オードリー・若林が語る「お笑い芸人という職業」
2011.03.06 (Sun)
2011年03月05日放送の「オードリーのANN」にて、2009年度のM-1以後、仕事が急増したオードリー・若林正恭が、お笑い芸人という職業について語っていた。

若林「どうやら、人を笑顔にしたい、悲しみに暮れている人を笑顔にしたいという目的のためにお笑いを作る人がいるようなんだよ。どっか、遠い国ではね(笑)」
春日「なるほどね、伝説みたいな話だわな」
若林「俺もそうありたいよ。メッチャクチャそうありたい。だけど、俺はどうしてもダメだね」
春日「性分があるからね」
若林「25~26歳の頃ね、マエケンさんに怒鳴られたことがあるんだよね。『お客さんを愛せ』とね。『お客さんは、歯を磨いて電車に乗って来てくれるんだよ。お客さんに愛さえあれば、一流の芸ができるんだよ。お前は、お客さんに対する愛がない』って怒鳴られたことがあるんだよ」
春日「うん、うん」
若林「だから、一生懸命頑張ってお客さんを愛そうとしたんだよ。『今日は、お客さんを愛しますよ~』ってソデで。だけど、無理だったね」
春日「あぁ~残念(笑)」
若林「はっはっは(笑)俺、超頑張ったよ。お客さんを愛するって、どうやるんだろうって。俺は、懸命に想像したの。お客さんが歯を磨く、そしてどんな服を着ていこうか悩んで、そこそこ一張羅気味のヤツを着て、電車の切符を買って、電車に乗る。立ってくるお客さん、すごく遠くからやってくる。そして、審査の目で一組目から見てくる。知らない人だと、あまり笑わない」
春日「それは、偏見の目が入ってるから…」
若林「そして、俺らの出番になる。愛したい、だけど愛せなかった!(笑)」
春日「途中くらいから、曲がってきたからね。偏見が入ってきたから。ライブ会場に来るまでは良かったんだけどね」
さらに、以下のように語っていた。
若林「愛せるお客さんもいるんだけどね。こんなオープニングからする話じゃないけど…手紙が来てさ。1通の手紙がね。20歳くらいの人からの手紙なんだけど、『非常に共感を得ています、若林さんに。生きていて、何にも楽しくないんです。朝から晩まで。正直、お母さんとの2人暮らしで、進学したかったけど、お金が無くて高校卒業して働いています。会社ではスゴイ浮きまくってます』と」
春日「うん、うん」
若林「『コンパもスゴク行きたくないし、キャバクラも楽しいと思えない。仕事も生きていかなければならないから、やってて。テレビ観てても楽しくなくて、休日は友達と遊ぶのもノリに合わせないといけないからイヤで、公園を散歩しているだけの毎日です』って」
春日「うん」
若林「『だけど、似たようなことを言っている人がいるんです。初めてです。これから、僕には面白いこともないでしょうが、同じような考え方の人がいると思えば、頑張れます』って手紙が来てたんですよ」
春日「ほう」
若林「それで、返事書いちゃって、俺(笑)」
春日「あら、そう。差し障りなければ、書いた返事の内容を…」
若林「それはね、俺は爪を剥がされても言わない」
春日「ふははははは(笑)まぁまぁ…」
若林「俺は絶対に言わない。訊いてきたお前に、スッゴイむかついてる。ブースで暴れてやろうかと思ったね」
春日「気になるじゃない」
若林「たいして、聞く気もないのに訊いてくるんじゃねぇ!お前みたいに人生が頭からケツまで楽しいやつが。俺とあの子のことを、ニヤニヤ聞いてくんじゃねぇよ!バカ野郎!」
春日「ははは、怒られてしまいました…そうでございますか。それじゃあ、ラジオを聞いてくれてるんですね」
若林「超聞いてるって。だけど、つまんなくなるぜ。もう、仕事も言われたことを全部やるってことになったら、どうなるんだろうか。もう、俺はネクタイしようかと思って。リクルートスーツ着て」
春日「それ、イジられるよ。どうしたのって」
