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志村けん「求められたら、ギャグは一生やり続けなければならない」

2013.07.22 (Mon)
2013年07月19日放送の「志村けんの夜の虫」にて、志村けんがギャグについて考察について語っていた。

ギャグ=一発芸ではない

志村流―金・ビジネス・人生の成功哲学志村けん「関西だと『ギャグ』っていうけど、ドリフターズの中ではそれはギャグじゃないの。"流行りもん"っていって。『アイーン』も流行りもんなの」

ダチョウ倶楽部・上島竜兵「うん」

志村けん「ギャグっていうのは起承転結があって、コントになるっていうのがOKなギャグなんだけど。俺達は一発芸みたいなのはギャグって言わないんだよ」

上島竜兵「そういうところ、違ってますよね。一発芸=ギャグみたいな」

枡田絵理奈「一発ギャグって言いますもんね」

志村けん「分かってない人が、『(一発ギャグあって)いいなぁ』って言う人がいるんだけどね。カメラマンの取材で、『一発、ギャグお願いします』って言われて。『カメラで映るのがギャグか、このやろう?』ってカーってなるもん」

枡田絵理奈「ふふ(笑)」

志村けん「『ゆっくりやってください』って言われて。分解して、アイーンとかやらされるんだけど、『馬鹿野郎、名前なんつーんだこのやろう?』って言うもん」

上島竜兵「分かります(笑)俺も『クルリンパやってください』って言われて。やっても、面白くもなんともないですからね」

枡田絵理奈「ふふ(笑)コマ送りみたいな(笑)」

上島竜兵「吹き出しで『クルリンパ』って書いてても、面白くもなんともないんですよ」

志村けん「ふふ(笑)随分怒ってるね(笑)」

上島竜兵「本当そうですね」

志村けん「一般の人が、軽くギャグとか口にするなって思うね。頭くるよな」

上島竜兵「そうですね」

志村けん「『家族に乾杯』って番組、ガチでやるんだけど、子供に『アイーンってやって!』って言われると、(笑福亭)釣瓶さんがね、『あんた、エェなぁ』って必ず言うんだよ」

上島竜兵「へぇ」

志村けん「福くんがきたときにも、『一緒に変なおじさんのダンスしたい』って言ってきて。それでやったら、ケラケラ笑って。そしたら釣瓶さんが『あんた、エェのあっていいなぁ』って。『釣瓶さんだって落語やったら良いじゃん』って言って(笑)」

上島竜兵「ふふ(笑)」

志村けん「それで、『小話教えて上げれば?』ってやったんだけど、ウケないんだよ(笑)」

上島竜兵「はっはっはっ」

枡田絵理奈「それはね(笑)」

コントを作る中で生まれるギャグ

志村けん「あと、ナイナイの岡村が言うからね」

上島竜兵「あぁ、そうですね」

志村けん「岡村が『志村さんは、バカ殿あるし、変なおじさんあるし、ひとみ婆さんあるし…僕、何もないですね』って言うんだよ。それで必ず人のパクってるだろ?」

上島竜兵「リスペクトしてるんでしょうね」

志村けん「『基本的に、コントの流れの中から出来てるものだから、テレビ局の言ってることだけやってないで、自分で5分でも10分でもナイナイでコントやれば良いんだよ。その中から、何かが出てくるんだよ』って。それを考えるのがイヤだから、みんなやらないんだよ」

