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伊集院光、『ソラリス』をテーマにした『100分de名著』で島津アナたち共演者を「ドン引き」させた発言「ヤギのバケモンが…」

2017.12.12 (Tue)
2017年12月11日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00-27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、NHK・Eテレで放送された番組『100分de名著』で島津アナたち共演者を「ドン引き」させた発言をしてしまったと明かしていた。

伊集院光の今週末この映画を借りて観よう vol.1
伊集院光の今週末この映画を借りて観よう vol.1

伊集院光:最も僕の薄気味悪い部分を出していいのは、恐らくこの深夜ラジオだと思ってます。僕の本当の薄気味悪い部分。

で、最も出しちゃいけないのが、NHK教育、Eテレだと思ってます。でも、Eテレでやってる『100分de名著』っていう番組の途中、途中になんかそのさぁ…『100分de名著』は、古典的な名著、流行り廃り関係ない、『吾輩は猫である』とか、名著を大学の専門…その名著に関しての日本での1、2の権威みたいな人がきて。

「この名著は、どう読み解くべきなのか」っていうのを、講義してくださる。しかも、そのテキストがあって、毎月、テキストがあるんだから、そのための。4週に渡って、一個の名著を紐解くにあたって、テキストがあるんです。

この番組、テキストなんか作っても、そのとおり喋んねぇじゃん、どうやったって(笑)本番始まる40秒前に喋ろうって言ったことを、全く喋ってないから(笑)もう、驚きもしないよね、前に座ってる渡辺君って男は、「今日、こんなこと喋ろうと思ってるんだ。でいて、その後、こういうコーナーにいって」みたいなのを、コントロールする役ですけど、一切、コントロールを諦めてますから。

スポーツジムに行った話は、どこに行ったんだよ。メガネを作りに行ったり、スポーツジムに行ったりの話をするって、本番の40秒前…あと、スペシャルウィークだから、メールで喋って欲しいことを受け付けんじゃなかったのかよ(笑)

…で、『100分de名著』の話をするなんて、聞いてないでしょ。だから、テキストとか作れませんけど、『100分de名著』の方は、先生とNHKの島津さんってアナウンサーさんがコントロールしてるから、「基本的には、こういう講義をしようと思ってます」っていう、テキストを出してて、それを見ながら名著に詳しい人とかが「なるほど、そういう解釈なのね」みたいな。

「あの部分の文章には、こういうことが入ってんのね」って、「時代背景と照らし合わせると、こういう意味があるのね」っていうのを、読み解いていく、みたいな番組なの。

そんな真面目な番組なんだけど、その名著の力が強すぎて、ちょいちょい気持ち悪ぃこと言うし、それがオンエアされるってことがあって、「ああ、変なこと言ったな」って思うの。

前の時、カフカの『変身』かなんかの時に、すっかり自分のどす黒い部分。朝起きたら、自分が役に立たねぇ害虫になってました、みたいな話っていうのは、自分が学校に行かなくなった時の感じに似てる、みたいなことを、NHKのカメラの前で語りだし、それがオンエアされるっていう、辱めにあったりとか。

フランケンシュタイン博士の作った怪物の、醜さみたいなのにすげぇ感情移入をして。熱く語りはじめて、引かれる、それがオンエアされる、みたいなことがあるんだけど。

今回、『ソラリス』っていう映画『惑星ソラリス』みたいになったと思うんだよね。しかも、古い白黒のやつと、わりと新しめのがあると思うんだよね。それで、俺が中学生くらいの時に、「うわ、難しい上映会だな」って時に、白黒の『惑星ソラリス』みたいなのが入ってて、「大人が見るすげぇ難しそうな映画だな」って思ってた、その『惑星ソラリス』の原作の『ソラリス』っていう、古いSF小説みたいなのを四夜に渡ってやってて。

今までオンエアされた分、ざっくり言うとね、ソラリスっていう惑星が未来に見つかりました、と。そこへ探査挺が行きます、と。で、ソラリスって惑星は、表面がゲル状の海みたいなので包まれてて、大陸がありません、と。

でいて、なんかソラリスをずっと研究していくにあたって、なんだか分からないけど、海自体が生き物なんじゃねぇか、みたいな。海自体がなにか、いわゆる地球の海とは違うものなんじゃねぇか、と。

で、ソラリスの上空に宇宙ステーションみたいなの浮かべて、そこで研究してる学者が3人かな、3人いる、と。で、その3人の調子が悪くなったかなんかで、地球からもう1人派遣される奴がいて。そいつが精神医学かなんかやってる奴で、その主人公の奴が派遣されるわけ。

そうすると、まず3人いたはずなのになぜかいない。あと、もう1人は部屋の中にこもったっきりで、一切、出てこない。もう1人は、凄い疲れてて、多少話をしてくれる、みたいな3人います。

