伊集院光、アメリカ主導のTPPが大統領選で棚上げされ日本が主導している現状に疑問「張り切ってるのは日本?」
2016.09.27 (Tue)
2016年9月26日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光とらじおと』(毎週月-木 8:30-11:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、アメリカ主導で提起されたTPPが大統領選で棚上げされ、日本が主導している現状に疑問を呈していた。
伊集院光:臨時国会が、召集日を迎えたということですけど。TPPがあるじゃないですか。
中村尚登:はい。
伊集院光:今回、わりとメインの議題になりそうなTPP。もはや、アメリカ大統領選挙のクリントンも、トランプも「TPPどうなのよ?」と。
中村尚登:トランプさんがもう「完全に撤退します」とまで言ってますからね。
伊集院光:言っていますよね。クリントンさんも「いろいろ考えないとダメだ」と。
中村尚登:「今だと反対だ」というふうなね。
伊集院光:なってますよね。それなのに…僕の印象では、そもそもアメリカがやろうと言って、アメリカがやろうと言うからには多分、日本も協力的にしないといけないのかなというので、日本も頑張って。良い面も、悪い面もあるんだろうから。国内の調整とかを、ある意味、議員さんからしたら「やりたくもないのに」というのはあると思うんです。票が減るところも多いから。
中村尚登:ええ(笑)
伊集院光:で、頑張ってやってきて。アメリカがそうやってハシゴを降ろしちゃうようなことになって。「張り切ってるのは、日本なの?」みたいのが、ちょっと解せないというか。
中村尚登:まぁね、最初はだって自民党だって「TPP反対」とかって言ってたわけですからね。
伊集院光:それはそうですよ。だって、農村部の人達とかは、嫌ですもんね。
安田美香:うん。
中村尚登:ただ、だけどこれ、アメリカがもし批准しなかったら…一応、TPPってこれ今年の2月に署名式をやったんですけど、それから2年以内にその参加12カ国が全部国内手続きを終えないと、発行しないとなっているんですよ。
伊集院光:うん。
中村尚登:仮に、12ヶ国間に合わなかったとしても、半数以上の国で、GDPが全体の85%以上を占めているところの国、最低6ヶ国が批准していれば発行しますよ、ということになっているんですね。
安田美香:はい。
伊集院光:だけど、アメリカが大体、その12ヶ国のトータルの中で言うと、半分以上はGDPを占めているんで。アメリカが批准しなかったら、TPPはその段階で空中分解なわけですよね、要は。
伊集院光:うん。
中村尚登:だから、アメリカと日本とが批准すれば、あとそこそこの国、あと4つくらいどこか批准してくれれば、TPPって発行するわけですけれども。まぁ、そういう意味で行くと、日本はそのTPPの中でも、一応アメリカに次ぐ鍵というか。握っている国の1つではあるわけですよね。GDPの大きさということでいけば。だから、「日本もやるんだから、アメリカなんとかしてよ」という方向に、今度は日本側がアメリカに対してやっていくというようなことになるわけですよね。
伊集院光:なるほど。ちょっと、逆転しますよね。
中村尚登:まぁ、アメリカにしてみると、今はクリントンさんにしても、まだ大統領選挙前ですから。「やらない。今の状態だと反対」と言っているけど、ただ、だけど実際じゃあそれで反対して全部、空中分解して良いのかとなると、今度は中国がまた貿易に関して、攻勢をかけてくると。今、中国はAPECを中心としてところを全体で、自由貿易圏みたいのを作ろうというふうなことを言い始めているわけですよね。
伊集院光:はい。
中村尚登:今、TPPは中国は入っていませんから。もし中国が、そこに入りたいのであれば、かなり今までと同じように中国に対しても、きついことを言えるわけですよ。アメリカが主導権を握った状態でいけるんだけども。
伊集院光:はい。
中村尚登:今度、アメリカがそれでTPPのことで主導権を握れなくなっちゃったら、中国は今度、「自分たちのところで、主導権を握ったアジアの貿易圏を作ろう」という動きになってきますから。
伊集院光:うん。
中村尚登:そういうことを考えると、やっぱりアメリカとしても、「まぁちょっと反対は強いかもしれないけど、きちんとTPPをやったほうが良いのではないか」というふうな動きになってくると。そういうことも当然、考えられるわけですよね。
伊集院光:でも、これ微妙な立場だなと思うのは、アメリカを中心としてTPPをやろうと言って。「日本も来んだろうな?」「へい!」って言って。
中村尚登:ふふ(笑)
