伊集院光が語る「逆境から救ってくれる『笑い』」
2012.08.05 (Sun)
2012年08月01日放送の「100分 de 名著」にて、ヴィクトール・E・フランクル『夜と霧』が取り上げられていた。そこで、MCの伊集院光が東日本大震災当時の深夜ラジオ番組について語っていた。

『夜と霧』とは、1946年に出版された、精神科医、カウンセラーでもあるヴィクトール・フランクル自身の、強制収容所経験に基づいた作品である。
伊集院光「(強制収容所で)屈強な身体の持ち主が生き残りそうなんだけど、そうじゃない、と」
諸富祥彦(明治大学文学部教授)「真っ暗な絶望の収容所とは、別の世界である宗教とか祈りですね。現実とは異なる別の世界への通路、チャンネルを持っている人だけが生き残ることができたんだ、と。それは、身体が頑丈なことよりも、遥かに心の豊かさ、感受性の豊かさが生きる力になっていたんではないかと」
伊集院「歌が何を生産するかは分からないし、物質としてはよく分からない。信仰が物理的に何かを与えてくれるわけじゃないんだけど」
諸富祥彦「うん、うん」
伊集院「でも、大事なことなんですね」
諸富祥彦「ええ。どん底に落ちているからこそ、見つけていくものというのが、人間にはあるんだ、と。そのことが『夜と霧』には書かれていると思いますね」
伊集院「うん、うん」
諸富祥彦「これは伊集院さんがご専門だと思うんですが、収容所の中で、ユーモアを言うことによってお互いを励まし合っていたというシーンがですね、何度かあるんですね」
伊集院「そうですか…それはスゴイ希望になるのは、ラジオの深夜放送やってまして。その3.11から、起きたその週は地震の情報をとにかく出さなきゃってことで、僕らのトークの番組はなかったんですけど」
諸富祥彦「うん、うん」
さらに、以下のように語っていた。
伊集院「1週間後にどうしようか、と。いつものクダラナイ番組を、ちゃんとやってみないか、と」
諸富祥彦「うん、うん」
伊集院「結局やるんですけど、本当の一番キツイところの人が、『面白かった』って言ってくれる、『よかった、そういうもんなんだ、お笑いって』っていう。それとすごく結びついてます」
諸富祥彦「本当に極限状態になった人というのは、『笑いこそが、自分たちのエネルギーになる』というのが、ある人生の真実だと思うんですね」
伊集院「ええ」
諸富祥彦「フランクルは、たぶん収容所の体験が影響していると思うんですが、自分が亡くなる直前まで、家族をひたすら、冗談で笑わせ続けてます」
伊集院「へぇ~」
諸富祥彦「『それまで(亡くなるまで)私達を冗談で笑わせてくれました』と、ご家族が語ってるんですね」
伊集院「心から嬉しい話ですね。まさか、そういう観点で読んでみようって心が動くと思わなかったから」と語っていた。
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伊集院光「(強制収容所で)屈強な身体の持ち主が生き残りそうなんだけど、そうじゃない、と」
諸富祥彦(明治大学文学部教授)「真っ暗な絶望の収容所とは、別の世界である宗教とか祈りですね。現実とは異なる別の世界への通路、チャンネルを持っている人だけが生き残ることができたんだ、と。それは、身体が頑丈なことよりも、遥かに心の豊かさ、感受性の豊かさが生きる力になっていたんではないかと」
伊集院「歌が何を生産するかは分からないし、物質としてはよく分からない。信仰が物理的に何かを与えてくれるわけじゃないんだけど」
諸富祥彦「うん、うん」
伊集院「でも、大事なことなんですね」
諸富祥彦「ええ。どん底に落ちているからこそ、見つけていくものというのが、人間にはあるんだ、と。そのことが『夜と霧』には書かれていると思いますね」
伊集院「うん、うん」
諸富祥彦「これは伊集院さんがご専門だと思うんですが、収容所の中で、ユーモアを言うことによってお互いを励まし合っていたというシーンがですね、何度かあるんですね」
伊集院「そうですか…それはスゴイ希望になるのは、ラジオの深夜放送やってまして。その3.11から、起きたその週は地震の情報をとにかく出さなきゃってことで、僕らのトークの番組はなかったんですけど」
諸富祥彦「うん、うん」
さらに、以下のように語っていた。
伊集院「1週間後にどうしようか、と。いつものクダラナイ番組を、ちゃんとやってみないか、と」
諸富祥彦「うん、うん」
伊集院「結局やるんですけど、本当の一番キツイところの人が、『面白かった』って言ってくれる、『よかった、そういうもんなんだ、お笑いって』っていう。それとすごく結びついてます」
諸富祥彦「本当に極限状態になった人というのは、『笑いこそが、自分たちのエネルギーになる』というのが、ある人生の真実だと思うんですね」
伊集院「ええ」
諸富祥彦「フランクルは、たぶん収容所の体験が影響していると思うんですが、自分が亡くなる直前まで、家族をひたすら、冗談で笑わせ続けてます」
伊集院「へぇ~」
諸富祥彦「『それまで(亡くなるまで)私達を冗談で笑わせてくれました』と、ご家族が語ってるんですね」
伊集院「心から嬉しい話ですね。まさか、そういう観点で読んでみようって心が動くと思わなかったから」と語っていた。
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