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伊集院光、自作の名作エッセイ「ビデオデッキ前夜の話」を朗読

2018.10.04 (Thu)
2018年10月3日放送のTBSラジオ系のラジオ番組『伊集院光とらじおと』(毎週月-木 8:30-11:00)にて、お笑い芸人・伊集院光が、「ボクと家電と作文と」コーナーの開始に先駆け、自作の名作エッセイ「ビデオデッキ前夜の話」を朗読していた。

のはなし


伊集院光:「ビデオデッキ前夜の話」伊集院光。

我が家にビデオデッキが入ってきたのは、僕が中学校2年生の時。好きなテレビ番組を、好きな時に、好きなだけ見られる幸せときたら。さて、それ以前はどうしていたのか。

答えは、テレビの前にテープレコーダーおいて、音だけを録り、後日、それを聞きながら映像を思い出す、である。土曜日、夜7時。仮面ライダーアマゾンが始まる。先週、次回予告で観たタイトルは、「モグラ獣人最後の活躍」の巻。

子供向け雑誌『テレビランド』の情報によれば、アマゾンの親友、モグラ獣人が死ぬかもしれない。母親とおばあちゃんに、これがどれだけ大事なのかを言い含めて、晩御飯を早めてもらい、姉を説得して2階に追いやり、テレビの前にカセットデッキをスタンバイ。兄と弟とともに緊張の瞬間を待つ。

7時の時報とともに録音ボタンを押したら、ここから30分間は声を出すことが許されない。もしボタンを押しておかれて、番組冒頭の「アーマーゾーン!」の叫び声を録り逃がしでもしたら。ロケットの打ち上げ並みの緊張感で時計を見て、録音開始。

今度は黙って映像を目に焼き付ける。予想通り、モグラ獣人がまずい。悪の秘密結社を裏切って、アマゾンライダーの味方をしてきた、落ちこぼれ怪人のモグラ獣人が、東京を細菌テロから守るために、死の淵に立たされている。このままじゃ、モグラ獣人が…。

そこに、父親が予定より早く帰ってきた。玄関先から聞こえる、のんきな「ただいまー」。父親からすれば、返事がないから、さらに大きめの声で、「ただいまー」。歯を食いしばって、真っ赤な顔の僕。

ついに、おばあちゃんが痺れを切らせて、「お帰りなさい」。姉も階段を降りてきて、「お帰りなさい」。ここで僕がブチ切れて。

回り続けるテープレコーダー、戦い続けるアマゾンライダー。ブチ切れ続ける僕、ブチ切れ返す姉。父親の労をねぎらうおばあちゃん。事態が今一つ飲み込めない父親。困り果てる兄。この際、テレビに食い入る弟。ご飯の片付けをする母。

最悪だ。大失敗だ。この世の終わりだ。時は流れて、あれから40年。名作『仮面ライダーアマゾン』第20話「モグラ獣人最後の活躍」の巻は、Blue-rayでも配信でも見ることができる。

仮面ライダーアマゾン


今となっては、あのカセットテープを聴きたい。いくら出してもいい。

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