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伊集院光、「プロ棋士より将棋が強い」コンピュータがどのように研究されているか解説

2014.10.28 (Tue)
2014年10月27日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光 深夜の馬鹿力』(毎週月 25:00 - 27:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、人工頭脳・ponanza(ポナンザ)がプロ棋士と対局した電王戦について、「プロ棋士より将棋が強い」というコンピュータが、どのように研究されているかについて解説していた。

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人工頭脳・ponanza(ポナンザ)

伊集院光:ponanza(ポナンザ)っていう、人工頭脳で今、プロの棋士と戦っている将棋ソフトがあって(注釈;2013年、現役のプロ棋士に公の場で勝った史上初の将棋ソフトとなった)。プロの棋士とコンピュータのソフトで対決してどっちが勝つか、みたいなのをニコニコ動画かなんかで主催してて。電王戦っていうタイトルをやってるわけ。

そしたら、一昨日かなんかでNHK教育テレビでこの特集をやってて。この番組が、また面白くて。コンピュータがどんどん発達していくと、人間の頭脳を超えるんじゃないかって言われている「2045年問題」っていうことと、このponanza(ボナンザ)が、将棋の棋士よりも強い人工頭脳となるんじゃないかって話を混同してたんだなってところがあって。

「頭の良さ」とはなにか

まず、何より俺がワクワクするしゾクゾクするのは、「人間より頭の良いコンピュータって何?」って話なわけ。要するに、「これ、やっといて」って言ったことに対して、その処理が人間より早いってことは、頭が良いってことにはならないじゃん。それで言うならば、構成作家の渡辺くんに2の二乗をずーっと紙に書いてって、三日間飲まず食わずでやらせて、シュレッダーにかける、とか俺、よくやるじゃん(笑)

そんなのは、コンピュータの方が早いじゃん。それをシュレッダーにかける一連の動作も早いけど、それは頭が良いとは言わないじゃん。計算能力が高いってだけで。そういうことじゃなくて、「コンピュータの方が頭が良くなる」っていうことの意味が、頭の悪い方からは理解できないじゃん。「アイツ、俺を超えた」ってことが理解できなくて。

たとえば、人間が、人間のために最適な地球を作るのをコンピュータに計算させたら、コンピュータがターミネーターみたいなヤツを作って、人間を殺し始めるっていうのは、物語としては分かりやすいじゃん。でも、「頭が良いっていうのは、どういうこと?」っていうのと、あとは将棋とコンピュータの戦い、みたいなのに興味があって。

手数が多い将棋の分析方法「必要な部分を切り取る」

昔はオセロだったら、パターンがまだまだ少ないから、ちょっと経てばオセロゲームはコンピュータが勝ちます、と。全部、パターンを解析して、「あのマスに、こう打たれたら、こう」とか枝葉に分かれていったヤツを全部解析することは、オセロはできるだろうけど、チェスは難しいって言われてて。そのチェスは、10数年前にコンピュータが勝つようになって。チェスは、絶対的にコンピュータが勝つようになったんだって。

でも、将棋は枝葉が多い。オセロだったら数パターンしかないものを、どの駒をどっちに動かした上に、相手の駒をとったり、とった駒を指したり、相手の陣地まで行ったら裏返して駒の動くルールが変わったり、とかがあるから、手数が多すぎて、どうやっても分析がしきれないんじゃないかって。しきれないであろうって言われてたのが、今のコンピュータだったら、しきれるのかどうかって。

それで、「コンピュータが考える時代に入って、確率計算しているわけじゃない」みたいなのを聞いて、勘違いしてたんだけど。どうやら、色々調べてみると、まだ全パターンを分析することはできなくて、とても時間が掛かるんだけど、「大体この局面からは、こっちの方向性で絞って、その中だったら計算が間に合う」っていうことをやってるんだって。

それをするために、過去数万局っていうデータをぶち込んでいくと、数万局の中で、「こっちの手を指している方が勝ってます」みたいなデータ分析をするんですって。

コンピュータって超面白いなって思ったのは、コンピュータの中に、どういう計算をしたかっていうログが残るじゃん。過去のデータが残る。そのデータの中に、「この手を自分が指した時に、自分の思う勝つ確率が少し上がりました」っていうグラフをつけられるようになった、と。

相手が指したときに、自分はさらに勝ちを確信していたら、折れ線グラフで勝ちっていう評価値、「勝てそう」っていう点が上がっていく、と。それで、将棋をやってる間中、ゆっくりと上に上がって行くっていうのが分かるわけ。

コンピュータの弱点

NHKスゲェなって思うのは、たまに予想外の手っていうのがあって。コンピュータからしてみたら、過去何万局っていう中には出てこなかったような手っていうのを、棋士の人が出してきたり。棋士の人って、真摯に研究してて、過去何万局の中を入れているっていうことは、「それより昔に流行った戦術は知らないだろう」って予想したり、「つい最近始まった戦術は分からないだろう」とか。「ちょっと無謀で、名人戦ではやるような人はいないけど、勝機はあるんじゃないか」っていう手を打ったとき、コンピュータって知らない手だから、急に分からなくなるんだって。

その時に、「勝てそう」っていう評価値は急激に「俺、ヤベェんじゃね?」って、折れ線グラフが下がったりするんだって。そうじゃない局面もあって。将棋界全員の人が、「それは無い」って思ってた手を打った瞬間、コンピュータの内部では、勝つ確率のグラフが上に上がってて。その次の手で、棋士の人たちが「マジか?!」って思う手が出てきたり。それで、もう一段、グラフが上がったりするのが、超面白くて。

そこに関しては、少し理解できたんだ。たくさんあるパターンの中に、「この局面は、この当たりを切り取って、集中的に考えれば良いんだ」っていうところを切り取るセンスだったりとか、「この局面が勝ちに近づいてるかどうか」ってところを、色んな要素でコンピュータは計算するんだけど、その計算式のプログラムが特殊らしいんだ。

「手駒をどれくらい持ってる」とか「過去、同じような局面で、誰がどれくらい勝ってる」みたいなヤツを瞬時に計算してるらしいんだけど。

次の記事に続く:伊集院光が語る「人工頭脳が人間の頭脳を超えるとはどのような意味か」

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