出されている唯一の過去の具体例なんです。あとのことは、野党が『こういうケースは?』って訊くと、森担当大臣は別ですけど、谷垣法務大臣は、『それは個別の判断だ』と言って、答弁しないわけですね」
太田「えぇ」
武田一顯(記者)「個人情報とニュースで報道しなきゃいけないっていうのは、これは非常に難しい話なんだけども、その先に、誰がどう見ても『密約だ』と。他の原問題でも、政府の中で、もしくは官僚が拡大解釈していって隠していったら、これは何も我々、分からなくなってしましますよね」
太田「それをやるなら、マスコミは今さら騒がずに『沖縄密約が国家の犯罪だ』ってことを、もっとアピールすべきじゃないですか?」
武田一顯(記者)「それは仰るとおりで。リスナーの方でもシラケてる人がいると思うんです。特にマスコミに対して。というのも、遅いってことですよ。マスコミが騒ぎ始めるのは」
太田「はい」
武田一顯(記者)「急に騒いでって。あと、困るのはマスコミのお前らだけだろ、と。そういう意識があるのかもしれない。だからシラケてるのかもしれない」
太田「はい」
武田一顯(記者)「そんなこと分かってたのなら、選挙の時に教えてくれって話ですから。でも、情報公開をあまりしてない。委員会で話はしているけど、まだ分からないところがいっぱいあるというので、『これだと、何でも逮捕できるじゃないか』という懸念が出てきているんですね」
太田「国民の側のシラケとしては、こんなものを作る以前に、そこまでマスコミは普段の取材活動で辿り着かないんじゃないの、と(笑)そんなところまで、秘密を暴けるところまで届いてないんじゃないのっていうのもあるのかもしれない」
武田一顯(記者)「中国って、機密を漏らすと15年から20年の懲役刑になるんです。労働改造っていうんですけど」
太田「はい」
武田一顯(記者)「全部秘密になってる。そうすると、このまま特定機密保護法ができて何年か経てば、中国と同じになっちゃう、と。それは私の取材してた感覚からすると、法案の文章だけ読むと、『あぁ、(中国のように)なっちゃうなぁ』っていう風に感じますね」
中村尚登アナ「あと、マスコミのサイドが『そこまで取材できないでしょ』って見られてる部分ありますよね。でも、実際問題、『酒を飲ませて何かを聞き出す』っていうことってありますけど、その前に、自分たちでそのことを勉強して、そのことを取材相手にぶつけて、否定するかしないかって出方を見るんですね。つまりは、こっちも勉強しないと取材できないっていうのはあるんですよね」
太田「うん」
中村尚登アナ「でも、それで『こちらが当てた』って言っても、『お前らがバラしたんだ』ってことになると、真っ当な取材をしていても(逮捕される)ってことになりかねないんですね」
太田「だから、最終的には司法がどう判断するかによって変わってくるじゃないですか。マスコミが特定機密保護法に抵触する事実が犯罪だった場合、それも加味して判断してもらわないと困るわけで。どっちも有罪になってしまう」
田中「うん」
中村尚登アナ「特定機密保護法っていうのは、特定機密を政府が指定するわけですよ。それを漏らした、ということの罪で有罪になります。それは政府が犯罪を犯してたところで、それは別なこととして、行政訴訟を起こすなりする必要があるんです」
太田「司法が、これからどういう力関係となっていくかに変わっていくんじゃないですかね」
武田一顯(記者)「最高裁判所も、『違憲』とはいえず、『違憲状態』っていう寸止めにするわけですよ。そうすると、裁判所はそんなに我々が期待するほど公平ではない。だって、司法も国の側に立った方が楽ですからね」
太田「えぇ」
武田一顯(記者)「私は、三権分立を完全に盲信するほど、めでたくはないと思いますよ」
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