赤江珠緒・ピエール瀧、吉村昭の小説『漂流』を絶賛「究極のサバイバル」
2018.05.19 (Sat)
2018年5月17日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『たまむすび』(毎週月-金 13:00-15:30)にて、フリーキャスターの赤江珠緒、電気グルーヴのピエール瀧が吉村昭のサバイバル小説『漂流』について語っていた。
赤江珠緒:人間社会って難しいよ、瀧さん。
ピエール瀧:まぁ、難しいっちゃ…
赤江珠緒:私ね、先週、瀧さんがおっしゃってた、吉村昭さんの『漂流』。
漂流


ピエール瀧:ああ、『漂流』?
赤江珠緒:読みましたもん。
ピエール瀧:ああ、読みました?凹むっしょ(笑)
赤江珠緒:もうあれさ、凄いよね。
ピエール瀧:はっはっはっ(笑)ガンガン凹むよね。
赤江珠緒:なんだろう、ホラーとかじゃないんだけど、実話で、江戸時代にたまたま船流されてしまった…
ピエール瀧:実話っていうか、そういう文献が発見されて。
赤江珠緒:文献が発見されて、で、漂流してしまった人たちっていうですね。
ピエール瀧:うん。
赤江珠緒:八丈島よりも、さらに南の方の、黒潮に乗っちゃって。
ピエール瀧:うん。
赤江珠緒:とんでもなく日本から離れて、アホウドリしかいない島に流れ着いたっていうね。
ピエール瀧:はい。
赤江珠緒:皆さんがどうやって生きてたかっていう話で。
ピエール瀧:生き残ったかって話。
赤江珠緒:その小説ですけども。なんかさ、何とも言えない怖さがあるよね。
ピエール瀧:恐ろしいよね(笑)
赤江珠緒:恐ろしいよね、アレ(笑)なんだろう、「生きるって、怖っ」って思う、なんかあるね。
ピエール瀧:はい。
赤江珠緒:なんて頼りないところを生きてるって言うか、なんかこうねぇ。死と生って、本当に境目が薄いというか、「怖っ」って思うんですよね。
ピエール瀧:そうね。
赤江珠緒:それでさ、しかもその限られた孤島の中で、もう出られないし、段々弱っていった人から、亡くなっていったりするじゃない。
ピエール瀧:亡くなっていきますね。
赤江珠緒:亡くなっていく様も、とてもあの怖いし、可哀想なんだけれども、残される側もまた恐怖っていうね。
ピエール瀧:はい。生き残るの、音吉じゃなくて…
赤江珠緒:生き残るのはね、長平さん。長平さんが生き残っていってね。音吉とかね、友達が死んでいっちゃうのよね。そうするとね、怖いのよ。
ピエール瀧:怖いですね。
赤江珠緒:でも、あれ読むとね、人間の群れで、人間社会の色々ありますけど、あってよかったと思うよね。
ピエール瀧:ああ、まぁね。
赤江珠緒:1人になったときの怖さ。人間関係の自分が悩んでることとか、どうでもいいっていうか、そういう気分にもなりません?あれ。
ピエール瀧:まぁ、そうですね。それもあるし、何人かでこう本当に流れついた島が水もない。
赤江珠緒:そう。川もない。
ピエール瀧:木も生えていない。
赤江珠緒:アホウドリしかいないっていう(笑)ただ、アホウドリだけは大量にいるっていう(笑)
ピエール瀧:ふふ(笑)何十万単位でアホウドリだけいるっていう島に流れつく。そこで何人かで暮らしていく中で、フラストレーションとか溜まったりとかしていくと、ケンカというか、暴力みたいなやつっていうか。
赤江珠緒:そう、そう。で、普段は頼りになっていた船の長みたいな人が意外ともろくなっちゃったりとかね。なんかね、そういうギリギリのところの人間の様みたいなのも見えるし、そしてまたさ、アホウドリも最初は、人が全くいない無人の島だったから、どんどん掴まえに行っても逃げないんだよね。
ピエール瀧:逃げないですね。
赤江珠緒:横で撲殺されているアホウドリがいてもボーッとしてるんだけど、何年か経ってるうちに、アホウドリも覚えてくる(笑)
ピエール瀧:ちょっとだけ警戒しはじめるっていう(笑)
赤江珠緒:くちばしでつついてきたりするっていう。そういう自然の微妙な流れみたいなのもあったり。で、渡り鳥だから先週おっしゃったみたいに、1年ごとに…
