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「魔法少女まどか☆マギカ」脚本家の虚淵玄インタビュー

2013.06.20 (Thu)
2013年06月19日放送の「爆笑問題の日曜サンデー」にて、「魔法少女まどか☆マギカ」脚本家の虚淵玄がゲスト出演していた。

虚淵玄の他のアニメへの認識

魔法少女まどか☆マギカ コンプリート DVD-BOX (12話, 283分) まどマギ アニメ [DVD] [Import]爆笑問題・太田「日本のアニメじゃ、トップいってる意識ありますか?」

虚淵玄「いや…」

爆笑問題・太田「宮崎駿がなんだって」

虚淵玄「そもそも、作ってるものが違いますからね(笑)」

爆笑問題・太田「まぁ、そこ違うね。エヴァとかと比べてどう?」

虚淵玄「いやぁ…あんまり、周り見えてないんですよ(笑)」

爆笑問題・太田「眼中にないんだね。エヴァなんて。クソアニメだもんね」

爆笑問題・田中「クソアニメじゃないよ」

虚淵玄「ふふ(笑)アレまだ終わってないから、なんとも言えないですよね」

爆笑問題・太田「なるほどね」

虚淵玄「どう収拾つけてくれるんだっていうのはありますからね」

虚淵玄の自分のアニメへの意識

爆笑問題・太田「『一番新しい』って意識はあるでしょ?」

虚淵玄「いや、むしろ昔に遡っているつもりなんですよ」

爆笑問題・太田「『魔法少女まどか☆マギカ』が?」

虚淵玄「そうですね。80年くらいのアニメって、そんなのばっかりじゃなかったかなって」

爆笑問題・太田「たしかに設定自体は魔法少女ってあったけどね。セーラームーンとか、もっと昔はサリーちゃんから始まって」

虚淵玄「えぇ」

爆笑問題・太田「そういうもんだって安心して観てると、全然途中から違うんだよね」

通常の魔法少女モノとの違い

虚淵玄「一番大きいのは、魔法少女モノなんですけど、オモチャを売らなくて良いっていう。この縛りの無さが(笑)」

爆笑問題・田中「オモチャ売らなくて良いっていうのは?」

虚淵玄「たとえば、途中退場しちゃうキャラとかいるんですけど、これもしもねそのキャラの持っている武器がオモチャとかになってたら、絶対に許されないんですよ」

爆笑問題・田中「あぁ~」

虚淵玄「その子の持っている武器が売れなくなっちゃいますから」

爆笑問題・田中「うん、うん」

虚淵玄「そういう縛りが、魔法少女モノにはあるんですよね」

爆笑問題・太田「それを全部拒否した?」

虚淵玄「当然、深夜枠なんで、全くお構いなしにやれたっていう。好き放題なことができたんですよね」

爆笑問題・太田「虚淵さんの、一見可愛らしい萌え系のものなのかなって思ってると、ものすごいドロドロした残酷なものが根底に流れてますよね」

虚淵玄「ふふ(笑)そうですね。そういうのを作ってくれって、プロデューサーのオファーもあったんで、じゃあ容赦なくやっちゃおうかなっていうのはあったんですよね(笑)」

虚淵玄の小説/ハイパーSFについて

爆笑問題・太田「『鬼哭街』も読ませてもらったんですけど」

虚淵玄「あ、どうも」

爆笑問題・太田「『白貌の伝道師』もそうですけど、ハイパーSFって、あんまり日本じゃ、ね…」

虚淵玄「そうですね」

爆笑問題・太田「そんなに定着してないんですけど、アメリカのネビュラ賞なんか見てると、あのパターン多いですね」

虚淵玄「えぇ」

爆笑問題・太田「それこそ、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』とかの流れの、本格派ハイパーSFを書く人なんですよね?」

虚淵玄「あんまり日本独自の浪花節とか、そっち方面には行きづらいですよね」

爆笑問題・太田「ものすごい残酷だったり、哲学的だったり。やたら難しい考え方とか思想とかが出てきて。『PSYCHO-PASS サイコパス』なんかもそうじゃん。ものすごい哲学的なんだよね。本来は、そっちをやりたい人なんですかね?」

