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伊集院光が語る「木村拓哉版・宇宙戦艦ヤマトの感想」

2010.12.10 (Fri)
2010年12月06日放送の「伊集院光 深夜の馬鹿力」にて、木村拓哉 主演・『SPACE BATTLESHIP ヤマト』について語られていた。

「『ヤマト』観ましたねぇ~。池袋で夜7時くらいの部のチケットを買ったんですけど、この7時に始まる部なのに、6時にすでにチケットを買って、劇場の近くにいたんです。何故かというと、ハードルを下げるためです。とにかく、大きなものを期待して入ったらイケナイってことは分かってますので」

「何故かというと、僕らが『ヤマト』世代で、『ヤマト』というものを思い出の中で大きくし過ぎてしまっては、いくら今回の宇宙戦艦ヤマトが素晴らしい出来だったとしても、思い出にはなかなか勝てない!分かりますか?そういうことなんですよ。『いつまで経っても、とんかつ屋の若旦那の味が、先代の味を越えないねぇ』って言われるのは、得体の知れない動物の肉に変えたからなんですけどね。…それは理由がハッキリしてるじゃねぇかよ」

「そういうのがあっちゃいけませんから。何があっても驚くな、と自分に言い聞かせてたんですよ。もともと、競技用のハードルを見ると、結構な高さじゃないですか。へそ上くらいにあって、デブからしてみると『これ、高飛びの高さだぞ』って思うんですよ。だから、一旦、地面を40 cmくらい掘って、その上に棒っきれを置いてハードルとすることにしたんですよ。普通に跨げば飛べちゃうヤツをハードルとすることにしたんです」

「それで、実際問題、ここまで言わなくても、先週ちょっと話したように(伊集院光が語る「木村拓哉 主演の宇宙戦艦ヤマト」)、自分たちが持っている『ヤマトかくあるべき』ってものと変わっててしかるべきだよなって思ってて」

「噂に聞くと、森雪がかなり男勝りなパイロットになってたりとか…俺らは、なよっとしていて、花魁っぽい横にしなだれかかった座り方でメソメソするイメージが俺らの中にはありますから。イヤはイヤなんですけど、ヤマト世代じゃない人が観ると考えると…」

「ヤマト世代じゃない人が観るってことなら、別にヤマトをやらなくてもいいだろう。わざわざ、俺らの大事な『宇宙戦艦ヤマト』とか『日本沈没』とかさ。TBSとSMAPが組むとロクなことがないよ。…って構成の渡辺くんは言いますけど、僕はそれは違うよって思って」

「僕は宇宙戦艦ヤマトを、30年間くらい楽しませてもらいました。ってことですから、こっから先に関して、まだ僕らのもんだって言うのはどうかなっていう思いもあるんですよ。だから、フラットに観て面白ければそれで良いって思って、映画を観てきましたよ」

さらに、以下のように語っていた。

「映画が始まったら…すぐ隣に、バァさんが小3くらいの子供を連れてきてるワケ。テレビのCMで子供が感想を言うシーンがあるから、子供でも理解できると思っちゃってるんですよ。小2~3年くらいかな。それで、そのガキがもう『STOP 映画泥棒』のところで帰りたいって言い出したんですよ。それで映画始まっても『これ良い者、悪者』『あと何分?』の繰り返しなワケですよ。それでバァさんも全く注意しないわけ」

「それで、映画自体の感想ですけど…ヤマトを観る俺という戦艦ね、俺という戦艦は、5~6回、被弾したね。爆笑ポイントがもう5~6個連続してあるから。もう冒頭のギバちゃんの棒読みのセリフから始まって、爆笑ポイントが次から次に、宇宙戦艦・俺にガンガンくるから、かなり沈みかけるんだけど、途中でちょっと立て直して、最後、僕は轟沈しました。ヤマトはどうか別として、『エェ~!』ってなりましたね。『いつ~?!』って」

「僕は観て欲しくて言ってるんですよ。宣伝ですよ。愛するTBSの作ったヤマトですよ。あのね…絶対に、変なタイミングで急にキスシーンがあるんです。本当に変なタイミングでキスシーンがきて、そこでそのガキが『なんで急にキスすんの?』っていいだして。波動砲撃たれたなぁ~」

