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伊集院光が語る「ラジオの書き起こしサイトについて」

2013.08.20 (Tue)
2013年08月19日放送の「伊集院光 深夜の馬鹿力」にて、ラジオの書き起こしサイトについて語っていた。

話の発端は、伊集院光が司会を務める『100分de名著』の中で、古事記を取り扱ったことだった。

『古事記』 2013年9月 (100分 de 名著)
『古事記』 2013年9月 (100分 de 名著)

伊集院光「古事記は、稗田阿礼って人が神話とか伝承されてる歴史を集めてきて。諸説あるらしいんだけど…『天武天皇の命により稗田阿礼が行った』かどうかってことも難しいところらしいんだけどね。稗田阿礼が神話や伝承されてる歴史を集める、と」

「しかも、ノートにまとめるんじゃなくて、いっぱい聞いて頭の中でまとめようとするってことと、聞きに行った先で、その地域のヤツを覚えてくる一族っていう。教わって覚えるっていう一族が、俺の中でとても興味があるっていうか」

「それと同時に色んな興味が沸くんですけど、文字が無いときに覚える。覚えて伝えるって時に、文字があった方が楽なのは間違いないじゃん。でも、文字が出来たが故に、伝わらなくなった部分って、あると思うんです」

「っていうのも、このラジオとかをフリートークすると、それを書き起こしてネットとかに上げる人がいるじゃん。あえてこういう言い方をすると、"あげてくれる"人がいるんです」

「それは悪気の人もいるし、悪気じゃない人もいるんです。このラジオを広めようと思ってあげてくれる人もいて、それを変な話、悪気も含めてさらに広めてくれる人もいれば、元々、悪気で広めようとする人もいる」

「番組のためを思って、『伊集院こんな面白いこと言ってたぜ』って、書いてくれる人から、『伊集院、こんなこと言ってたぜ』ってチクってくれる人までいっぱいいる。色んな種類の人がいるんですけど」

「それの良いものだとしても、善意で出来ているものだとしても、やっぱり、喋ってることを文章にすると、絶対に変わっちゃうんだよね。変わらないなんてことはありえなくて。そのために、『伊集院が言った一言一句を書いてます』ってやったところで、その限界なところまでやったところで、絶対に変わっちゃうっていう」

「そのことを考えると、文字が出来る前にどう伝えてて、文字が出来る前はスゲェちゃんと伝わったのに、文字ができたら抜かれちゃうニュアンスって絶対にあると思うんだよね」

「さらには、言葉ができる前ってどうなの?ってことなんだけど。文字ができることでより伝わるようになったことってあるじゃん。その方が多いと思うんだよ。一方で、文字ができて文字に書いちゃったが故に、むしろ伝わらなくなることがちょっとあるじゃん」

「そうすると、言葉ができなかった時に、言葉が出来た方が絶対に伝わるけど、言葉が出来たことで伝わらなくなった、ちょっとのことがあるんだろうなってことが、俺の中で面白くて」

「語り部の中の人の中で、話を盛ったりすることがあるのかなって思って。あと、職業観みたいなものが、今の職業観と違うと思うんだよね。お金が儲かるもモテるも、あんまり関係ない。ヘタすると、やりがいがあるかどうかも関係ない、『そういうものだ』と(笑)『お前はそのためにしか生まれてない』っていう。そのことを何の疑いもなく育てられていく人たちが、話を盛るとか工夫するとか、やるのかってことも分からないんだけどね」

「でも、もし俺が語り部の家に生まれてたら、盛っちゃうよねぇ。ヤマタノオロチにチン○ンもあったって言っちゃうよね。チン○ンが9本あったのにはビックリしたねぇ、なんつって(笑)その方が絶対にウケるってとか(笑)」

「その内、『9本のうち8本が包茎なの』とか、そっちを盛り過ぎちゃって、肝心の退治の方法とかを忘れちゃって(笑)

「8つの頭にお酒を飲ませて酔っ払わせたところを襲う、みたいな話に何が込められてるかっていうと、偉い先生が言うには、出雲地方に、凄く反乱しやすい川があって、それをヤマタノオロチにたとえている、と」

「ヤマタノオロチみたいに8つの股に分かれてる川があって、その反乱を止めるのに、知恵を使ったってことがとても大切なことで。『知恵を使ってヤマタノオロチを退治する=頭を使って治水をする』ってことがとても大事なことだってことを口伝されてる神話は伝えてるんですってことらしくって」

「多分、俺が語り部の1人に入っちゃった場合は、剥けてるヤツが一本あれば良いんじゃね?みたいなところが伝わっちゃって、肝心なヤツが伝わらなくなっちゃったりするんだろうなって(笑)」

「…歴史学者の人って、絶対に合ってるかどうかっていうのは分からないけど、一生懸命、パーツを集めて真実に近づこうとするけど、それが本当かどうかは分からないじゃない?俺だって、自分で言えてるつもりのことと、言えてたことからして違うんだからね。さらには、それを聞いてる人も異なる捉え方をするかもしれない。そうやっていくと、ここで伊集院光が『こういうことの比喩として言ったとしか思えない』って、100人が100人言ってても違うって可能性もあるわけだから」

「西暦600年くらいの時に、ずっと語り部の人たちが『なんだか分からないけど、俺はそういう一族に生まれた』って、伝えてきたことを、歴史学者の人が俺に伝えるじゃん。それってなんか凄くないか?」

「そこに俺はどうしてもチン○ンの話を足しちゃうから、俺からは聞かない方がいいけど(笑)そのことで、俺の中では古事記の話を聞くのが凄く面白くて」

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タグ : 伊集院光,100分de名著,古事記,

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