虚淵玄「そうなんですかねぇ~。あんまり意識はないんですよね(笑)」

爆笑問題・太田「意識はない?」

虚淵玄「その場その場で、思いついた一番面白いものを、ガンガン出していってるんで」

PSYCHO-PASS サイコパスの誕生秘話

爆笑問題・田中「『PSYCHO-PASS サイコパス』はどういう話なんですか?」

虚淵玄「アレはですね、踊る大捜査線の本広克行監督が、アニメに噛むよっていう企画で、それ面白そうだっていうんで参加しちゃったんです」

爆笑問題・太田「あぁ」

虚淵玄「Production I.Gっていう、攻殻機動隊とか作ってる会社さんで」

爆笑問題・田中「はい」

虚淵玄「近未来モノで、刑事モノで。しかも、刑事モノで本広克行さんっていえば、なんか出来そうじゃないですか」

爆笑問題・太田「評論家の宮崎哲弥さんも好きだって言ってましたね。これ確かに、衝撃的ですよ。設定がね」

虚淵玄「これも恐縮な話なんですけど、その場で思いついた話なんですよ(笑)」

爆笑問題・太田「その場で?!」

虚淵玄「本広克行さんと、初顔合わせの時に、『どんなアニメにします?』って話をしている間に、『攻殻機動隊とまんま同じになっちゃマズイよね(笑)パトレイバーもマズイよね』って話をしている内に、ポロっと出てきたアイデアで」

爆笑問題・太田「うん」

虚淵玄「おまわりさんが、持っている銃にこき使われる話はどうだろうかってネタを出したんですよ。銃そのものが物を考えて、おまわりさんの判断をそっちのけで『あいつは有罪だ』とか、勝手にやってしまう、そんな勝手な鉄砲を持たされたおまわりさんは大変だよねって発想で、そこから一気にバァーってネタが広がったんですね」

爆笑問題・太田「最終的にはさ…これは俺の勝手だけど、そこが入り口としても、『鬼哭街』もそうだけど、どんどん哲学的な話に触れていくよね」

虚淵玄「人文系の本を読んでいるワケじゃないんですけどね(笑)」

爆笑問題・太田「違うの?ニーチェとかルソーとか出てくるじゃん」

虚淵玄「いやぁ、ああいうの小難しくてイヤなんですよ」

爆笑問題・太田「じゃあ、なんで出すのよ?」

虚淵玄「サイコパスは、共同執筆している深見真さんに、ネタを全部振ってもらってるんですよ。『悪いやつほど、本を読んでるって面白いよね』ってネタで(笑)」

爆笑問題・太田「インテリなんだよね」

虚淵玄「えぇ。深見さんにネタを出してもらって組み込んでるんですけど、俺は意味は分かってないんですよ」

爆笑問題・太田「あぁ、そうなんだ(笑)」

爆笑問題・田中「そもそも、虚淵玄さんは、ストーリーを考える人ってことなんですかね?」

虚淵玄「まぁ、そうですね」

爆笑問題・田中「さらに、そういう共同執筆してくれる人もいて」

虚淵玄「お手伝いしてもらったりすることもあります」

虚淵玄の職業とは

爆笑問題・田中「元々は、小説家なんですか?」

虚淵玄「そうですね。ガキの頃は小説家になりたかったんですけど、それは一回、挫折しまして」

爆笑問題・田中「うん」

虚淵玄「たまたま入ったデザイン会社で、『1つゲーム作るぜ』ってことが言われまして」

爆笑問題・太田「ゲームね」

虚淵玄「『昔、作家志望でして』って売り込みして、脚本書けないこともないかもって話をして作り始めたんですね」

爆笑問題・田中「それを考えて、それがスゴイウケたんですかね?」

虚淵玄「結果的には、それなりにいったんですよね。主にネットの口コミとか、ろくな宣伝も打たずに、それなりに評価を得まして(ファントム ~ PHANTOM OF INFERNO ~)」

爆笑問題・太田「独特なんですよね、やっぱりね」

爆笑問題・田中「それがこうしてね、アニメで賞をもらったりだとか」

虚淵玄「えぇ」

虚淵玄が語る「魔法少女まどか☆マギカ」

爆笑問題・太田「他の作品も拝見させていただきましたけど、『魔法少女まどか☆マギカ』は、一個抜けてますよ」

虚淵玄「あぁ」

爆笑問題・太田「そんな感じあります?」

虚淵玄「自分一人で作ってるものでもないんで、脚本って設計図なんで、そこを元に何を作るかってところ、あると思うんですよね。『魔法少女まどか☆マギカ』に限って言えば、僕の想像の斜め上を行く映像にしてもらえたんで」