伊集院光:でいて、中国は中国で、中国がリーダーシップをとって、アジアをまとめようとする。アメリカが、「お前、そっち行かねぇだろうな?」「いや、もちろんですよ。僕は、TPPにいますよ」って言って、やるわけでしょ?これが、たとえばトランプが大統領になりました、「TPPやりません」ってなった時に、「さぁ、日本どうしよう?」って時に、たとえばアジアの方に入れてもらおうと思っても、「今さら?」みたいな。「今来るんだと、ちょっと前の時と条件違いますよ」になるじゃないですか。
安田美香:うん。
伊集院光:かなり、下手(したて)に出ないきゃならなかったりするじゃないですか。なんか、立場がいつも、こういう立場に追いやられるような気がして、ちょっと悔しいというか。
中村尚登:TPPは、今だって他にフィリピンとか、韓国とか入っていませんけど。非常に入ることに関して、興味を示してるわけで、「入りたい」と言っているわけですよね。だから、スタートさえしてしまえば、こっち側が…「我々」というとおかしいですけども、日本とかアメリカが主導権を握れる立場になってくることは間違いないんで。「まぁ、逆にそのあたりのことは、分かってるだろうからな…」っていう感じですよね。現段階では。
伊集院光:なるほど。大統領選挙の結果は、結構(日本に)関係ありますね。
中村尚登:結構、色々影響あるんですよ(笑)だから、トランプさんが勝ったら、今度はだって、「在日アメリカ軍減らす」とか、あるいは「もっと金出せ」と言ってたりするわけですからね。そういうところも影響してくるし。
伊集院光:そう考えると、この臨時国会で、メインでTPP話合うのは大切なんでしょうけど。この結果もある程度、踏み絵的な意味もちょっと出ちゃう。後の世の中に関して。
中村尚登:そうですよね。元々、今回の臨時国会で、まず当面、最初にやらないといけないのは、第二次補正予算。これは経済対策が入っているので、これをまず当面やらないといけない、と。
伊集院光:はい。
中村尚登:TPPは、本当は前の通常国会でも出していたんですけれども、熊本地震があったりして先送り。継続審議となった、と。
安田美香:はい。
中村尚登:実は、継続審議。熊本地震というのは言い訳で、実は参議院選挙が控えていたからというね(笑)そういうことも、あるんですけど。まあ、そういうような形になっているからやるんだけれども、どっちにしたって、アメリカは大統領戦選挙終わらないと、TPPの議論って、向こうでは入らないですから。
伊集院光:うん。
中村尚登:だから結構、日本がそういう意味では、リードしていくという形にはなりますよね。今回の国会で、進んでいけば。
伊集院光:はい。
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伊集院光:臨時国会が、召集日を迎えたということですけど。TPPがあるじゃないですか。
中村尚登:はい。
伊集院光:今回、わりとメインの議題になりそうなTPP。もはや、アメリカ大統領選挙のクリントンも、トランプも「TPPどうなのよ?」と。
中村尚登:トランプさんがもう「完全に撤退します」とまで言ってますからね。
伊集院光:言っていますよね。クリントンさんも「いろいろ考えないとダメだ」と。
中村尚登:「今だと反対だ」というふうなね。
伊集院光:なってますよね。それなのに…僕の印象では、そもそもアメリカがやろうと言って、アメリカがやろうと言うからには多分、日本も協力的にしないといけないのかなというので、日本も頑張って。良い面も、悪い面もあるんだろうから。国内の調整とかを、ある意味、議員さんからしたら「やりたくもないのに」というのはあると思うんです。票が減るところも多いから。
中村尚登:ええ(笑)
伊集院光:で、頑張ってやってきて。アメリカがそうやってハシゴを降ろしちゃうようなことになって。「張り切ってるのは、日本なの?」みたいのが、ちょっと解せないというか。
中村尚登:まぁね、最初はだって自民党だって「TPP反対」とかって言ってたわけですからね。
伊集院光:それはそうですよ。だって、農村部の人達とかは、嫌ですもんね。
安田美香:うん。
中村尚登:ただ、だけどこれ、アメリカがもし批准しなかったら…一応、TPPってこれ今年の2月に署名式をやったんですけど、それから2年以内にその参加12カ国が全部国内手続きを終えないと、発行しないとなっているんですよ。
伊集院光:うん。
中村尚登:仮に、12ヶ国間に合わなかったとしても、半数以上の国で、GDPが全体の85%以上を占めているところの国、最低6ヶ国が批准していれば発行しますよ、ということになっているんですね。
安田美香:はい。
伊集院光:だけど、アメリカが大体、その12ヶ国のトータルの中で言うと、半分以上はGDPを占めているんで。アメリカが批准しなかったら、TPPはその段階で空中分解なわけですよね、要は。
伊集院光:うん。
