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伊集院光が語る「鉄道好きな同級生のちょっと良い話」

2013.02.27 (Wed)
2013年02月25日放送の「伊集院光 深夜の馬鹿力」にて、中学時代のクラス会に出席したことについて語っていた。鉄道員(ぽっぽや) [DVD]

前の記事:伊集院光が語る「クラス会に出席する人、欠席する人の違い」

伊集院光「同級生の近藤君は、若くしてもう10何年前に脳腫瘍で死んじゃったんです。その近藤君っていうのが、僕の一番仲良かった友達だから、今日、これからクラス会に行って何が起こるか分からないけど、いったん近藤君の家に行って、近藤君の仏壇に手を合わせて自分を戒めてこようって思って。戒めないと、またお調子に乗る可能性があるからって」

「行ったら、全然、人っ気がないからどうしたのかって思ったら、近藤君の弟がやっと何度かピンポンして出てきて。『お母さんに会ってご挨拶しようかと思って。一応クラス会だから一番仲良かった近藤君に会いに来たんだ』って言ったら、『今日、老人ホームに入りました』って言われて。『あぁ、そうなんだ…じゃあ!』…なんつって(笑)このエピソード、要らないよね(笑)」

「…クラス会って、結局、メインの人たちのものだなって思って。メインの人たちの関係も、俺は中学時代はそんなに悪くないから、楽しめるんだけど、メインの人たちの楽しかったイベントに、イジメ臭のニオイが入ってくるの」

「それが付き合えないんだ。自分の中には、イジメられる可能性もあったし、自分の友だちがそうなっていくこともあって、悩んでる姿も見たから、その感じに一緒にワハハとは笑えなかったり、スポーツを一緒にやった話は笑えたり。そういう笑ったり、笑えなかったりっていうのを、行ったり来たりしてて」

「その中で、古谷君って友達がいて。その子の家は、超貧乏なワケ。今の荒川区なんっていうのは、東京23区の中で成り上がってるんだけど、成り上がったり下がったりの上下があるんだけどね。バブル前の荒川区は、超貧乏なワケ。俺たちの中でも、アイツの家は超貧乏だよなって言うくらいだから、相当金がない家で。背が小さくて、ヒョロヒョロで。頭はそんなに悪くないっていうのは、俺は知ってるんだけども、結構イジメられてるとイジられてるの中間くらいで」

「そいつがスゴイ貧乏なんだけど、仲良くしたくて。俺が思う鉄道が好きっていう人の最初の原点はソイツで。近所の尾久駅っていう割りとローカルな駅の改札のところに居て。当時は、切符をその場で捨てていくというか、出していくんだけどね」

「ソイツは貧乏だけど鉄道が大好きだから、集めてるわけ。珍しい切符があるとくれるんだけど、その辺が空気感覚で間合いの詰め方が分からないんだけどさ、俺自体は切符自体に興味が無いから、古谷くんがくれた切符を、もらっても…って感じだったんだけどね」

「古谷くんのことを、ヤンチャしてた連中と話をしてたんだけど、『古谷っていたよな。貧乏だったよな』って話になるんだけど、『なんだか分かんねぇけど、尾久駅にいるんだよな』って話になるわけ。『ワケわかんねぇけど、朝から晩までいるんだよ』って」

「俺のできる橋渡しは、『あいつは珍しい切符を拾って、くれたりしたよ』みたいな話をすることなんだけど、酒も入ってるから『切符なんていらねぇよな(笑)』みたいな、『欲しかねぇよな』みたいなトーンになるわけ」

「そうなっちゃうと、こっちも『そうだよね。電車に興味ないしね』って感じになるんだけど。鉄道好きな人には分かると思うんだけど、最初にクラスで鉄道に詳しいのは古谷くんだけなんだけど、その後にブルートレインブームとか、チャレンジ二万キロブームっていう、鉄道が一般的なブームになっていくわけ。そうすると、金のある家は、カメラを買ってもらって、実際に旅に行って写真を撮ったり、カードを集めて要らないのをくれる、みたいな感じになるんだけどね。そうなると、古谷くんにとっては聖域的な鉄道に金が掛かるようになっちゃって」

「その時に、古谷くんに『どうして切符集めをしてるの?』って、直接訊いたことがあって。そのことが原因で、電車好きな人に敬意を払うようになったんだけどね。その時の答えが、『こいつ大人みたいなことを言うなぁ』って思ったのが、『切符を拾うと、とんでもない遠くの切符のことがある。そこに行ったこともないけど、どんなところなんだろうかって考えるのが、すごく面白い』って言われて」

「『一緒にしようぜ』って言われるんだけど、その距離感は詰め過ぎってこっちは思っちゃうわけ。そんなの分からないから、知らない駅だからって。それで、『切符もらったところで喜ばねぇよなぁ』みたいな話になって」

「そしたら、途中から大野君が、『何の話?』って入ってきて。『古谷くんの話してて』ってことを話したら、大野君が『あ!それそれ』って急に言い出して。財布の中を探り始めて『俺、古谷くんにもらって未だにとってあるんだ』って言って切符を取り出して」

「30年前に古谷くんにもらった、大野駅ってところから尾久駅までくる切符なんだけどね。それで大野君が『これをもらって、"大野駅っていうのはどこにあるんだ?"って話を古谷くんに訊くんだけど、アイツは鉄道に詳しいからどこで乗り換えてって話を何回かされた内に分からなくなっちゃってさ、いつかこの大野駅に行きたいなぁって思ったのを思い出したよ。財布を何遍も変えてるんだけど、この切符とってあるんだよね』って話になって」

「大野君とは、ダメな部分がすごく似てるんだけど、アイツは唯一、人間の格が違うというか。アイツはバカなんだけど、そこの打算が全く無いっていうのかな。誰に嫌われるのがイヤだから付きあおう、とかそういうのが無いの。クラス全員が、ケンカが強くないし頭はすごい悪いけど、大野に一目置いてるのはそういうところで。『こいつは面白い話をするんだから話をすればいいじゃん』って感じと、俺の『仲良くなったらイジメられかも』って意識が5%くらい、常にあったと思うんだけどね」

「すごくない?30年も前にもらった切符を、何回も財布を変えてるだろうに持ってて。しかも、古谷くんが来るから見せようと思ったってことでもないのよ。『あ、そうだ』って感じで出してくる懐の深さね。あと、クラス会に来られない人にあるドラマの深さみたいなものがあるね」


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