爆笑問題・太田「映像が?」

虚淵玄「映像としてのインパクトはデカイですよ」

爆笑問題・太田「あぁ」

虚淵玄「結構、『ファウスト』のモチーフの引用が出てくるんですけど、僕はファウスト読んだことないんで(笑)」

爆笑問題・太田「はっはっはっ(笑)」

虚淵玄「デザイナーさんの趣味なんですよね」

爆笑問題・太田「あぁ、そう?」

虚淵玄「キャラクターのシチュエーションをデザイナーさんの解釈で、『このモンスターは人魚姫のモチーフでいこう』だとか、そういう膨らませ方をしてもらってるんですよね」

爆笑問題・太田「相手が使う魔法のバリエーションなんかも、ものすごい斬新ですよね」

虚淵玄「あれは演出の根底の方のアイデアとか、デザイナーとかの発想で、どんどん膨らんでいくんですよ」

爆笑問題・太田「あぁ」

虚淵玄「そこがやっぱりアニメの楽しいところなんですよね」

爆笑問題・太田「総合野球なんですね」

虚淵玄「そうですね」

爆笑問題・太田「幸せな出会いがそこに結集したときに、いい作品ができるという」

虚淵玄「えぇ。やっぱり、コンテ見るときと、声優さんに収録してもらうスタジオのとき、二回幸せな瞬間がありますよ」

爆笑問題・田中「あぁ、そうか」

虚淵玄「こんな風に化けていくのかって」

爆笑問題・田中「『キャラクター、こういう風にいこうと思ってるんですけど』ってときに、『ちょっと違うんだよなぁ』ってときもありうるじゃないですか。その時は、やっぱり言うんですか?」

虚淵玄「いや、ケースバイケースですね。素材は素材で、その味を活かすのも断然いいですし、よほど『この組み合わせはヤバイですよ』ってときだけは進言しますけど、やっぱりそこはお料理勝負というか、出てきた食材で何を作るかっていうのが1つの発想ではありますね」

爆笑問題・太田「それと同時に、一方で、単純に今までの常識を打ち破るっていうのが『魔法少女まどか☆マギカ』だと思うんですけど」

爆笑問題・田中「どういうところが、常識を打ち破るの?」

爆笑問題・太田「それはネタバレなっちゃうもんね。起こり得ないんですよ。『この設定で、こんなことは起こり得ない』ってことが起こるんですよね」

爆笑問題・田中「へぇ」

爆笑問題・太田「それはね、エヴァの新しさもそうだったんだけど、ロボットを引きちぎったときに血が噴き出る斬新さみたいなの、そのもう一歩先にこのアニメがあるような気がするんですけどね」

虚淵玄「そうですねぇ…ただやっぱり、そもそも僕の手がけたゲームは、エ□ゲーだったんです。そっちの畑だと、魔法少女がヒドイ目に遭うっていうのは、割りとある話なんですよ」

爆笑問題・太田「そういうことか」

虚淵玄「だからよく言うんですけど、地元の郷土料理を普段みんなで食ってるんですけど、マンハッタンで屋台で売ってみたら大フィーバーみたいなね(笑)」

爆笑問題・太田「B級グルメみたいなものか」

虚淵玄「そんなもんですね。『故郷じゃ、みんなコレ食ってるんですけどね』って。意外と、街の皆さんは食ったことなかったっていう(笑)」

爆笑問題・太田「それは正しいな(笑)うんとマニアなものをメジャーにするためには、その料理の仕方必要だもんね。みんなに合わせていく。その入口をどこまで広く作れていくかですよね」

虚淵玄「えぇ」

爆笑問題・太田「その入口に入って安心していると、この玄ちゃんのものすごいコアな世界に連れてかれちゃうから。最後、イヤな気持ちで終わる(笑)」

虚淵玄「ふふ(笑)」

最近の深夜アニメ事情

爆笑問題・田中「この『魔法少女まどか☆マギカ』がものすごい指示された、最初は若い人たちが、夜中に見て『なんだコレは?』ってところから始まるわけですよね?」

虚淵玄「そうですね」

爆笑問題・田中「最近、やたらそういうアニメやってますけど、アレはどういう動きなんですかね?」

虚淵玄「なんなんですかね?夜中になってますよね」

爆笑問題・田中「アニメだと途中だし分からないし、別のチャンネルにしようってことが多いんだけど、そこで引っかかってくるものがあるんだろうなって」

虚淵玄「昔のゴールデンでやってた頃は、オモチャ屋さんとかプラモ屋さんをスポンサーにつけて、グッズで回していくっていう作りだったんですよね」

爆笑問題・田中「うん」

虚淵玄「今のアニメは、製作委員会でお金を出して、DVD、ブルーレイの売上で分配してっていうことで切り替わっているんで。今もバンダイさんがプラモを出したりとか、無いわけじゃないんですけど、昔ほどじゃないんですよね」

