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古舘伊知郎、桂歌丸が酸素吸入しながらも見事な落語を披露したことに感動「『全身噺家』とはこのこと」
2017.03.20 (Mon)
2017年3月17日放送のニッポン放送系のラジオ番組『古舘伊知郎のオールナイトニッポンGOLD』(第三金曜 22:00-24:00)にて、フリーキャスターの古舘伊知郎が、落語家・桂歌丸が酸素吸入をしながらも見事な落語を披露したことに感動したと語っていた。
SWITCH Vol.34 No.12 古舘伊知郎

古舘伊知郎:この前の日曜日、横浜の関内ホールに行って…歌丸さん。歌丸さん、吸入の酸素を送る管を鼻に入れながらの、高座を務めて。トリをとって。その前が、鶴光さんでね。
鶴光さんは、落語が上手いの有名で、『オールナイトニッポン』の鶴光だけじゃないのは知ってましたけど、久々に聴いたら、メッチャ面白かった。
それでその後に、今度は歌丸さんなの。早く行って待ってた。そうしたら、歌丸さんは車椅子で入ってこられてね。僕が、鶴光さんと歌丸さんの二人が大きなパーテーションで分けている楽屋に入って行った時、正直言って、30 kg台の歌丸さんが、めっちゃ小さく見えた。
それで、言葉少なで「あ、古舘さんご無沙汰しています。よろしく」だった。それで、僕がインタビュー。トークが始まった、その楽屋で、畳敷きのところで。その瞬間、声が若干大きくなる。それで、「歌丸引退決意か」みたいなスポーツ新聞にも見出しが躍ってましたけどね。そんなことを言っちゃったら、つや消しじゃない。それは、見てのお楽しみ。木戸銭は、観てからいただきますから…どういうことかわからない(笑)だから、明日、観てもらいたいんだけど。
その前後の話をするけどね。インタビューが終わって、明日、面白くなってると思いますよ。終わって今度は、「本番前にごめんなさい。高座の前に」って、僕がね、客席の隅で観させていただいたんですよ。
声がすこぶる大きいんだよ。森友学園の話もしましたしね、古典のね、『竹の水仙』っていう素晴らしい演目をやってくれましたしね。これ、『火焔太鼓』とストーリーが一部ね、重なってくるような人情の良い話なんだ、夫婦の機微のね。
そういう話もやり、声はデカくて。本当に、遠くで観てるから、酸素を入れてるなんて、全く分からない。見事だね。「全身噺家」とは、このことだよ。本当に感動した。そうしたら、その後に、終わって追い出しというのがかかってさ。
段帳だか、幕が下りるでしょ。そしたら下りないで、「やめろ」みたいな指示が下手の方向に向かって。それで、音がやんだんだよ。そうしたら「今日一方、ゲストが来てくれて。さっきインタビューをしてくれたんだよ、皆さん。ちょっと、ステージに呼びましょう」って、いきなり「古舘伊知郎さん」と呼ばれたんだよ。
「えっ!?」と思って、めちゃ嬉しくて。恐る恐る立ったら、万来の拍手。「イケてるな」と思ったら、ホップ・ステップ・ジャンプで行っちゃって。もの凄い軽やか。それで、ステージに上って。高座の横に座るわけにはいかないよ。座布団がないからって、横に座るわけにはいかない、生意気で。
それで、立ちっぱなし。だいたいね、革靴を履いて上っていること自体も、申し訳ないと思うんだからさ、こっちとしてみたらね。
俺、プロレスのリングも、インタビューする時は、革靴をエプロンサイドに脱いでから上ったから。そういうのやっぱり気になるんだよ。でも、たまたま革靴で上っちゃった。そしたら、「本当に今日、古舘さんがインタビューしてくれました。どうしたか?」なんて、歌丸さんに感想を求められて、「皆さん、凄いと思いませんか?」って。「声が大きくて、インタビューの時以上に声がデカくて」なんて話して。
で、俺もなんかウケとらなきゃって、イヤらしい気持ちが働いて。「今日のお話、水仙のお話、いかがでしたか?やっぱりウケましたか、最高。はい、山田君、座布団500枚」って言ったら、ウケましたよ。
そんな話して、もっと喋ろうとしたら、歌丸さんもさすがに、「もう、そろそろ追い出し」って言って、俺の喋り、シメに入って。俺は、「じゃあここで膝まづこう」と思ったら、「ダメ、立ってて良いから、古舘さん」って言われて。
「そんなこと、僕は一緒に膝まづいて座らないと」って言ったら、「いい、立ったままでいいの。あなたは噺家ではないから」って言われて、幕が下りるまで、ずっと二人でおじきして。
最後、追い出しまで一緒にさせてもらった、栄光に預かった私が、最後、歌丸さんが車椅子で移動して、ご自分の車で帰る時は、ちゃんと俺は出待ちの状態で、外で先回りして待っていて。歌丸さん、ちゃんと乗るまで見送ったんだよ。