ピエール瀧:そうなんです、渡っちゃったりっていうのあったり。
赤江珠緒:ごっそりいなくなっちゃうから。それまでに肉を確保しなきゃとか(笑)
ピエール瀧:っていう話とかね(笑)で、まさかの火打石もないから、火も起こせないっていう(笑)
赤江珠緒:そう、そう(笑)
ピエール瀧:火も起こせないまま、火がないまま数年暮らすっていう。
赤江珠緒:ねぇ(笑)
ピエール瀧:凄いっすよね。
赤江珠緒:凄いですよね。本当に、究極のサバイバルっていうか。
ピエール瀧:よく読みましたね、アレ(笑)
赤江珠緒:はっはっはっ(笑)元々、『羆嵐』も好きで。
羆嵐


ピエール瀧:ああ。
赤江珠緒:吉村昭さんの本は。やっぱりあの筆が素晴らしいですよね。
ピエール瀧:いやぁ、「あんな読みやすい文章ってあります?」ってくらい読みやすい。
赤江珠緒:読みやすいんですよね。グイグイ引き込まれちゃって。どうしましょうっていう。自分だったらすぐ死ぬなっていう(笑)
ピエール瀧:いやいや本当にね。あれで、長平さんっていうね、人が島で1人になっちゃう瞬間があるんですよね。
赤江珠緒:はい、そう。
ピエール瀧:そこで本当に捨て鉢になっちゃって、「もういいや。どうでもなれ」って思ったりもするんだけど、「いや、いかん」と。
赤江珠緒:うん。
ピエール瀧:なんとか生き伸びてみようと思って。本当、会話する人もいなくなっちゃって、毎日、念仏を唱えて暮らすっていう(笑)
赤江珠緒:そう、そう(笑)
ピエール瀧:それを聞くと、念仏というか…
赤江珠緒:心の支えというかね。
ピエール瀧:念仏くらい覚えておいた方がいいのかなって。もう般若心経くらい、やっぱりちゃんと、空で言えるくらい覚えた方がいいのかなって(笑)
赤江珠緒:たしかにそうですよ。
ピエール瀧:そういうふうに、ちょっと思いましたけどね。
赤江珠緒:うん、半分くらい言えるけどね(笑)
ピエール瀧:その状況で半分になった時に、「うわ、全部知りてぇ」って話になって(笑)
赤江珠緒:いやぁ、本当よ。凄くね、考えさせられるし衝撃受けて面白かった。
漂流


赤江珠緒:人間社会って難しいよ、瀧さん。
ピエール瀧:まぁ、難しいっちゃ…
赤江珠緒:私ね、先週、瀧さんがおっしゃってた、吉村昭さんの『漂流』。
漂流
ピエール瀧:ああ、『漂流』?
赤江珠緒:読みましたもん。
ピエール瀧:ああ、読みました?凹むっしょ(笑)
赤江珠緒:もうあれさ、凄いよね。
ピエール瀧:はっはっはっ(笑)ガンガン凹むよね。
赤江珠緒:なんだろう、ホラーとかじゃないんだけど、実話で、江戸時代にたまたま船流されてしまった…
ピエール瀧:実話っていうか、そういう文献が発見されて。
赤江珠緒:文献が発見されて、で、漂流してしまった人たちっていうですね。
ピエール瀧:うん。
赤江珠緒:八丈島よりも、さらに南の方の、黒潮に乗っちゃって。
ピエール瀧:うん。
赤江珠緒:とんでもなく日本から離れて、アホウドリしかいない島に流れ着いたっていうね。
ピエール瀧:はい。
赤江珠緒:皆さんがどうやって生きてたかっていう話で。
ピエール瀧:生き残ったかって話。
赤江珠緒:その小説ですけども。なんかさ、何とも言えない怖さがあるよね。
ピエール瀧:恐ろしいよね(笑)
赤江珠緒:恐ろしいよね、アレ(笑)なんだろう、「生きるって、怖っ」って思う、なんかあるね。
ピエール瀧:はい。
赤江珠緒:なんて頼りないところを生きてるって言うか、なんかこうねぇ。死と生って、本当に境目が薄いというか、「怖っ」って思うんですよね。
ピエール瀧:そうね。
赤江珠緒:それでさ、しかもその限られた孤島の中で、もう出られないし、段々弱っていった人から、亡くなっていったりするじゃない。
ピエール瀧:亡くなっていきますね。
赤江珠緒:亡くなっていく様も、とてもあの怖いし、可哀想なんだけれども、残される側もまた恐怖っていうね。
ピエール瀧:はい。生き残るの、音吉じゃなくて…