爆笑問題・太田「好きなことが出来るようになったんだよね」

虚淵玄「えぇ」

虚淵玄のシナリオの作り方

爆笑問題・田中「アニメのシナリオの作り方なんですけど、どこから作るんですか?」

虚淵玄「それもケースバイケースなんですけど、それこそ組む監督さん次第としか言い用がないんですよね」

爆笑問題・田中「『魔法少女まどか☆マギカ』のときは?」

虚淵玄「『魔法少女まどか☆マギカ』は、一番特殊な例なんですけどね(笑)とにかく、こんなコンセプトだっていうのをプロデューサーさんからお話もらって、出した企画書が通ったんで、『書いてみて』って書かされたんですね」

爆笑問題・田中「へぇ」

虚淵玄「それを会議で打ち合わせするんですけど、毎回、ダメ出しも出ないで、5分くらいで終わっちゃって『飲みに行こう』みたいな流れで、結構ビックリしたんです。めちゃくちゃ好き放題書かせてもらって(笑)」

爆笑問題・田中「うん」

虚淵玄「なんでこんなにやらせ放題にさせてくれたんだろうって、あとで監督に聞いてみたら、『アニメ慣れしてない脚本家に、変な脚本を書いてもらって、それを強引に映像にするのが、面白い映像になるだろう』って。それが『魔法少女まどか☆マギカ』の新房昭之さんで」

爆笑問題・田中「へぇ」

虚淵玄「本当に、あの人は変わったことばっかりしたがるんで」

爆笑問題・田中「じゃあ、虚淵玄さんが見て、『アニメでこの表現難しいから直して』っていうのを、言わずにあえて無理矢理にでもやってみようってことなんですか?」

虚淵玄「そういうことです」

爆笑問題・田中「まず信頼しなきゃ、いくらなんでもさ」

虚淵玄「逆にこっちが疑ってましたからね(笑)」

爆笑問題・太田「はっはっはっ(笑)騙されてんじゃないかって?」

虚淵玄「通ったけど、コンテで別の話になってんじゃね?って思って。半分諦めて出してたら、まんまのコンテで上がってきて」

爆笑問題・田中「あぁ」

虚淵玄「いやぁ、ナイわぁって思って(笑)」

爆笑問題・田中「ナイわぁって(笑)『魔法少女まどか☆マギカ』は特殊だとして、他の平均的なパターンとしては、まずコンセプトを『こういうアニメを作りたいんだ』ってことを言うんですか?」

虚淵玄「やっぱりそこは、一番話を聞かなきゃいけないのは監督ですね。監督のイマジネーションで『こんな画を作りたい、こんなシチュエーションで…』とかっていうのを。ただ、やっぱり映像の人なんで、イメージ優先で段取りとか脈絡とか、やっぱり二の次なんですよ。そこの面倒をみるのが、シナリオライターの役目なんですよね」