やっぱり、その時は物凄く小さく見えた。だから、舞台で鬼のような、言ってみれば阿修羅像じゃないけど、阿修羅のように頑張っている人っていうのは、舞台では声も大きいし、体もデカイ。
SWITCH Vol.34 No.12 古舘伊知郎

古舘伊知郎:この前の日曜日、横浜の関内ホールに行って…歌丸さん。歌丸さん、吸入の酸素を送る管を鼻に入れながらの、高座を務めて。トリをとって。その前が、鶴光さんでね。
鶴光さんは、落語が上手いの有名で、『オールナイトニッポン』の鶴光だけじゃないのは知ってましたけど、久々に聴いたら、メッチャ面白かった。
それでその後に、今度は歌丸さんなの。早く行って待ってた。そうしたら、歌丸さんは車椅子で入ってこられてね。僕が、鶴光さんと歌丸さんの二人が大きなパーテーションで分けている楽屋に入って行った時、正直言って、30 kg台の歌丸さんが、めっちゃ小さく見えた。
それで、言葉少なで「あ、古舘さんご無沙汰しています。よろしく」だった。それで、僕がインタビュー。トークが始まった、その楽屋で、畳敷きのところで。その瞬間、声が若干大きくなる。それで、「歌丸引退決意か」みたいなスポーツ新聞にも見出しが躍ってましたけどね。そんなことを言っちゃったら、つや消しじゃない。それは、見てのお楽しみ。木戸銭は、観てからいただきますから…どういうことかわからない(笑)だから、明日、観てもらいたいんだけど。
その前後の話をするけどね。インタビューが終わって、明日、面白くなってると思いますよ。終わって今度は、「本番前にごめんなさい。高座の前に」って、僕がね、客席の隅で観させていただいたんですよ。
声がすこぶる大きいんだよ。森友学園の話もしましたしね、古典のね、『竹の水仙』っていう素晴らしい演目をやってくれましたしね。これ、『火焔太鼓』とストーリーが一部ね、重なってくるような人情の良い話なんだ、夫婦の機微のね。
そういう話もやり、声はデカくて。本当に、遠くで観てるから、酸素を入れてるなんて、全く分からない。見事だね。「全身噺家」とは、このことだよ。本当に感動した。そうしたら、その後に、終わって追い出しというのがかかってさ。
段帳だか、幕が下りるでしょ。そしたら下りないで、「やめろ」みたいな指示が下手の方向に向かって。それで、音がやんだんだよ。そうしたら「今日一方、ゲストが来てくれて。さっきインタビューをしてくれたんだよ、皆さん。ちょっと、ステージに呼びましょう」って、いきなり「古舘伊知郎さん」と呼ばれたんだよ。
「えっ!?」と思って、めちゃ嬉しくて。恐る恐る立ったら、万来の拍手。「イケてるな」と思ったら、ホップ・ステップ・ジャンプで行っちゃって。もの凄い軽やか。それで、ステージに上って。高座の横に座るわけにはいかないよ。座布団がないからって、横に座るわけにはいかない、生意気で。
それで、立ちっぱなし。だいたいね、革靴を履いて上っていること自体も、申し訳ないと思うんだからさ、こっちとしてみたらね。
俺、プロレスのリングも、インタビューする時は、革靴をエプロンサイドに脱いでから上ったから。そういうのやっぱり気になるんだよ。でも、たまたま革靴で上っちゃった。そしたら、「本当に今日、古舘さんがインタビューしてくれました。どうしたか?」なんて、歌丸さんに感想を求められて、「皆さん、凄いと思いませんか?」って。「声が大きくて、インタビューの時以上に声がデカくて」なんて話して。
で、俺もなんかウケとらなきゃって、イヤらしい気持ちが働いて。「今日のお話、水仙のお話、いかがでしたか?やっぱりウケましたか、最高。はい、山田君、座布団500枚」って言ったら、ウケましたよ。
そんな話して、もっと喋ろうとしたら、歌丸さんもさすがに、「もう、そろそろ追い出し」って言って、俺の喋り、シメに入って。俺は、「じゃあここで膝まづこう」と思ったら、「ダメ、立ってて良いから、古舘さん」って言われて。
「そんなこと、僕は一緒に膝まづいて座らないと」って言ったら、「いい、立ったままでいいの。あなたは噺家ではないから」って言われて、幕が下りるまで、ずっと二人でおじきして。
最後、追い出しまで一緒にさせてもらった、栄光に預かった私が、最後、歌丸さんが車椅子で移動して、ご自分の車で帰る時は、ちゃんと俺は出待ちの状態で、外で先回りして待っていて。歌丸さん、ちゃんと乗るまで見送ったんだよ。
やっぱり、その時は物凄く小さく見えた。だから、舞台で鬼のような、言ってみれば阿修羅像じゃないけど、阿修羅のように頑張っている人っていうのは、舞台では声も大きいし、体もデカイ。
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