上島竜兵「そうですね。大変な作業ですからね」

志村けん「大変だよな、物を作るっていうのは」

他人から与えられるギャグは、自分でやっててもつまらない

志村けん「全員集合の頃に、合唱隊のコーナーがあって。そこで、東村山音頭とか、早口言葉がウケて。その後にいかりや(長介)さんに『次、ねぇのか?』って言われて」

枡田絵理奈「はい」

志村けん「洋楽かけて、ディスコ婆ちゃんってやらされたんだよ」

上島竜兵「ディスコ婆ちゃん(笑)」

志村けん「俺はやりたくなかったんだけど、やらされて。それがイヤでイヤでしょうがないんだよな」

枡田絵理奈「お蔵入りですか?」

志村けん「やったんだけど、3回くらいで終わったと思うよ」

枡田絵理奈「本人が乗り気じゃないから?」

志村けん「乗り気じゃないの。『いかりやさん、コレやめていいですか?』って言ったもんな。流行る兆しはあったけど、自分で気に入ってないよ」

上島竜兵「そうですね」

志村けん「自分で楽しんでないから、ダメなんだよ」

流行らせようと思ったギャグは流行らない

志村けん「流行らせようと思ってやっても、絶対にハズすよな?」

上島竜兵「絶対にダメです。師匠の場合は、東村山音頭はどうだったんですか?」

志村けん「あの時は、合唱隊のコーナーで、各々の自分の故郷の民謡を歌おう、と。俺のところは民謡、無いわけじゃん。その時に、いかりやさんが自分が田舎者のくせに、『おい!田舎者!』ってずっと言ってたんだよ。それで反抗して『東村~山~』ってやったんだよ。それで『それ(コントとして)やらないか?』って」

上島竜兵「はい」

志村けん「東村山の民謡が実際にあって。それを『東村山4丁目』にしようと。すごい短くしちゃったんだよ」

上島竜兵「はい」

志村けん「『4丁目じゃつまんないな…3丁目も作ってみるか』って。それで勝手に作って。その頃、ジェームズ・ブラウンが好きで。ソウルが」

上島竜兵「はい」

志村けん「『一丁目…ワオ!』って。その回で終わると思うんだよ。そしたら、反応があり過ぎて。それでもう一回やったの」

枡田絵理奈「へぇ~」

志村けん「それを延々やって。それが1年半くらい」

上島竜兵「スゴイですよね」

志村けん「いかりやさんが『やめろ、やめろ』って言うときに、お客さんが『やれ~!』っていうから、やるんだよ。だから、『やめろ』がないとダメなんだよ」

枡田絵理奈「へぇ」

志村けん「だから、それを流行らせようと思ってやってないから」

枡田絵理奈「流行らせようと思ってやってる、ってことじゃないんですね?」

反応がある限り、ギャグはやり続けろ

志村けん「反応があるから、やろうかって。カラスの勝手でしょ、もそうだしな」

上島竜兵「はい」

志村けん「1年半くらいやって、いかりやさんが『もう、あれやらなくていいぞ』っていうから、やらなかったら土曜日放送終わって、電話すごい勢いでかかってきて。『ウチの子供が寝ないぞ、どうするんだ?』って(笑)」

枡田絵理奈「ふふ(笑)」

志村けん「それでまた、復活だよ」

上島竜兵「師匠や上の人によく言われるんですけど、ネタとかギャグって、自分で『飽きたから、もういいや』って思ってるけど…」

志村けん「その頃に流行るんだよ。ヒゲダンスも、もうやめようかなって思ってたときに、暮れの忘年会で大流行だよ」

枡田絵理奈「へぇ」

上島竜兵「だから、そこで飽きちゃいけないよ、と」

志村けん「タカトシにも言ったんだよ。『欧米か!飽きちゃって…でも、次のギャグがないんですよね』って言うから、『馬鹿野郎!お前が60になっても漫才で"欧米か!"ってやってなきゃダメだよ。必ず1回はやらなきゃダメだよ。ベタで必ずやらなきゃダメだよ。1回は』って」

枡田絵理奈「はい」

志村けん「『ベタで1回はやれ!』って。そしたら『分かりました』って、やってるもんな。いまだにやるもんな。ウケるもんな」

上島竜兵「ウケる。見たいもん」

枡田絵理奈「やっぱり面白い(笑)」

子供は、子供に媚びる大人が嫌いだ

志村けん「ウッチャンナンチャンの南原に『志村さん、子供になんで流行るんですかね?』って訊かれて。その頃、はっぱ隊とかやってたんだよ」

枡田絵理奈「あぁ~」

志村けん「『お前は、子供にウケようとやってるだろ?子供に媚びてるんだよ。子供に媚びる大人が、子供は一番嫌いなんだよ』って」

枡田絵理奈「あぁ」

志村けん「『子供に合わせちゃダメなんだよ。自分で楽しいと思ってやることを、子供はマネしたがるんだよ』と」

枡田絵理奈「はい」

志村けん「『子供からすると、大人に憧れてるから、子供目線でやっちゃダメだよ』って」

上島竜兵「ホントそうですよね」

志村けん「そこなんだよ」

上島竜兵「子供って、大人なんですよ。大人が笑えるものって思って作って、始めて子供は笑うんですよ」

志村けん「そう。子供は敏感に分かるんだよ。口に出さないけど、分かっちゃうんだよ。怖いよ」

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