中村尚登:だから、アメリカと日本とが批准すれば、あとそこそこの国、あと4つくらいどこか批准してくれれば、TPPって発行するわけですけれども。まぁ、そういう意味で行くと、日本はそのTPPの中でも、一応アメリカに次ぐ鍵というか。握っている国の1つではあるわけですよね。GDPの大きさということでいけば。だから、「日本もやるんだから、アメリカなんとかしてよ」という方向に、今度は日本側がアメリカに対してやっていくというようなことになるわけですよね。
伊集院光:なるほど。ちょっと、逆転しますよね。
中村尚登:まぁ、アメリカにしてみると、今はクリントンさんにしても、まだ大統領選挙前ですから。「やらない。今の状態だと反対」と言っているけど、ただ、だけど実際じゃあそれで反対して全部、空中分解して良いのかとなると、今度は中国がまた貿易に関して、攻勢をかけてくると。今、中国はAPECを中心としてところを全体で、自由貿易圏みたいのを作ろうというふうなことを言い始めているわけですよね。
伊集院光:はい。
中村尚登:今、TPPは中国は入っていませんから。もし中国が、そこに入りたいのであれば、かなり今までと同じように中国に対しても、きついことを言えるわけですよ。アメリカが主導権を握った状態でいけるんだけども。
伊集院光:はい。
中村尚登:今度、アメリカがそれでTPPのことで主導権を握れなくなっちゃったら、中国は今度、「自分たちのところで、主導権を握ったアジアの貿易圏を作ろう」という動きになってきますから。
伊集院光:うん。
中村尚登:そういうことを考えると、やっぱりアメリカとしても、「まぁちょっと反対は強いかもしれないけど、きちんとTPPをやったほうが良いのではないか」というふうな動きになってくると。そういうことも当然、考えられるわけですよね。
伊集院光:でも、これ微妙な立場だなと思うのは、アメリカを中心としてTPPをやろうと言って。「日本も来んだろうな?」「へい!」って言って。
中村尚登:ふふ(笑)
伊集院光:でいて、中国は中国で、中国がリーダーシップをとって、アジアをまとめようとする。アメリカが、「お前、そっち行かねぇだろうな?」「いや、もちろんですよ。僕は、TPPにいますよ」って言って、やるわけでしょ?これが、たとえばトランプが大統領になりました、「TPPやりません」ってなった時に、「さぁ、日本どうしよう?」って時に、たとえばアジアの方に入れてもらおうと思っても、「今さら?」みたいな。「今来るんだと、ちょっと前の時と条件違いますよ」になるじゃないですか。
安田美香:うん。
伊集院光:かなり、下手(したて)に出ないきゃならなかったりするじゃないですか。なんか、立場がいつも、こういう立場に追いやられるような気がして、ちょっと悔しいというか。
中村尚登:TPPは、今だって他にフィリピンとか、韓国とか入っていませんけど。非常に入ることに関して、興味を示してるわけで、「入りたい」と言っているわけですよね。だから、スタートさえしてしまえば、こっち側が…「我々」というとおかしいですけども、日本とかアメリカが主導権を握れる立場になってくることは間違いないんで。「まぁ、逆にそのあたりのことは、分かってるだろうからな…」っていう感じですよね。現段階では。
伊集院光:なるほど。大統領選挙の結果は、結構(日本に)関係ありますね。
中村尚登:結構、色々影響あるんですよ(笑)だから、トランプさんが勝ったら、今度はだって、「在日アメリカ軍減らす」とか、あるいは「もっと金出せ」と言ってたりするわけですからね。そういうところも影響してくるし。
伊集院光:そう考えると、この臨時国会で、メインでTPP話合うのは大切なんでしょうけど。この結果もある程度、踏み絵的な意味もちょっと出ちゃう。後の世の中に関して。
中村尚登:そうですよね。元々、今回の臨時国会で、まず当面、最初にやらないといけないのは、第二次補正予算。これは経済対策が入っているので、これをまず当面やらないといけない、と。
伊集院光:はい。
中村尚登:TPPは、本当は前の通常国会でも出していたんですけれども、熊本地震があったりして先送り。継続審議となった、と。
安田美香:はい。
中村尚登:実は、継続審議。熊本地震というのは言い訳で、実は参議院選挙が控えていたからというね(笑)そういうことも、あるんですけど。まあ、そういうような形になっているからやるんだけれども、どっちにしたって、アメリカは大統領戦選挙終わらないと、TPPの議論って、向こうでは入らないですから。
伊集院光:うん。
中村尚登:だから結構、日本がそういう意味では、リードしていくという形にはなりますよね。今回の国会で、進んでいけば。
伊集院光:はい。
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