「CGの合成にすごい金が掛かってて、俺が松本零士だったらすごい喜ぶなぁって思うんですけど、セット内でやってるところが、本当に『セット』って感じで、知らない人とスターツアーズのアトラクションの中に入って、その知らない連中が変な温度だと。それにスゴイ狼狽えたまま、変な感じで進むのね」

「豪華メンバーが、ちょっと浮いてるセットと相まって、俳優が俳優のままで出てくるのね。山崎努は山崎努のまま出てくるし、ギバちゃんはギバちゃんのまんまで出てくるから、アトラクションみんなでヤマトごっこをしているのに、俺だけ打ち合わせが出来てないから、俺だけキョトンとしてるみたいな、ずーっと置いてかれるのね」

「キムタクが一つ不幸だなって思ったのは、キムタクはキムタクなのね。もっと言うと、ギバちゃんとか山崎努とかよりは、キチンとした演技をしていると思うのね。ちゃんとしていると思うの。だけど、古代進は男前っていう設定なんだけど、小5の俺が理解できる、30年前の男前像じゃないですか」

「それを現代版、つまりは今の人たちが思う男前ってことにすると、今の世の中で男前の代表って言えば、キムタクじゃないですか。だから、キムタクになっちゃうのよ。30年前の男前って言えば、ベタにマジメで格好いいキャラになってたと思うんです。今、古代進ってキャラを主人公に脚本を書くと、その見本としてキムタクになっちゃうんです。他の乗組員の茶化し方とか、ギャグの言い方とかが、全部キムタクっぽいの」

「キムタクは悪くないでしょ。脚本家が、キムタクを描こうとしていて、むしろ古代進を描こうとしてないのよ。キムタクが言いそうな感じとか、動きそうな感じで脚本を書いてるから、キムタクがキムタクを演じようとしていて、むしろキムタクが佐渡酒造をやれば良いんじゃないの?それくらい変えてあげなくちゃ」

「キムタクは何をやってもキムタクって評価をしちゃうよ。でも、それはキムタクのせいじゃないですよね」

「あと、佐渡酒造が高島礼子になってましたけど、する必要が全くわからないです。ちょいちょい出て来ますけど、高島礼子にしなけりゃいけない理由も全く分からないです」

「途中、一回持ち直すんです。現代のテクノロジーで、宇宙戦艦ヤマトの戦いを描けば、それは面白いです。間違いないです。ただ、最初のウエルカム・ギバちゃんね。その後の、『このメカ大丈夫かよ…この戦闘機、どんな機能なんだよ』ってところが出て来ます。そのあと、何ヶ所かはしょうがないところが出て来ます」

「俺の場合は、ガキが活弁師のごとく話して『なんでチューすんの?』って言ってくるシーンがありましたけどね。あと、ラストで『エェ?いつ?』っていう感じのヤツがあります。これを確認をするために、皆さん、観に行ってもらって『伊集院の言っていることは分かった』って言ってもらえれば幸いです」

「ただ、僕はアナライザーが好きです。今回の解釈のアナライザーは好きです。あと、脚本家の解釈の才能あるなって思って。割と長い宇宙戦艦ヤマトのストーリーの中で、『ここを変えたのは上手いな』ってところがありましたね。宇宙戦艦ヤマトを知っている世代は、ストーリーを上手くまとめているなって感じはありましたね」

「でも、キムタクだけが照れずにやってましたね。それは、SMAPがああいうものに取り組むことが多いからかも知れないけど。俺が穿った見方をしているからかもしれないけど、『照れるんなら出るんじゃねぇよ』みたいなね。『スカすんなら出るんじゃねぇよ』っていう演技をされる人もいましたね」

「あと、予算なのか、室内のコクピットの中とかがベタな正面からとか横から、とかしか映さないんですよ。だから、アトラクション感みたいな、スターツアーズは言い過ぎで…ディズニーランドができて、周りの遊園地が似たようなアトラクションを作った感じになってましたね。戦闘機の中も、『それで良いの?』っていう。何の工夫もないまま、外の様子との差が激しすぎて。ずっとスターツアーズに乗るまでの廊下みたいになってたんですよ…まぁ、絶賛上映中ですよ」と語っていた。

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