若林「逆に尖ってるように思われるのかな。…でも、お前は偉いな10本中、0.5本『くだらねぇな』って思う仕事があって、どうしてお笑いを続けられるんだ?生きていて楽しいんでしょ?普通の仕事で働けば良いじゃん。なんでお笑いやってんの?」
春日「来てくれるお客さんに、笑いを提供して、幸せな気分にさせたいからだね(笑)」
若林「俺はもう、ぜんぜん笑わないよ。そんなの、お前が得するだけだもん」
春日「はっはっは(笑)」
若林「全然、面白くないよ(笑)でも、手紙をくれた人は愛だよね。愛してるよ。一緒にデモとかやりたいもん」
春日「デモじゃないでしょ(笑)」
若林「一緒に公園を歩きたいんだよ」
春日「それで良いでしょ」
若林「うん」
春日「そう言う人が、1人じゃない可能性もありますからね」
若林「そうだよ。正直、そうなんだよ。でも、シビアに換算して、170人くらいだろうね。170人の友達がいるね。俺の勘ではね。どう思う?」
春日「170だね。良いラインだね」
若林「逆に、お前はどういう人が有り難いワケ?ファンでいてくれる人で」
春日「う~ん…まぁ、単純に…」
若林「遅ぇ!出てこねぇんだよな。これは、俺の方がまだ清らかでしょ?すぐに言えるもん。俺は、象徴的に手紙をくれるような人のためなら、寝ないで仕事しなきゃなって思うよ。お前は?」
春日「まぁね…そう…」
若林「春日さん、超硬いウ○コが出ない、みたいな顔してますけど。俺は、(手紙をくれた人のような)そうだったもん。お笑いのライブに行く、とかラジオを聴いたりする理由が。春日さんは?」
春日「う~ん、まぁ…日本全国の人のためだなぁ」
若林「なんで?」
春日「まぁ、見てくれるから、かなぁ(笑)」
若林「ふははははは(笑)そうなの?」
春日「ラジオとか、深夜番組とか、ちょっと見たり聞いたりするのに大変なものに、面白いって言ってくれたりするのは、有り難いって思いますよね」
若林「ちょっと、本音をいわれると俺もどうしたら良いのかわからないけど(笑)」
春日「まぁね。ちょっとエネルギーを使って発見してくれる人は有り難いね」
若林「お客さんに対する愛って、どれくらいを持ってるのかな?他の芸人さんは」
春日「ぶっちゃけ、どれくらいかな?」
若林「手紙をくれた人は、『小声トーク』のイベントのチケットに当選したんだって」
春日「出版記念の?」
若林「それが嬉しくて手紙を書いてくれたんだって。そういう風なイメージがあれば、愛することができるって分かる。でも、無条件にどのライブでも愛せるっていうことなんだろうか?他の芸人さんは。それは、俺は出来ない」
春日「不器用ですからね」
若林「不器用じゃないよ。俺の性根だよ。こんなこと、絶対に言っちゃいけないけど、日によっては『あ"ぁ"?』って思ってることがあるんだよ」
春日「まぁまぁ、色んなことが重なってな」
若林「お前は?」
春日「私は、基本的には有り難いなって思いますけどね。だけど、日によっては『あ"ぁ"?』って思うことはあるよ」
若林「詳しく訊こう。どういう感情なの?」
春日「分かるでしょ。」
若林「多分、自分がビビってるんだろうね。表現者が、自分が怖いから『あ"ぁ"?』って思っちゃうんだろうね」
春日「なるへそ」
若林「緊張とか、そんな簡単なことじゃないけど。テレビに出る前に、俺と春日って言ったら、お客さんに対する『あ"ぁ"?』度はハンパなかったからね。お前も、それは絶対にそうだったんだろうけど」
春日「ふふふ(笑)」
若林「どうだって良いって思ってたよな。ウケようがスベろうが、辞めるんだから、どうでも良いって思ってたよな。それだからこそ、お客さんに対してムカついてるし、お客さんのアンケートにも、実際に書かれてたよ、当時。『私たち、ムカつかれてるんですか?』って。『怒られてるんですか?私たち』って。それすら、どうでも良かったけどね」
春日「まぁね」
若林「というのも、お客さんに対してじゃなくて、俺ら自身にムカついてたんだよな」
