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古舘伊知郎、母の葬儀にやってきたみのもんたに学んだ喋り手にとって大事なテーマ「どれだけ人の気持ちを和ませるか」

2016.11.19 (Sat)
2016年11月18日放送のニッポン放送系のラジオ番組『古舘伊知郎のオールナイトニッポンGOLD』にて、フリーキャスター・古舘伊知郎が、母の葬儀にやってきたみのもんたに学んだという、喋り手にとって大事なテーマについて語っていた。

喋らなければ負けだよ


古舘伊知郎:ウチのお袋が亡くなって、教会で式だって日にさ、昼前くらいから始まる式で、マスコミには流してなかったから、本当に内々でやったんだけど。

その時に、たまたま聞きつけてくれてさ。みのさんがさ、始まる前に来てくれたんだよ。僕のみのもんたさんが、僕の10年先輩でさ。

そしたらさ、みのさんも奥さんを亡くされてね。靖子さんを亡くされて、そんなに時間が経ってなかったから。朝の番組終わって、(式が)パーッとまだ始まる前に一人だけ来て、手を合わせて帰ってくれるって局面だったんだけど。

普通だったらさ、来て、「古舘、悪いな。ちょっと早めに来ちゃって。この後、あるんで先に来たよ」とか言うじゃん。でもさ、自分の奥さん亡くされた後だからか、俺にしか分からない。入ってきて、普通の喋りじゃないんだよ。

まだ準備してて、お袋は一旦、棺から出してね、棺の中、もう一度ドライアイスとか入れて。もう一回、お袋の亡骸を入れ直すってことで、外側に出してたんだ、お袋ね。

その時、みのさんが入ってきた瞬間に、普通じゃないよ。「おい、古舘」じゃないんだよ。「おい、おい、おい、おい…たまんないよ、お前。俺の女房に続いて、今度はお前のお袋?参ったよ。おい、おい…おっ、お母さんいるじゃん」って、パッてお袋のところに行って。まず、肩を触ってくれて。亡骸の肩を触ってくれて、胴体触ったくれて、足首触って。

「お母さん、綺麗。とても亡くなったとは思えないよ、お母さん。お母さん、息子も頑張ってる。最高じゃない、お母さん。お母さんさ、本当に死んだようには思えない。まだまだ、人生の現役。最高」って。

「古舘、綺麗な顔じゃない、お母さん。…息子も頑張ってるからね、お母さん。いよっ、最高だよ、お母さん。どうもありがとうございました」って言って帰ってくの。

そしたら外で、車に乗ろうとした瞬間に、通りがかりのおばちゃんとかに声を掛けられて。「あら、みのさん」「どうも、古舘君のお母さんの葬儀で来ちゃった?最高でしょ」って。何が最高だか分かんない。

で、待たせてた黒塗りの車に乗って、俺とか、ウチの事務所の会長とか、そういう人が何人かで見送って。あとはさ、スタッフは準備してくれてるから、中でね。なんせ、お袋、外に出てますから。

それで、そこで見送って、「皆さん、ありがとうございました」ってみんなでお辞儀したら、ちゃんと窓を開けて。最後のリップサービスですよ。「運転手さん、ちょっと銀座回ってくれる?」って。

銀座、回らないでしょ。10時半くらいですよ。行ったって意味ないんだよ、午前中なんだから。並木通りやってないんだから、あの人が好きな。高級クラブもやってないんだから。そこまで盛り上げてくれるんだよ。優しいんだよ。

喋り口なんか、どうだって良いんだよな。要するに、温かい気持ちで、人をどれだけ利他の精神で。自分が悲しかろうが、悲しくなかろうが、どれだけ人の気持ちを和ませるかっていうのが、喋り手のテーマなんだなっていうのがね、つくづく感じるよ。


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