伊集院光、イギリスのEU離脱の可否を決める国民投票でやり直しを求める声に言及「後悔しない1票を入れないと」
2016.06.28 (Tue)
2016年6月27日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光とらじおと』(毎週月-木 8:30-11:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、イギリスのEU離脱の可否を決める国民投票で、やり直しを求める声が上がってきていることについて、「後悔しない1票を入れないと」と語っていた。
伊集院光:国民投票で、EUからイギリスが離脱するという。直前までは、「かなり拮抗はするだろうけれども、離脱はないんじゃないか」という感じでしたよね。
中村尚登:最後のギリギリのところの世論調査では、そうだったんですけれども。
伊集院光:はい。
中村尚登:直前では、片方の世論調査では残留派が勝っているけど、片方の世論調査では、離脱派のほうが勝っているみたいになって。「これは本当、蓋を開けてみないとわからないぞ」と。
伊集院光:それが段々、「ちょっと離脱派のほうが有利なんじゃないか」みたいな中継経過が入ってきて。さらには、僕はネットニュースみたいのを見ていたんですけど、「CNNが発表したぞ」みたいな話になって。それで、あれよあれよという間に離脱。
中村尚登:そうですね。それで東京市場は平均株価1,200円以上下がったし、ドル・円相場も1ドル100円を一瞬、切りましたからね。
伊集院光:はい。
中村尚登:今見ると、213円高で日経平均株価始まって。今、256円高まで来ているんで、今日はちょっと落ち着いたという感じですよね。為替のほうも、102円台前半の取引ということなので、マーケットではちょっと一段落というか、まあ離脱というふうには国民投票は決まったけれども、でも、まだ実際に離脱するのはまだちょっと当分、当面先だぞということで、落ち着いたんでしょうね、きっと。
伊集院光:しかし、「やり直したい」という人がこんなにいるんですね(笑)
中村尚登:地域によって、全然違うんですよね。ロンドンとかは圧倒的に残留派が多いし、スコットランドとかアイルランドとか北アイルランドとかも、残留派が多いんですけれども、イングランドとウェールズの地域が、離脱派が多かったということなんですよね。
伊集院光:それで、ややこしいことになっているのは、スコットランドはちょっと前に、「イギリスから離れたい」っていう住民投票をやったじゃないですか。
中村尚登:ありましたね。
伊集院光:やりましたよね、住民投票。それで、残ることになったんだけど、それで今回は、これでEUからイギリスが抜けることになったら、イギリスから抜けつつ、EUに残りたい、みたいな。
中村尚登:そういうことですね。元々ねスコットランドとイギリス、イングランドというのは、ライバル関係で。サッカーなんかでもそうじゃないですか。
伊集院光:はい。
中村尚登:だから、そういうライバル関係があって、何かというと反目してて。それで北海油田っていうのは、スコットランドの方がそういうところは実際に豊かにあるのに、イングランドのほうにそういうのを握られている。とりわけロンドンですけどね。
伊集院光:はい。
中村尚登:握られているという反発があったから、これで「イギリスが離脱するというんだったら、こっちがイギリスを離脱してやるよ」っていう、そういう形になっている、と。
伊集院光:住民投票あったばかりで、またあるの、ないのって話ですけど。でも、そうですよね。住民投票の結果、イギリスに残るということになった時も、出たい人はいたわけで。
中村尚登:はい。
伊集院光:これプラス、「あの時にイギリスに残るには投票したけど、EUと離れるとなると話が違うよ」という人は、もしかしたらイギリスからの離脱の投票に、今度の投票がもしあれば、賛成する可能性がありますもんね。
中村尚登:そうです。あの時も、結構僅差だったんですよね。55%だったんですよ。
伊集院光:あ、そんな僅差だったんですか。
中村尚登:55%がイギリス残留という投票だったんですよ。それでまぁ、それ以外の人達も、4割以上は「やっぱりイギリスから離れたい」という意見の人達がいたわけですよね。
伊集院光:うん。
中村尚登:今回、イギリスがまた自分達の意見とは違うことをやってきたんで、スコットランドの人達にとってみると、そんなイギリスなんかともう一緒にやってられるかという雰囲気が高まるんで、今度、次にもし住民投票をやったら、イギリスから離れる、独立という方が増える可能性はありますよね。
伊集院光:北アイルランドはどうなんですか?
