加藤浩次 「CM撮影の時にいた変なオジサン」
2009.11.15 (Sun)

「『ウコンの力』以来、久しぶりにCMのオファーがきた。『あちゃ~』以来ですよ。もう山崎まさよしさんに代わっているのに、めちゃイケのSPで、中居正広に見せたんだぜ。それを今、中居がやっちゃってるんだもん。因果なものだよ」と語っていた。
「秋に放送されるんだけど、真夏日に撮影した。暑いのにスーツを着て、サッカーのベンチコートを着た。サッカー中継を海外からレポートするっていう設定なんだけど、スタジオの人と噛み合わないっていう感じなんだよ。俺が喋っているんだけど、ディレイ(遅延)が出る。その変な間で、噛み合わないんだけどスタジオの人が締めるっていうシチュエーションよ」
「簡単に言ってしまえば、『あちゃ~』のパターンよ。俺さ、いつからそういうダメな人になっちゃったのかな。言うなれば、頑張るオッチョコチョイよ。世間のイメージは、『あちゃ~』オジサンだよな。現地のスタッフに睨まれて、アタフタする。それで、ドリンクを飲んでホッとするっていうCMよ」
その現場の風景は、具体的に以下のようなものだったそうだ。
「CMってスポンサーもいるから、大変でしょ。クラインとの人がOKだすまで、ずっと撮り続ける。そこに、変なプロデューサーがいたのよ。どこのプロデューサーなのか分からないんだけどね。制作会社なのかどうか分からないけど。その人が、シャツのボタンを4つくらい開けてるのよ。真っ黒に日焼けして。あと、昔のケミストリーみたいにサングラスしていた。顔は団しん也さんみたいな感じ。業界風、ちょっと妖怪風」
「なんかCMやりづらそうだなって思ったけど、現場入って、いろいろなパターンを説明される。色んな尺で撮ってね。でも、そのプロデューサーが『おい!いくら撮っても同じだろう。もういいだろう!』って言い出して。クライアントもいるのに」
「『このシーンOKです!』って言い出した。それで楽屋に帰って『あの人、なんなんだ?』って話になった。でもまぁ、早く終わるから、こちらとしては助かるけど」
「それで、ドラマシーンは終わって、一番大事なのは『飲み』のシーンなわけですよ。ラベルをしっかりと前に出して、ちょっと不自然な持ち方だけど、はっきり見えるようにする。それと、美味しそうに飲む必要があるわけですよ。それでホッと一息吐く、みたいな感じ。ドラマシーンよりそこが重要なワケですよ」
「『温かいドリンクは、こうすると美味しそうに見える』っていうマニュアルがもう用意されてて、『口を付ける、目をつむる、あごを引きながら口を離す、そしてゆっくり目を開きながら遠くを見る』みたいな一連の流れがあるんですよ。そうすると、香りを楽しみながら味わっているように見えるんですよ」
「そうしたら、完全に段取りクサイの。流れがなくて、バラバラ。それで『段取りクサかったですね』っていったら、プロデューサーが『段取りクサイねぇ~』って乗っかってきた。乗っかってきやがったわけですよ」
「10回目くらいかな、上手くできたって感触があって。そうしたらプロデューサーが『いいねぇ~これ。最高だよ。決まったねぇ』って言って、クライアントさんにも意見を求めた。そうしたら、『ラベルがうまく見えてないですね。もう一回やっていただけますか?』って言われた」
「そうしたら、プロデューサーが『なんだよ、そんなの!関係ないよ!』って言い出して。関係あるよ!俺の方が気を遣っちゃって。『プロデューサー!もう一回やりましょう!俺、やりますから!』って言って。もう一回やることになった」
「それでやったら、『すごーい!今の決まったでしょう』って言い出した。13回くらいで出来たんだよね。でも、ウコンの時は凄かったよ。30回以上やった。半分くらいで撮れたんだよ。凄い人なのか、デリカシーがないだけの人なのか…」
「手のシーンも、『いいから。おい!スタッフの中で誰が加藤くんの手に似てる?…お前!』って、スタッフの手を並べて決めていた。それで、押し出されるように帰されたからね。『じゃあね!また!』って言われた。1時間くらい早く終わったんだよね。どういう人なのかな。正体が分かんないんだよ。知りたい」
「スポンサーに『なんだよ!いいじゃねぇかよ!関係ねぇよ』って言い出したときは、『なんだ、この人?』って思ったけどな」と加藤は話していた。
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