爆笑問題・田中「あぁ、そういうことか」

虚淵玄「『こういう段取り組んで、こんな流れにしたら、話が通って、あなたの撮りたい映像撮れますよ』って策を献上するんです。一応、軍師って言ってるんですけど」

爆笑問題・太田「そういう軽い感じで参加してるんだね(笑)」

虚淵玄「基本はそんな感じです」

爆笑問題・太田「『こういう作品がやりたい』ってことじゃないんだね」

虚淵玄「ついでに好き放題してますけどね(笑)」

爆笑問題・太田「スゴイ飄々としてるんだよね」

爆笑問題・田中「要は、本当にビジネスというか、『表現したいものがスゴイあって、目指すは手塚治虫で』とか、熱い感じじゃないんだね」

虚淵玄「そういう監督さんだとやりやすいですね」

爆笑問題・太田「監督さんがそういう人で、自分が軍師として」

虚淵玄「そうです」

爆笑問題・田中「ある意味、本当にプロですね」

爆笑問題・太田「野望はないんですか?」

虚淵玄「野望ね…とにかく、新しいこと、面白いことをガンガンやっていきたいなっていうのはありますね」

爆笑問題・太田「『魔法少女まどか☆マギカ』をやっちゃったら、これを超える斬新なものってなかなか何年か出てこない気がするんだけど」

虚淵玄「割りと自分は、作品そのものの評価って自分じゃちゃんと見てなくて、10年20年経って決まってくるんだろうなって気はしてるんですよね」

爆笑問題・太田「飄々としてるなぁ」

虚淵玄「自分の中の感覚として、『もっとビックリしたい/させたい』とか、『もっと面白いことをしたな』って手応えさえあればいいなぁって(笑)」

爆笑問題・太田「世間の評価じゃなくて?」

虚淵玄「えぇ。どっちかっていうと、そっちの感覚ですかね」

虚淵玄の好きな作家・アニメ

爆笑問題・田中「子供の頃から好きだった作家とかアニメとかあるんですか?」

虚淵玄「それはもちろん、いろいろですけど」

爆笑問題・太田「何が好きですか?」

虚淵玄「僕はガンダム直撃世代なんで、サンライズのロボットモノ、特にその中でも高橋良輔さんっていう方の暗いロボットモノ、『太陽の牙 ダグラム』とか『装甲騎兵ボトムズ』とか。その辺にハマり狂ってた少年時代でしたね」

爆笑問題・田中「1972年生まれ」

虚淵玄「えぇ」

爆笑問題・太田「エヴァンゲリオンは?」

虚淵玄「アレはどっちかっていうと、リバイバルというか。アニメ離れて社会人になった時に、また久しぶりに熱い物が出てきたなっていう、ちょっと戻ってきたって位置づけのアニメですよね。あれが直撃というか、『まぁ懐かしい』っていう」

爆笑問題・田中「エヴァが懐かしいって感覚なんだ?」

虚淵玄「懐かしい、ですね。昔あった興奮を、今のスゴイ画でもう一回見れる、みたいな。その興奮がありましたね」

爆笑問題・田中「ヤマトは?」

虚淵玄「ヤマトは、ヤバかったくらいです。小学生か幼稚園の頃ですけど。親父がちょっとプチ左翼入ってたもんで、ヤマト嫌いで嫌いで」

爆笑問題・太田「はっはっはっ(笑)」

虚淵玄「ホント、今考えるとヒドイですよ。さらば宇宙戦艦ヤマトとか、『これ見て泣かなかったらオモチャ買ってやる』とか言われて、必死こいて泣かないように頑張ったのに、結局最後、泣いちゃって(笑)」

爆笑問題・太田「買ってもらえなかった(笑)」

虚淵玄「あの挫折感といったらね」

爆笑問題・田中「太田さんが好きな、『未来少年コナン』とか『カリオストロの城』とかは?」

虚淵玄「コナンとかは観てなかったですね。あの頃って、テレビ好き放題にならないじゃないですか(笑)ウチの親は、アニメにあまり理解がなかったんじゃないですかね」

爆笑問題・太田「ふふ(笑)」

虚淵玄「アニメのサントラとか聴いてると、『そんなのは音楽じゃねぇ。これを聴け』って、『頭脳警察』のカセットを持ってきたりとかして(笑)」

爆笑問題・田中「へぇ」

虚淵玄「『さっぱり分かんねぇ』って言いながら聴いてて」

爆笑問題・太田「変わったお父さんですね」

虚淵玄「思い出すほどに頭にきますね(笑)」

爆笑問題・田中「それは今に影響してると思うよ」

爆笑問題・太田「…宮崎駿アニメに対する『やっつけてやろう』みたいなのはないんですか?デカイでしょ?宮崎駿への対抗心とかはないんですか?」

虚淵玄「自分の中では、宮崎駿さんといえばルパンのラストの方だったりとか。あの辺の画なんで、あんまりファミリー向けになってからはそんなにガッツリ観てないですね」

爆笑問題・太田「うん」

虚淵玄「ただ、ハウル以降はまた一皮剥けて、面白い人になっちゃったのかなぁって気はするんですけどね」

爆笑問題・太田「そうなんだ」

虚淵玄「清く正しい物語を作ろうっていうプレッシャーは、宮崎駿さん個人にはもう気にしなくなっちゃったのかな、と。周りの人たちは意識してる節もあるし、そういう方向で持ち上げようって感じはありますけど、それを振り払って好き勝手やってるなぁってイメージですね」

爆笑問題・太田「逆に面白いことになっている、と」

虚淵玄「ハウルとかめちゃくちゃだったじゃないですか(笑)」

爆笑問題・太田「そういう見方なんだなぁ」

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