中村尚登:北アイルランドもそうなんですよ。あそこは元々、アイルランドと北アイルランド、北アイルランドはイギリスに入りますけど、いろいろとそういう紛争みたいのがあったりして。1998年に和平合意をしたわけですよね。
伊集院光:はい。
中村尚登:その時から自由に、それこそ北アイルランドとアイルランドは自由に行き来は昔からできていたんですけれども、今回、これで実際イギリスがEUから離脱するとなると、北アイルランドはイギリスですから。
伊集院光:なるほど、EU外ですもんね。
中村尚登:EU外になって、人の行き来は自由にできるかもしれないけれども、たとえば輸入とか輸出とかをやっている時に、同じ島の中なのに、分かれてくる可能性がある、と。
伊集院光:ああ。
中村尚登:そうなると、北アイルランドの方が、また「やっぱり俺達も独立だ」というふうなムードも出てくるわけですよね。
伊集院光:しかも、その北アイルランドの中では今回の国民投票は、わりと離脱しないほうが良いという人が、残留が多かった。
中村尚登:EUに残っていると、逆にEUのいろいろなところに行って、それこそ自分の仕事ができたりとか、わりとそういう自由が利くわけですよね。今度は、イギリスはイギリスでEUから離脱するとなると、すべてEUの他の国々との間で、全部取り決めなければならないわけですよ。
伊集院光:ああ。
中村尚登:輸出、貿易だけではなくて、仕事をやるとか、ビザは当面必要はないでしょうけど、そういうことの制約というのが全部出てくるわけですよね。
伊集院光:うん。
中村尚登:そういうのはないほうが良いから、と。
伊集院光:ややこしいことに。またそれで、EUの他の国の中にも「イギリスが出るなら、うちも出るぜ」という、「元々出たいと思ってるんだ」というところもありますし。
伊集院光:ええ。
中村尚登:だから、少なくとも320万人がやり直しをしたいという。我々も、何かで国民投票が起こるかもしれないじゃないですか。少なくとも、こういうことじゃダメですよね。
中村尚登:憲法改正になったら、これは出てくるわけですからね。
伊集院光:あ、そうか。ちゃんと考えて後悔しない1票を入れないと、っていう。
中村尚登:だから、実際こういうのがやり直しを求めると言っても、これに対する批判の声も出てくるんですね、「決まったのに」と。
伊集院光:「だって、一生やり直しじゃんか」となりますもんね。
中村尚登:今度、反対側がやって、今度は残留派が勝ったら、「それはまたやり直しだ」となっちゃいますからね。
伊集院光:ねぇ、凄い。でも、本当にこの金曜日から今日まで、かなり世界は動いたというか。
中村尚登:動揺したんですよね、動いたというか。でも、考えたら、イギリスがEUに対して、「私は離脱しますよ」という通告ですよね。
伊集院光:はい。
中村尚登:通告をしてから、2年間の間にEU各国との間で取り決めをしなければいけない、と。
伊集院光:はい。
中村尚登:新たな法律を作るとかだったり。それをする期間があるわけですよ。でも、まだいつイギリスが通告するかというのは決まってないし、それからまだ2年間は今のEUにいるので同じ地位ですから。
伊集院光:うん。
中村尚登:だから、「離脱だってよ」というんで慌てたけれども、「いや、でもちょっと待って。もうちょっと先の話だから、どうなるのか見極めよう」という雰囲気が、今週明けになって、漂ってきていると。そういうことでしょうね。
伊集院光:我々、素人考えだと、今まではEUの中のイギリスに日本の企業が拠点を置いて、とかをやっていたわけで。
中村尚登:はい。
伊集院光:そうすると、そこがEUから離脱しちゃうと、モノの行き来も難しくなるだろうから、「じゃあこのイギリス支店は、一気にみんな辞めるんじゃないか」と思っていたけど、これはこの後の取り決めで。
中村尚登:そうですね。
伊集院光:国同士の、EUとの関税がどうなるとかいっぱい決まっていくわけですね。
中村尚登:そうです。
伊集院光:一旦、落ち着いたほうが良いのでは、くらいの空気感?