赤江珠緒:生き残るのはね、長平さん。長平さんが生き残っていってね。音吉とかね、友達が死んでいっちゃうのよね。そうするとね、怖いのよ。
ピエール瀧:怖いですね。
赤江珠緒:でも、あれ読むとね、人間の群れで、人間社会の色々ありますけど、あってよかったと思うよね。
ピエール瀧:ああ、まぁね。
赤江珠緒:1人になったときの怖さ。人間関係の自分が悩んでることとか、どうでもいいっていうか、そういう気分にもなりません?あれ。
ピエール瀧:まぁ、そうですね。それもあるし、何人かでこう本当に流れついた島が水もない。
赤江珠緒:そう。川もない。
ピエール瀧:木も生えていない。
赤江珠緒:アホウドリしかいないっていう(笑)ただ、アホウドリだけは大量にいるっていう(笑)
ピエール瀧:ふふ(笑)何十万単位でアホウドリだけいるっていう島に流れつく。そこで何人かで暮らしていく中で、フラストレーションとか溜まったりとかしていくと、ケンカというか、暴力みたいなやつっていうか。
赤江珠緒:そう、そう。で、普段は頼りになっていた船の長みたいな人が意外ともろくなっちゃったりとかね。なんかね、そういうギリギリのところの人間の様みたいなのも見えるし、そしてまたさ、アホウドリも最初は、人が全くいない無人の島だったから、どんどん掴まえに行っても逃げないんだよね。
ピエール瀧:逃げないですね。
赤江珠緒:横で撲殺されているアホウドリがいてもボーッとしてるんだけど、何年か経ってるうちに、アホウドリも覚えてくる(笑)
ピエール瀧:ちょっとだけ警戒しはじめるっていう(笑)
赤江珠緒:くちばしでつついてきたりするっていう。そういう自然の微妙な流れみたいなのもあったり。で、渡り鳥だから先週おっしゃったみたいに、1年ごとに…
ピエール瀧:そうなんです、渡っちゃったりっていうのあったり。
赤江珠緒:ごっそりいなくなっちゃうから。それまでに肉を確保しなきゃとか(笑)
ピエール瀧:っていう話とかね(笑)で、まさかの火打石もないから、火も起こせないっていう(笑)
赤江珠緒:そう、そう(笑)
ピエール瀧:火も起こせないまま、火がないまま数年暮らすっていう。
赤江珠緒:ねぇ(笑)
ピエール瀧:凄いっすよね。
赤江珠緒:凄いですよね。本当に、究極のサバイバルっていうか。
ピエール瀧:よく読みましたね、アレ(笑)
赤江珠緒:はっはっはっ(笑)元々、『羆嵐』も好きで。
羆嵐
ピエール瀧:ああ。
赤江珠緒:吉村昭さんの本は。やっぱりあの筆が素晴らしいですよね。
ピエール瀧:いやぁ、「あんな読みやすい文章ってあります?」ってくらい読みやすい。
赤江珠緒:読みやすいんですよね。グイグイ引き込まれちゃって。どうしましょうっていう。自分だったらすぐ死ぬなっていう(笑)
ピエール瀧:いやいや本当にね。あれで、長平さんっていうね、人が島で1人になっちゃう瞬間があるんですよね。
赤江珠緒:はい、そう。
ピエール瀧:そこで本当に捨て鉢になっちゃって、「もういいや。どうでもなれ」って思ったりもするんだけど、「いや、いかん」と。
赤江珠緒:うん。
ピエール瀧:なんとか生き伸びてみようと思って。本当、会話する人もいなくなっちゃって、毎日、念仏を唱えて暮らすっていう(笑)
赤江珠緒:そう、そう(笑)
ピエール瀧:それを聞くと、念仏というか…
赤江珠緒:心の支えというかね。
ピエール瀧:念仏くらい覚えておいた方がいいのかなって。もう般若心経くらい、やっぱりちゃんと、空で言えるくらい覚えた方がいいのかなって(笑)
赤江珠緒:たしかにそうですよ。
ピエール瀧:そういうふうに、ちょっと思いましたけどね。
赤江珠緒:うん、半分くらい言えるけどね(笑)
ピエール瀧:その状況で半分になった時に、「うわ、全部知りてぇ」って話になって(笑)
赤江珠緒:いやぁ、本当よ。凄くね、考えさせられるし衝撃受けて面白かった。
漂流
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