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爆笑問題・太田光「小説『文明の子』で書きたかったテーマ」

2012.01.23 (Mon)
2012年01月22日放送の「爆笑問題の日曜サンデー」にて、太田光が小説『文明の子』のテーマについて語っていた。

太田光「『まぼろしの鳥』が書き終わるかなって時に、『文明の子』を書き始めてるんですよ。その時に、ちょうどSMAPの曲の歌詞、『We are SMAP』の歌詞を同時に書いてましてね。『まぼろしの鳥』にもリンクしてると言っていたわけですけど」

「『文明の子』に、二人の少年が出てくるワケなんですけど、その二人がですね、好奇心を燃料にして飛んでいく、という場面がありましてね。実は、この歌詞とすごくオーバーラップしてるというか、リンクしてるんです」

「…昨日の記者会見でも言ったんですけど、この『文明の子』に込めた思いっていうのは、これを書いてる途中に、東北の震災がありまして、それで大幅にそういう話になっていった、というかね。あの直後に、原発のことや、未だにどうなるのか収束しきってないですけど、文明を否定したくなるじゃないですか」

さらに、以下のように語っていた。

「そういう発言をしてる人も多くて。某世界的作家の方が、外国で演説された中で『日本は、ヒロシマ・ナガサキを経験しておきながら、なおかつビキニ環礁のことを経験しておきながら、"日本は二度と過ちを犯しません"と誓いを立てておきながら、どうしてまた核に戻ったのか…それは、理由は簡単です。便利性、合理性を命よりも優先したからです』って言っていたんです」

「そういうようなことを仰る方がいっぱいいて。僕は、原発が良かったとも悪かったとも決めかねていて、『そんな簡単なことなのかよ』って思ったんです。"簡単です"って言ったからね。文明って、そんな簡単に否定できるのかなって思って。ましてや、表現を生業としている人が、あまりにも安易にそういう風に言うことが、あの直後、まだ福島で放射能に怯えている人々がいる中で、"もう日本には住むところは無いんだ。東京電力にダマされた"って言ってるような人もいる」

「そういうのが、俺は何よりも許せないのは、政府よりも東京電力よりも、俺と同じ表現者っていえば偉そうだけど、そういう人なんだよね。我々は何をやるために存在しているかといえば、聞いている人が元気になる(勇気づける)ってことじゃないですか。桑田佳祐さんともそういう話をするんですけどね」

「観ている人が励まされるのが、エンターテイメントだと思ってるから、ましてや、何の考察もしないうちに、"もう日本には住むところは無いんだ"って言い切っちゃうこと、後は"戦後日本は、金に目がくらんで、この文明を作ったんだ"って一言で言い切ることが、何よりも許せなかったんだ」

「それを考えると、俺のずっとテーマなんだけど、『戦後のニッポンっていうのが、間違いだったのか?』っていうのがずっと疑問で。『憲法九条を世界遺産に』のときもそうだけど、あれも戦後日本って何なんだろうかってことを考えることだったんだよね」

「そうすると、間違いだったとしても、俺らの親がやったことだし、親は何のためにやったかといえば、俺らを育てるためにだったし、俺らたち、子供たちの命を守るためっていう側面はいっぱいあったと思うんだよね」

「ドラマ『南極大陸』を観ていても、あれは無謀じゃない?あの冒険。とっても無謀ですよね。でも、ああやって挑戦していって、犬たちは死んでいくし、とんでもないこともあった。そのために犠牲になって良いんだってことではないんだけど、たいてい文明っていうのは無謀なことをやってるんだよね」

「でも、それは何か、何のためかっていうと、人を守るためだったりとかってことがあって。…文明をなんとか肯定できないかっていう、そういう思いがあってですね。それで書いたってところが大きいんですよね」と語っていた。


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