中村尚登:そうなんですよね。そこは難しいところですけどね(笑)
伊集院光:難しいですよね。
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イギリス国民投票による影響
伊集院光:国民投票で、EUからイギリスが離脱するという。直前までは、「かなり拮抗はするだろうけれども、離脱はないんじゃないか」という感じでしたよね。
中村尚登:最後のギリギリのところの世論調査では、そうだったんですけれども。
伊集院光:はい。
中村尚登:直前では、片方の世論調査では残留派が勝っているけど、片方の世論調査では、離脱派のほうが勝っているみたいになって。「これは本当、蓋を開けてみないとわからないぞ」と。
伊集院光:それが段々、「ちょっと離脱派のほうが有利なんじゃないか」みたいな中継経過が入ってきて。さらには、僕はネットニュースみたいのを見ていたんですけど、「CNNが発表したぞ」みたいな話になって。それで、あれよあれよという間に離脱。
中村尚登:そうですね。それで東京市場は平均株価1,200円以上下がったし、ドル・円相場も1ドル100円を一瞬、切りましたからね。
伊集院光:はい。
中村尚登:今見ると、213円高で日経平均株価始まって。今、256円高まで来ているんで、今日はちょっと落ち着いたという感じですよね。為替のほうも、102円台前半の取引ということなので、マーケットではちょっと一段落というか、まあ離脱というふうには国民投票は決まったけれども、でも、まだ実際に離脱するのはまだちょっと当分、当面先だぞということで、落ち着いたんでしょうね、きっと。
賛成派・反対派の背景
伊集院光:しかし、「やり直したい」という人がこんなにいるんですね(笑)
中村尚登:地域によって、全然違うんですよね。ロンドンとかは圧倒的に残留派が多いし、スコットランドとかアイルランドとか北アイルランドとかも、残留派が多いんですけれども、イングランドとウェールズの地域が、離脱派が多かったということなんですよね。
伊集院光:それで、ややこしいことになっているのは、スコットランドはちょっと前に、「イギリスから離れたい」っていう住民投票をやったじゃないですか。
中村尚登:ありましたね。
伊集院光:やりましたよね、住民投票。それで、残ることになったんだけど、それで今回は、これでEUからイギリスが抜けることになったら、イギリスから抜けつつ、EUに残りたい、みたいな。
中村尚登:そういうことですね。元々ねスコットランドとイギリス、イングランドというのは、ライバル関係で。サッカーなんかでもそうじゃないですか。
伊集院光:はい。
中村尚登:だから、そういうライバル関係があって、何かというと反目してて。それで北海油田っていうのは、スコットランドの方がそういうところは実際に豊かにあるのに、イングランドのほうにそういうのを握られている。とりわけロンドンですけどね。
伊集院光:はい。
中村尚登:握られているという反発があったから、これで「イギリスが離脱するというんだったら、こっちがイギリスを離脱してやるよ」っていう、そういう形になっている、と。
伊集院光:住民投票あったばかりで、またあるの、ないのって話ですけど。でも、そうですよね。住民投票の結果、イギリスに残るということになった時も、出たい人はいたわけで。
中村尚登:はい。
伊集院光:これプラス、「あの時にイギリスに残るには投票したけど、EUと離れるとなると話が違うよ」という人は、もしかしたらイギリスからの離脱の投票に、今度の投票がもしあれば、賛成する可能性がありますもんね。
中村尚登:そうです。あの時も、結構僅差だったんですよね。55%だったんですよ。
伊集院光:あ、そんな僅差だったんですか。
中村尚登:55%がイギリス残留という投票だったんですよ。それでまぁ、それ以外の人達も、4割以上は「やっぱりイギリスから離れたい」という意見の人達がいたわけですよね。
伊集院光:うん。
中村尚登:今回、イギリスがまた自分達の意見とは違うことをやってきたんで、スコットランドの人達にとってみると、そんなイギリスなんかともう一緒にやってられるかという雰囲気が高まるんで、今度、次にもし住民投票をやったら、イギリスから離れる、独立という方が増える可能性はありますよね。
伊集院光:北アイルランドはどうなんですか?