で、とにかく「見れば分かる」ってことだけ言われて、夜、寝て。夜、宇宙船の中で2 mくらいのデカイ黒人の女に会う、と。「なんだありゃ?」って思う、と。さらには、引きこもってる奴の部屋から、子供の声が聞こえる、と。何なんだ、と。

で、自分寝ちゃって起きたら、昔、付き合ってた女なのか、結婚してんのかは言わないんだけど、昔、自分と付き合ってた女で、すでに自殺した女がいるっていう…ってところから始まる、すでにシュールな話なわけ。

で、これを淡々と大学教授の先生が教えてくれて。「へぇ、そうなんだ」って、ちょっと面白そうだなって思いながら。で、それは「自分が幻覚見てんのかな?」って思うじゃん。「幻覚、見てるんじゃねぇの?」って思うんだけど、それは幻覚じゃなくて、物質としてそこにいるから、他人からも見える、と。

で、その唯一喋ってくれる人も、「ああ、見たのね」みたいな。「ああ、そう」みたいな感じになっちゃって。ちょっと面白い表現だったのは、「どうやらこれは、俺の記憶から作り出されてるっぽいな」っていう。

「記憶を物質化してるっぽいな」っていう。何がどうしてかは分からないけど、記憶を物質化する何かが、恐らくソラリスと関係ある物質がそういうことをしてるって。なぜならば、あんまりよく覚えてないこと。彼女の洋服のボタンがどうなってるとか、背中のファスナーがどうなってるみたいな、自分が一回も覚えてないことがないっていう。

一個ずつ、「ああ、そうなんですか」って、「ちょっと面白い話だな」って思って聞いてんだけど。途中で先生が、「とにかく一番分かりにくいところだと思いますが」って前フリをして始めたのが、「これはなんなの?」って話をした時に、あんまり話してくれない人が、「どうやら自分の記憶の中からものにして、物体化して送り込んできてるらしい」と。「宇宙船の中に送り込んできてるらしい」って話を始める、と。

「お前なんかまだ、そういう思い出の女だからいいけど、俺なんて、ヤろうかどうか迷って、ヤらなかった方の選択肢の奴が出てんだから」って言うのね(笑)

よく分からないの(笑)「なに?なに?」っていう(笑)「お前は実際の記憶の奴が出てるからいいけど、実際のそういう奴が出てるからまだマシだけど、俺なんかそういうわけではないから」って。「そういう方が厄介なんだって。本当にいた奴じゃない方がすげぇキツイんだって」って。

そいつが見えてる奴は、チョロチョロっと出るらしいんだけど、すぐ隠すから。小さい物がなんか出てんだけど、そいつがすぐ隠すから、ちゃんとキャッチできないんだって。そうすると、「あの2 mっていうのは、もういなくなってる奴の記憶だ」って分かって。引きこもりの奴は、誰にも知られたくない何かを実物化して送られてるから、子供の声のする何か…が、どうやら部屋の中にいるって、気持ち悪い話になってくるわけ。

で、先生が昔、「自殺した女が出る」ってパターンよりも、より始末の悪い奴の話を一生懸命しようとするんだけど、俺、すぐピンときて。俺、高校行けなくなって、かなり自分の中で心がやべぇことになってる時に、いつもヤギのバケモンが「この世の中を端から食えばいい」って思ってて、いつも(笑)

この世の中をヤギのバケモンが…俺だけがヤギだって分かるから、ヤギみたいな間抜けな格好はしてないんだけど、ヤギのバケモンが「端からこの世の中を食えばいい」って思ってた、アレが出るってことだってことを、先生に…要は、本当に会った奴より始末が悪いのは、そういうことで。

妄想だったり、「世の中、こんな奴がいたら終わりだ」って思ってるような奴が送り込まれて、一番心の中の出て欲しくない奴が、どうやらソラリスによって実物化されてくるわけだから。

俺、すぐに分かって、その先生が言おうとしてることが、「そういうことですよね?俺が高校の頃、にっちもさっちも行かなくなって、いつも『こんな世の中、俺の想像上のヤギの怪獣に、端から全部食われればいい』と思ってた、アレが宇宙船に来るんですよね?」って話になって。

先生がドン引き(笑)あんなに学のない奴に理解させようと思って、丁寧に話す気満々だった先生が、「うん、そういうこと」って言ったまま、多少引きながら。どうやら、オンエアされた部分はそこの部分くらい。もちろん、NHKの島津アナ、可愛らしいママであり、アナウンサーでありの島津アナは、グン引きでしたね(笑)もう、ゲロ引きですよ。そういう状態になってまして。

彼女たちも、先生もプロですから、どれくらい引いた表情されたか分かりませんけど、短く編集はされたものの、「ヤギの怪獣が来て」って話は、オンエアされたらしいんですけど(笑)

スタニスワフ・レム『ソラリス』 2017年12月 (100分 de 名著)
スタニスワフ・レム『ソラリス』 2017年12月 (100分 de 名著)

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タグ : 伊集院光,ソラリス,100分de名著,

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