春日「なるへそ」
若林「それが映っちゃったんだよな。合わせ鏡のように。小心者だから」と語っていた。
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春日「なるほどね、伝説みたいな話だわな」
若林「俺もそうありたいよ。メッチャクチャそうありたい。だけど、俺はどうしてもダメだね」
春日「性分があるからね」
若林「25~26歳の頃ね、マエケンさんに怒鳴られたことがあるんだよね。『お客さんを愛せ』とね。『お客さんは、歯を磨いて電車に乗って来てくれるんだよ。お客さんに愛さえあれば、一流の芸ができるんだよ。お前は、お客さんに対する愛がない』って怒鳴られたことがあるんだよ」
春日「うん、うん」
若林「だから、一生懸命頑張ってお客さんを愛そうとしたんだよ。『今日は、お客さんを愛しますよ~』ってソデで。だけど、無理だったね」
春日「あぁ~残念(笑)」
若林「はっはっは(笑)俺、超頑張ったよ。お客さんを愛するって、どうやるんだろうって。俺は、懸命に想像したの。お客さんが歯を磨く、そしてどんな服を着ていこうか悩んで、そこそこ一張羅気味のヤツを着て、電車の切符を買って、電車に乗る。立ってくるお客さん、すごく遠くからやってくる。そして、審査の目で一組目から見てくる。知らない人だと、あまり笑わない」
春日「それは、偏見の目が入ってるから…」
若林「そして、俺らの出番になる。愛したい、だけど愛せなかった!(笑)」
春日「途中くらいから、曲がってきたからね。偏見が入ってきたから。ライブ会場に来るまでは良かったんだけどね」
さらに、以下のように語っていた。
若林「愛せるお客さんもいるんだけどね。こんなオープニングからする話じゃないけど…手紙が来てさ。1通の手紙がね。20歳くらいの人からの手紙なんだけど、『非常に共感を得ています、若林さんに。生きていて、何にも楽しくないんです。朝から晩まで。正直、お母さんとの2人暮らしで、進学したかったけど、お金が無くて高校卒業して働いています。会社ではスゴイ浮きまくってます』と」
春日「うん、うん」
若林「『コンパもスゴク行きたくないし、キャバクラも楽しいと思えない。仕事も生きていかなければならないから、やってて。テレビ観てても楽しくなくて、休日は友達と遊ぶのもノリに合わせないといけないからイヤで、公園を散歩しているだけの毎日です』って」
春日「うん」
若林「『だけど、似たようなことを言っている人がいるんです。初めてです。これから、僕には面白いこともないでしょうが、同じような考え方の人がいると思えば、頑張れます』って手紙が来てたんですよ」
春日「ほう」
若林「それで、返事書いちゃって、俺(笑)」
春日「あら、そう。差し障りなければ、書いた返事の内容を…」
若林「それはね、俺は爪を剥がされても言わない」
春日「ふははははは(笑)まぁまぁ…」
若林「俺は絶対に言わない。訊いてきたお前に、スッゴイむかついてる。ブースで暴れてやろうかと思ったね」
春日「気になるじゃない」
若林「たいして、聞く気もないのに訊いてくるんじゃねぇ!お前みたいに人生が頭からケツまで楽しいやつが。俺とあの子のことを、ニヤニヤ聞いてくんじゃねぇよ!バカ野郎!」
春日「ははは、怒られてしまいました…そうでございますか。それじゃあ、ラジオを聞いてくれてるんですね」
若林「超聞いてるって。だけど、つまんなくなるぜ。もう、仕事も言われたことを全部やるってことになったら、どうなるんだろうか。もう、俺はネクタイしようかと思って。リクルートスーツ着て」
春日「それ、イジられるよ。どうしたのって」
若林「逆に尖ってるように思われるのかな。…でも、お前は偉いな10本中、0.5本『くだらねぇな』って思う仕事があって、どうしてお笑いを続けられるんだ?生きていて楽しいんでしょ?普通の仕事で働けば良いじゃん。なんでお笑いやってんの?」