中村尚登:北アイルランドもそうなんですよ。あそこは元々、アイルランドと北アイルランド、北アイルランドはイギリスに入りますけど、いろいろとそういう紛争みたいのがあったりして。1998年に和平合意をしたわけですよね。
伊集院光:はい。
中村尚登:その時から自由に、それこそ北アイルランドとアイルランドは自由に行き来は昔からできていたんですけれども、今回、これで実際イギリスがEUから離脱するとなると、北アイルランドはイギリスですから。
伊集院光:なるほど、EU外ですもんね。
中村尚登:EU外になって、人の行き来は自由にできるかもしれないけれども、たとえば輸入とか輸出とかをやっている時に、同じ島の中なのに、分かれてくる可能性がある、と。
伊集院光:ああ。
中村尚登:そうなると、北アイルランドの方が、また「やっぱり俺達も独立だ」というふうなムードも出てくるわけですよね。
伊集院光:しかも、その北アイルランドの中では今回の国民投票は、わりと離脱しないほうが良いという人が、残留が多かった。
中村尚登:EUに残っていると、逆にEUのいろいろなところに行って、それこそ自分の仕事ができたりとか、わりとそういう自由が利くわけですよね。今度は、イギリスはイギリスでEUから離脱するとなると、すべてEUの他の国々との間で、全部取り決めなければならないわけですよ。
伊集院光:ああ。
中村尚登:輸出、貿易だけではなくて、仕事をやるとか、ビザは当面必要はないでしょうけど、そういうことの制約というのが全部出てくるわけですよね。
伊集院光:うん。
中村尚登:そういうのはないほうが良いから、と。
伊集院光:ややこしいことに。またそれで、EUの他の国の中にも「イギリスが出るなら、うちも出るぜ」という、「元々出たいと思ってるんだ」というところもありますし。
伊集院光:ええ。
国民投票やり直しを求める人々
中村尚登:だから、少なくとも320万人がやり直しをしたいという。我々も、何かで国民投票が起こるかもしれないじゃないですか。少なくとも、こういうことじゃダメですよね。
中村尚登:憲法改正になったら、これは出てくるわけですからね。
伊集院光:あ、そうか。ちゃんと考えて後悔しない1票を入れないと、っていう。
中村尚登:だから、実際こういうのがやり直しを求めると言っても、これに対する批判の声も出てくるんですね、「決まったのに」と。
伊集院光:「だって、一生やり直しじゃんか」となりますもんね。
中村尚登:今度、反対側がやって、今度は残留派が勝ったら、「それはまたやり直しだ」となっちゃいますからね。
伊集院光:ねぇ、凄い。でも、本当にこの金曜日から今日まで、かなり世界は動いたというか。
中村尚登:動揺したんですよね、動いたというか。でも、考えたら、イギリスがEUに対して、「私は離脱しますよ」という通告ですよね。
伊集院光:はい。
今後の動き
中村尚登:通告をしてから、2年間の間にEU各国との間で取り決めをしなければいけない、と。
伊集院光:はい。
中村尚登:新たな法律を作るとかだったり。それをする期間があるわけですよ。でも、まだいつイギリスが通告するかというのは決まってないし、それからまだ2年間は今のEUにいるので同じ地位ですから。
伊集院光:うん。
中村尚登:だから、「離脱だってよ」というんで慌てたけれども、「いや、でもちょっと待って。もうちょっと先の話だから、どうなるのか見極めよう」という雰囲気が、今週明けになって、漂ってきていると。そういうことでしょうね。
伊集院光:我々、素人考えだと、今まではEUの中のイギリスに日本の企業が拠点を置いて、とかをやっていたわけで。
中村尚登:はい。
伊集院光:そうすると、そこがEUから離脱しちゃうと、モノの行き来も難しくなるだろうから、「じゃあこのイギリス支店は、一気にみんな辞めるんじゃないか」と思っていたけど、これはこの後の取り決めで。
中村尚登:そうですね。
伊集院光:国同士の、EUとの関税がどうなるとかいっぱい決まっていくわけですね。
中村尚登:そうです。
伊集院光:一旦、落ち着いたほうが良いのでは、くらいの空気感?
中村尚登:そうなんですよね。そこは難しいところですけどね(笑)
伊集院光:難しいですよね。
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