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三遊亭円楽、先代の五代目円楽から教えられた「落語はなくていい商売」という言葉の意味を語る「それを悟られるんじゃねぇぞ」

2018.10.16 (Tue)
2018年10月16日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光とらじおと』(毎週月-木 8:30-11:00)にて、落語家・三遊亭円楽が、先代の五代目円楽から教えられた「落語はなくていい商売」という言葉の意味を語っていた。



伊集院光:僕が、師匠のところで育ってよかったなって思うのは、落語家の師匠達って、基本的には「盗め」って世界じゃないですか。きちんと教えるってよりも、理論的なことよりも、それこそ先代の円楽師匠は、「ここでお客さんをボーンッとつかんだら、グググッときて、ドカーンッ!」って人じゃないですか。

三遊亭円楽:擬音でおどかす人ね。

伊集院光:擬音で教える人だけど、ウチの師匠は「ここ3分間、ギャグが入ってないところに、若手はつい自分のギャグを足したがるけど、ここは理由なく入ってないんじゃない。3分10秒後のこのギャグまで、笑いに飢えさせて、飢えさせてだから、ここに何か入れちゃいけない」みたいな。授業みたいな人なの。

中村仁美:わかりやすいですね、しかも。

三遊亭円楽:教えるとね、つい授業になっちゃうんですよ。普通の稽古って、自分がやってみせて、「覚えた?あ、そう」って聞いて、「これでいいよ」って、ある程度のレベルに達してたら、やっていいなんだけど。

伊集院光:うん。

三遊亭円楽:気づきがないんですよ、落語に対する。「なんでここに、このセリフがあるか」ってことを教えてあげないと、ただ黙ってやってるから。

伊集院光:うん。

三遊亭円楽:そしてね、一番の教えはね、晩年のウチの師匠の教えだね。

伊集院光:はい。

三遊亭円楽:「いいか、お前。今は映画もあるしね、娯楽といったらね、何をしようと思ってもね、いくらでもあるんだよ。だからな、落語なんてのは、なくてもいい商売なんだ。なくてもいい商売なんだから、悟られるんじゃねぇぞ」って言ったのよ。

伊集院光:ああ。

三遊亭円楽: これは名言だね。世の中、なくたっていいものって、いっぱいあるわけですよ、考えたら。

伊集院光:はい、はい。

三遊亭円楽:ですけど、それを悟られないで、「やっぱり聴きたい、面白い」って部分をちゃんと前へ出してって、お客さん引っ張ってくりゃいいんだよ、と。だから、それだけ詐術を含めて、騙せるだけの技術をつけなさい、そしてバリューを持ちなさい
、と。

伊集院光:うん。

三遊亭円楽:だから俺は、正月言ったように、うーん、もっと上手くなりたい。

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