春日「来てくれるお客さんに、笑いを提供して、幸せな気分にさせたいからだね(笑)」
若林「俺はもう、ぜんぜん笑わないよ。そんなの、お前が得するだけだもん」
春日「はっはっは(笑)」
若林「全然、面白くないよ(笑)でも、手紙をくれた人は愛だよね。愛してるよ。一緒にデモとかやりたいもん」
春日「デモじゃないでしょ(笑)」
若林「一緒に公園を歩きたいんだよ」
春日「それで良いでしょ」
若林「うん」
春日「そう言う人が、1人じゃない可能性もありますからね」
若林「そうだよ。正直、そうなんだよ。でも、シビアに換算して、170人くらいだろうね。170人の友達がいるね。俺の勘ではね。どう思う?」
春日「170だね。良いラインだね」
若林「逆に、お前はどういう人が有り難いワケ?ファンでいてくれる人で」
春日「う~ん…まぁ、単純に…」
若林「遅ぇ!出てこねぇんだよな。これは、俺の方がまだ清らかでしょ?すぐに言えるもん。俺は、象徴的に手紙をくれるような人のためなら、寝ないで仕事しなきゃなって思うよ。お前は?」
春日「まぁね…そう…」
若林「春日さん、超硬いウ○コが出ない、みたいな顔してますけど。俺は、(手紙をくれた人のような)そうだったもん。お笑いのライブに行く、とかラジオを聴いたりする理由が。春日さんは?」
春日「う~ん、まぁ…日本全国の人のためだなぁ」
若林「なんで?」
春日「まぁ、見てくれるから、かなぁ(笑)」
若林「ふははははは(笑)そうなの?」
春日「ラジオとか、深夜番組とか、ちょっと見たり聞いたりするのに大変なものに、面白いって言ってくれたりするのは、有り難いって思いますよね」
若林「ちょっと、本音をいわれると俺もどうしたら良いのかわからないけど(笑)」
春日「まぁね。ちょっとエネルギーを使って発見してくれる人は有り難いね」
若林「お客さんに対する愛って、どれくらいを持ってるのかな?他の芸人さんは」
春日「ぶっちゃけ、どれくらいかな?」
若林「手紙をくれた人は、『小声トーク』のイベントのチケットに当選したんだって」
春日「出版記念の?」
若林「それが嬉しくて手紙を書いてくれたんだって。そういう風なイメージがあれば、愛することができるって分かる。でも、無条件にどのライブでも愛せるっていうことなんだろうか?他の芸人さんは。それは、俺は出来ない」
春日「不器用ですからね」
若林「不器用じゃないよ。俺の性根だよ。こんなこと、絶対に言っちゃいけないけど、日によっては『あ"ぁ"?』って思ってることがあるんだよ」
春日「まぁまぁ、色んなことが重なってな」
若林「お前は?」
春日「私は、基本的には有り難いなって思いますけどね。だけど、日によっては『あ"ぁ"?』って思うことはあるよ」
若林「詳しく訊こう。どういう感情なの?」
春日「分かるでしょ。」
若林「多分、自分がビビってるんだろうね。表現者が、自分が怖いから『あ"ぁ"?』って思っちゃうんだろうね」
春日「なるへそ」
若林「緊張とか、そんな簡単なことじゃないけど。テレビに出る前に、俺と春日って言ったら、お客さんに対する『あ"ぁ"?』度はハンパなかったからね。お前も、それは絶対にそうだったんだろうけど」
春日「ふふふ(笑)」
若林「どうだって良いって思ってたよな。ウケようがスベろうが、辞めるんだから、どうでも良いって思ってたよな。それだからこそ、お客さんに対してムカついてるし、お客さんのアンケートにも、実際に書かれてたよ、当時。『私たち、ムカつかれてるんですか?』って。『怒られてるんですか?私たち』って。それすら、どうでも良かったけどね」
春日「まぁね」
若林「というのも、お客さんに対してじゃなくて、俺ら自身にムカついてたんだよな」
春日「なるへそ」
若林「それが映っちゃったんだよな。合わせ鏡のように。小心者だから」と語っていた。
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